「御開帳」の意味と使い方とは?神社に関する意味や俗語的表現も

「御開帳」を「隠しているものを公開する」という意味だと思っている人もいるかもしれません。俗語的な意味で使われることもありますが、本来「御開帳」は寺・神社で行う宗教行事に使う言葉です。使い方を誤ると、周囲の人との会話がスムーズに行えない可能性があります。意味や使い方を確認しましょう。

「御開帳」の意味とは

「御開帳」の意味とは「寺・神社で貴重なものを公開すること」

「御開帳(ごかいちょう)」は「開帳(かいちょう)」に「御」をつけて丁寧に言った言葉です。

意味は「寺・神社で保管されている貴重なものを、特定の日だけ公開すること」です。宗教上の理由や、痛むのを防ぐためなどの理由で普段は非公開になっている品がある寺・神社もあります。それらを特定の期間だけ一般に公開することや、その行事を表します。

「御開帳」の元々の意味は「非公開の仏像を一般公開すること」

もともとは非公開の仏像を一般に披露することを意味していました。そこから意味が広がり、寺・神社に収められている貴重な品・建物の公開も含むようになりました。

俗語的な意味は「隠しているものを人に見せる」

「御開帳」は宗教行事とは無関係に「隠しているもの・隠すべきものを人に見せる」という意味で使われることがあります。頻度は高くありませんが、企業・個人が新情報を発表する際に、冗談めかして使っています。「大げさだ」と違和感を覚える人がいる可能性があるため、使用には注意が必要です。

「御開帳」の使い方とは

「御開帳」は「有名な寺の秘仏の公開」に使われることが多い

「御開帳」は、有名な寺の御本尊などの秘仏(ひぶつ)を公開する行事に使われることが多くあります。秘仏とは、さまざまな理由で非公開になっていて、箱のような入れ物である「厨子(ずし)」から出さない仏像のことです。秘仏の中には一度も御開帳しないものもあります。

寺によっては、御本尊ではなく前立本尊(まえだちほんぞん)を御開帳することもあります。前立本尊は、御本尊の代わりをするために作られた仏像です。

「出開帳」とは「仏像を別の寺へ運んで御開帳すること」

「出開帳(でかいちょう)」は、仏像がある寺から他の土地の寺へ運んで行う御開帳のことです。この言葉の対義語は、自分の寺で行う「居開帳(いがいちょう)」です。

江戸時代には頻繁に行われたと言われています。人気が高く、多くの人が近所の寺で行われる出開帳に参拝したそうです。また、参拝客を目当てにした店も多くありました。

「開帳の雪隠」は出開帳を舞台にした古典落語

出開帳が行われる寺を舞台にした古典落語が「開帳の雪隠(せっちん)」です。「雪隠」はトイレのことです。出開帳に多くの人が集まり賑わっていたことが分かる内容になっています。

開帳の雪隠のあらすじ

出開帳でトイレを有料で使わせる雪隠屋を始めた2人組がいました。2人の思惑通り雪隠屋は人気になりました。ところが、急に客足が途絶えてしまいます。同じ値段なのに、こちらより質の良い雪隠屋ができたからです。不利な状況ですが、とあるアイディアで客を取り戻すことに成功するのでした。

落語家によって詳細な点に違いがあります。例えば、主人公の2人組は男性2人だったり、駄菓子屋の老夫婦だったりします。

 
 

「御開帳」を使った例文

「御開帳」の例文:宗教行事の場合

  • 7年に1度の御開帳のため、京都へ旅行する予定だ。
  • 子どもの頃に御開帳で見た仏像の神々しさは、今でもはっきり覚えている。
  • 御開帳に参拝できるツアーに申し込んだが、感染症対策で延期になってしまった。

「御開帳」の例文:宗教行事に関係ない場合

アップデートで新機能「〇〇ルーム」が御開帳しました。

「御開帳」が語源と周期

演劇・歌舞伎の「開帳場」は斜面の大道具

御開帳が語源になったとされるのが、演劇・歌舞伎などで使われる「開帳場(かいちょうば)」です。坂道の演出に使う大道具のことを意味します。

「開帳場」とは、もともとは「御開帳が行われている場所」という意味です。参拝客の怪我を防止するため、階段に板を敷いて坂にしていました。この坂に似ていることから、斜面を演出する大道具を「開帳場」と呼ぶようになったそうです。

他にも、人が多く賑わう場所のことも「開帳場」と表現します。

「御開帳」する周期はそれぞれ異なり延期することもある

仏像などを「御開帳」する周期は、寺・神社ごとに異なります。年の数え方は「数え年」のことがあるため注意が必要です。(日常的に使われる「満」の数え方と違い、御開帳を行った年を1と数えます)長い場合は60年周期の御開帳を行う寺・神社もあるため、生きている間に1度しか参拝のチャンスがないケースもあり得ます。

必ず定期的に行われるとは限りません。例えば、2020年は新型コロナウィルス対策のため、予定していた御開帳を延期・中止する寺がありました。

まとめ

「御開帳」とは「寺・神社で貴重なものを公開すること」を意味します。特に有名なのは、普段は非公開の仏像を、特定の日だけ参拝客に公開することです。

別の分野でも「隠すべきものを見せる」という意味で使うことがありますが、一般的ではありません。基本的には宗教行事を表す言葉として使用する方が良いでしょう。