「どうも、おっちょおちょいで」「おっちょこちょいな生活」というように、主にうっかりした人やそういった様子を表す時に使われる言葉です。ここでは「おっちょこちょい」の意味の他、語源や方言説について、また類語や英語フレーズについてわかりやすく紹介します。
「おっちょこちょい」の意味と語源とは?
「おっちょこちょい」の意味は”軽率に行動すること”
「おっちょこちょい」の意味は、“軽率にものごとを考え、行動すること”です。落ち着いて物事を捉えず、軽々しく振舞うさまを表します。
「おっちょこちょい」は何においても不注意で、冷静に物事に取り組まないさまを指す言葉です。つまり、内容をしっかり理解をする前に、早とちりをして行動に移してしまうことを「おっちょこちょい」と言います。
「おっちょこちょい」の語源は”おっ・ちょこ・ちょい”
「おっちょこちょい」は、そもそも”おっ・ちょこ・ちょい”の3つの言葉が組み合わさって出来た言葉です。
「おっ」は驚いた時に言葉として放たれる「おっと」と同様の意味を持つ「おっ」、または後続する「ちょこちょい」に合わせた接頭語「お(御)」を意味します。
「ちょこ」はあちこちとそこかしこに動き回る「ちょこちょこ」の「ちょこ」、そして「ちょい」はちょっとした事を容易にできる様子を表す「ちょいと」と同じ意味を持つ「ちょい」のことです。
「おっちょこちょい」は、1800年の後半から見られる古い言葉で、俗語として東京を中心に使用されたと言われています。その後、日常的に使う標準語の一つとして全国区に広まりました。
「おっちょこちょい」の使い方と例文とは?
「おっちょこちょい」には苦笑い的なニュアンスが強い
「おっちょこちょい」は、深く性格に物事を理解せず、軽率に行動してしまうことを指します。そのため、人の性質や性格的なものを表す時にもよく使われます。
たとえば「〇〇さんはおっちょこちょいだ」「おっちょこちょいな性格が玉にきず」というように使われますが、人の気質や性合いに対して、やや苦笑い的なニュアンスを含めて用いることが多いです。下記の例文で受け手の印象を比較してみて下さい。
- あなたは、おっちょこちょいですね。(批判を含むが許されるような印象)
- あなたは、言動が軽々しいですね。(ストレートに批判的)
「おっちょこちょい」という滑稽な響きにも影響されますが、「おっちょこちょい」と言われて、根本的に傷つく人は少ないと言えるでしょう。
「おっちょこちょい」は使う相手に気を付ける
前述に続きますが、「おっちょこちょい」は決して褒め言葉とは言えません。どちらかというと人の性質の欠点的なものを、遠回しに指摘するような時に使われることがほとんどです。しかしながら、「おっちょこちょい」には、そそっかしく軽率という意味があるため、使う相手や状況には気を付ける必要があります。
たとえば、ビジネスシーンで取引先の相手や関係者に対して、冗談のつもりで「あなたは、おっちょこちょいですね」と言ったとします。受け手の解釈や性格的なものにも左右されますが、おそらく良い気分にはならないでしょう。
自分が良く知る人や友達などに、からかい半分で「おっちょこちょい」という言葉を使うの問題ありませんが、やはり使う相手や状況には気を留めておくべきです。
「おっちょこちょい」を使った例文
「おっちょこちょい」を使った例文をご紹介しましょう。
- 私はおっちょこちょいな性格だと言われる。
- 社会人になったら、おっちょこちょこいな行動は避けるべきである。
- 今回のミスは、おっちょこいな考え方が原因となった。
- 時間を間違えて待ち合わせ場所に行ってしまったのは、まさにおっちょこちょいであった。
「おっちょこちょい」の類語とは?
「おっちょこちょい」の類語は”そそっかしい・迂闊・早合点”
「おっちょこちょい」の類語には”そそっかしい・迂闊(うかつ)・早合点(はやがてん)”などが挙げられます。
「そそっかしい」は物事に対して不注意で落ち着きのないこと、「迂闊」は十分に心が行き届かず不用意に行うさま、また「早合点」は物事をしっかり理解しないうちに思い込んでしまうことを意味します。
その他「おっちょこちょい」の類語には、「気が早い・せっかち・先走る」などがありますが、どの類語もうっかりとしていることが原因で、不用意に行動したり、考えたりすることを表す言葉となります。
「軽佻浮薄」は言動が軽薄で浮ついていること
「おっちょこちょい」に似た意味を持つ四字熟語に「軽佻浮薄 (けいちょうふはく)」があります。「軽佻浮薄」は考えや行動などが軽薄で、気分が浮ついていることを意味し、これと信念がなく周囲に流されやすいことを表します。
「軽佻浮薄」は思慮が足りず、浅はかな様子を示す四字熟語であるため、自分の浅はかな行動を恥じたり、相手の軽率な言動を指摘する時に使われます。
「おっちょこちょい」の英語フレーズとは?
「おっちょこちょい」の英語は”carelsess・goofy”
「おっちょこちょい」を英語でいうと“careless(ケアレス)”や“goofy(グーフィ)”などになります。「careless」は”ケアレス・ミス”などのカタカナ語として馴染みがありますが、意味は「物事をしっかりと考えず、浅はかに行動すること」となります。また「goofy」は”うっかりもの”という意味で、人の性質をからかい半分に表す時に使われます。
その他、やや堅めの言い回しとなりますが、「thoughtless(ソウトレス)」や「inconsiderate(インコンシダレイト)」なども、人の言動や考えが軽率であることを意味します。
加えて、相手の不器用さやそそっかしさを、皮肉を含めてからかう時は「butterfingered(バターフィンガー」というフレーズも使っても良いでしょう。
「おっちょこちょい」を使った英語例文
「おっちょこちょい」を使った英語例文をご紹介しましょう。
- You are such goofy
君はほんとにおっちょこちょいだね。 - I just realized that this was a careless mistake.
おっちょこちょいな過ちだと気付いた。 - The decision you just made was a bit thoughtless (or inconsiderate )
あなたが下した決断は、少しおっちょこちょいなものであった。
「おっちょこちょい」の特徴と方言説とは?
「おっちょこちょい」の特徴は”ゆとりがない”
「おっちょこちょい」は、主に人の行動や性質などを表す時に使われますが、主な特徴としては、周囲から見て「ゆとりがない」ことが挙げられます。主に「おっちょこちょい」な人は、言動にそそくささが多く、あわてんぼうなことが多いです。
また「おっちょこちょい」は物事への結論を必要以上に急ぎ、短兵急である場合がほとんどです。そのため、ケアレスミスや勘違いも人一倍多いのが特徴となります。そのため「おっちょこちょい」な人に対しての印象は「落ち着きがなく不注意が多い」というものが多いようです。
「おっちょこちょい」は方言ではない
「おっちょこちょい」というやや滑稽な響きから、「おっちょこちょい」が関西の方言ではないか?という印象を受けることがあります。しかし「おっちょこちょい」はれっきとした標準語で、どこの方言でもありません。
「おっちょこちょい」は語源でもご説明しました通り、3つの言葉が組み合わさって出来た全国でどこでも使われている普通の言葉なのです。
まとめ
「おっちょこちょい」とは、物事をしっかり理解せず軽率に行動することを意味します。語源は「おっ・ちょこ・ちょい」となり、人の性質や気質などを表す時に使われます。
また、「おっちょこちょい」は言葉の軽快さや滑稽な響きから、関西地方の方言だと思う人も多いようですが、全くの標準語で、全国規模でごく普通の言葉として使われています。