「復讐」の意味と読み方とは?仕返しや報復との違い・英語も紹介

「復讐」という言葉を聞いて、背筋がゾッとする人もいるでしょう。一般的には、危害を加えた相手や集団に敵討ちをすることを表しますが、仕返しや報復とは意味の上でどのように異なるのでしょうか?

ここでは「復讐」の意味と読み方の他、類語や英語表現などについて、例文を使ってわかりやすくご紹介します。

「復讐」の意味と読み方とは?

「復讐」の意味は”敵討ちをすること”

「復讐」の意味は、“敵討ちをすること”です。自分、また家族や友達など自分と関係の深い人や集団に危害を加えた相手に、同じ程度かそれ以上の危害を打ち返すことを表します。

「復讐」は、自分に対してのみならず、自分が属する集団が与えられた害悪に対し、報復として仕返しをすることです。そのため、感情的にも強い憎しみと恨みつらみが伴います。

「復讐」の読み方は”ふくしゅう”

「復讐」の読み方は、“ふくしゅう”です。もともと「復」には”元の道に戻る”、「讐」には”むくいる”という意味があります。「復讐」はこの二つの言葉を組み合わせて”元の道に戻って報いを返す”ということを表す言葉として使われています。

ちなみに「復讐」の「復(ふく)」は「反復・回復・復命」など、また「讐(しゅう)」は「怨讐・恩讐」などの熟語で、それぞれ使われている漢字となります。

「復讐」と「仕返し・報復」との違いとは?

「仕返し」は日常的で小さな事柄へのお返し

「仕返し」とは、日常的に起こる悪態や喧嘩など、比較的小さな事柄に対して行う同等程度の仕打ちのことをいいます。「復讐」と同じように、自分や自分が関係する誰かや集団に害を与えたものに、敵討ちをすることですが、些細な物事への仕打ちに対しては「仕返し」を使うのが適当です。

「復讐」ほど大規模で大げさなものではなく、いたずらや嘘、軽い攻撃などの「お返し」といったニュアンスで使われるのが「仕返し」です。

例文
  • 昨日、理由もなく弟に叩かれたから、仕返しに靴を隠した。
  • 嘘をついた彼に、ドッキリを仕掛けて仕返しをした。

「報復」は与えられた危害への計画的な制裁

「報復」も復讐のように、相手から与えられた不当な行為や害悪に対しての行為を表す言葉です。「復讐」は怒りや恨みなどを持って相手に報いることを意味しますが、「報復」の場合は、どちらかというと冷静沈着で、じっくりと計画を持って行うのが特徴となります。

「報復」は個人と集団のどちらに対しても使いますが、主に組織や国家間のように大きなスケールに対して用いることが多い言葉です。

たとえば、国家間の間で協定以外のことがら以外への無断・不当行為や、不適当な干渉が行なわれた際は「報復措置」がとられます。このような国家間の仕返しを中心とする組織的で、私情をほとんど挟まないな仕返し行為を「報復」と呼んでいます。

例文
  • 制裁措置として、1か月の取引禁止を命じた。
  • 相手国に対し、報復として制裁を加えた。

「復讐」の類語とは?

類語①「仇討ち」とは敵討ちのこと

「仇討ち(あだうち)」とは、”敵討ち”を意味します。もともと「仇討ち」は主君や家族などを殺めた者に対して、処罰する意図を持って「私的な制裁」として行なわれた行為です。「仇討ち」は古い日本の制度で、武士が活躍をした中世期に始まった慣行の一つでもあります。

また「仇討ち」の「仇」には”恨み”、「討つ」には”敵を攻めて滅ぼす”という意味があります。この二つの言葉を組み合わせて出来た言葉が「仇討ち」です。

例文
  • 古い書物には、戦前に行われた仇討の様子が刻々と書かれていた。
  • 仇討ちではないが、ルール違反で市場を荒らされた仕返しはするべきだ。

類語②「お礼参り」とは仕返しの俗語的な言い回し

「お礼参り」とは、深い怒りを伴う「仕返しの俗語的な言い回し」です。主に刑期を終えた出所者が、自分を不利に導いたり、密告をした者に対して仕返しをする行為を指します。

現在では使い方が広がり、卒業生が学校に戻って仕返えしをしたり、害悪を与えた旧会社に旧社員が何らかの仕打ちをしたりなど、「古巣に戻って仕返しをすること」を総称して「お礼参り」と呼ぶことがあります。

一方で「お礼参り」には”報賽(ほうさい)”の意味もあり、神仏にかけた願いが実り、そのお礼をするために参拝することも表しています。こちらは良い意味での「お礼参り」を指します。

例文
  • さあ、お礼参りといこう。昔の恨みを晴らすために。
  • 大物が出所したため、お礼参りを危惧して警戒態勢が引かれた。

「復讐」の英語表現とは?

「復讐」は英語で”revenge”

「復讐」は英語で“revenge(リベンジ)”を使うのが一般的です。「復讐をする」と表現する時は「exact revenge on」や「get revenge against 」などを使いましょう。

また、コミックや映画のタイトルでも知られる「avenge(アベンジ)」という言葉は「敵討ち・仕返し」という意味があります。「revenge」は復讐を抽象的に表す要素が強いですが、一方で「avenge」は実際的な行動や手段、テクニックにフォーカスした仕返しを表す時に使われることが多いです。

「復讐」を使った英語例文

「復讐」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • 彼は復讐に燃えている様子だ。
    It seems he is determined to get his revenge.
  • 彼女が元カレにずっと復讐するための方法を探していたなんて、怖いわ。
    How scary it was to know that she has been seeking the best way to exact revenge on her-ex boyfriend.
  • 私は元同僚に復讐をする目的で、このビルに侵入した。
    I entered this building for the purpose of my revenge to one of my old collegue.

まとめ

「復讐」の読み方は「ふくしゅう」で、自分や自分が関係する、または属する集団に与えられた危害に対して、同等か、それ以上の危害を持って敵討ちをすることを意味します。「復讐」は加害者への憎しみやつらみなどの激しい感情を伴うのが通常です。

「復讐」と似た言葉に「仕返し」や「報復」がありますが、相手へ報いる程度や手段などがが異なります。それぞれの言葉の意味を理解して、適切な場面で用いるようにしましょう。