「可愛い子には旅をさせよ」の本当の意味は?使い方の例文と類語も

「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがあります。主に「子が可愛いなら、あえて外の世界を経験させよう」といういった意味がありますが、裏に隠れた本当の意味を知っていますか?

ここでは「可愛い子には旅をさせよ」の意味や使い方の例文、また類語や英語フレーズなどついてご紹介します。親が子育ての際に取り入れる教育概念の一つ「可愛い子には旅をさせよ」について理解を深めましょう。

「可愛い子には旅をさせよ」の意味とは?

意味は「子は家を出て苦労を経験するべき」

「可愛い子には旅をさせよ」ということわざには「子が可愛いなら、あえて家から出てもらって、世間の苦労や困難を経験させるべきである」という意味があります。言葉を足すと「子供は自分の家を出て一人暮らしをしたり、知らない土地で生活をするべきであり、そうしなければ成長しない」というのがこのことわざの基本となる意味です。

もちろん「可愛い子には旅をさせよ」は、「我が子に楽しいバカンスを味わってもらう」といった文字通りの意味合いを持つことわざではありません。

本当の意味は「人は苦しい経験をしてこそ成長できる」

「可愛い子には旅をさせよ」は「子は安全である親元を離れて知らない土地で生活をし、多くの経験をすることで自立し成長できるものである」というのが本当の意味です。つまり、安全な暮らしが約束された場所をあえて離れて、知らない世界や馴染みのない場所で暮らすからこそ、人間として大きく成長できる、ということを言っています。

一人暮らしを経験している人は、実家に居た頃、安全で苦労の無い生活だったと振り替えることがあるでしょう。それは、親と生活をしているとあまり苦労もせず、のんびりと暮らすことができるからです。

「可愛い子には旅をさせよ」の本当の意味は「親元を離れて、辛く厳しい経験をしないと成長できない」、言い換えれば「世間の苦しみを経験をした方が成長できる」となります。

親の思い「強く立派に自立して欲しい」

一旦家を出て、他の土地へ行くと新しい人と出会うとともに、さまざまなトラブルに遭遇することが増えてきます。新生活ではワクワクするような体験だけではなく、「困難」「苦労」とも呼べる経験もすることになるでしょう。

「可愛い子には旅をさせよ」は、表向きは我が子を完全に突き放すように見えます。もちろん、子供にとっては「追い出された」「冷たく見放された」と映るかもしれません。

しかし実際には、我が子に強く立派に成長して欲しい、自立して社会で活躍して欲しいという願いが込められています。子供から大人へとたくましい成長するためには、やはり「旅」は必要なことなのです。

「可愛い子には旅をさせよ」は教育概念の一つ?

子を育てる時に必要な概念

「可愛い子には旅をさせよ」は、親として子供を育てる際の「教育概念」として導入している場合も多いでしょう。外の世界を見ることで視野を広げ、柔軟な思考を養うことができるからです。

もちろん、自分の子は本当に可愛いもので、できればあまり苦労をしてほしくないというのが本音でしょう。しかし、あえて子供を世間の冷たさや過酷な状況にさらさなければ、実社会のあり方や世間の風向きを学ぶことはできません。

子が親元を離れることは自立への一歩となります。そして「可愛い子には旅をさせよ」の概念を軸に、厳しく子育てを実践している人は多くいます。

子には適切な説明を加える

「可愛い子には旅をさせよ」という考えを持って子育てを行っている人は「子が勘違いをしないように、適切な説明を加えることも大切です。「可愛い子には旅をさせよ」は、外面的には「突き放すことで強く育てる」ことですが、実際は「愛情が深いがゆえの選択である」ことを子に理解してもらうことが大切です。

自分とは異なる考えを持つ人とのつきあい方やトラブルの対処の仕方など、実社会にでなければ学べない項目は数え切れないほどあります。

そいういった経験をするためにも、自分の家を出ることが成長への第一歩だということ、そして、親元を離れることで得るものはたくさんある、ということを伝えてあげましょう。

 
 

「可愛い子には旅をさせよ」の使い方と例文

部下や後輩に対しても使われる

「可愛い子には旅をさせよ」は、自分の子供に対してだけではなく、同様の愛情をもって接している職場の部下や後輩に対しても使うことがあります。なぜなら、上司や先輩として仕事を教えていると、自然と親のような気持ちになることがあるからです。

「可愛い子には旅をさせよ」の「可愛い子」とは、愛情をもって可愛がっている人のことを指します。「可愛いがゆえ、別の厳しい環境に身を置いて成長して欲しい」からこそ、上司は部下を突き放し、先輩は後輩に辛い経験をさせることがあるのでしょう。

「可愛い子には旅をさせよ」を使った例文

  • 息子には大学生になったら家を出て、寮生活をしてもらおうと思う。「可愛い子には旅をさせよ」というように、早く自立して欲しいからね。
  • 才能のある新人を海外支店に異動させた。「可愛い子には旅をさせよ」ではないが、新地で学び新しい技術を学んで欲しいからである。
  • 「可愛い子には旅をさせよ」で、息子を我が社に入れることはしなかった。まずは、外の世界で厳しさを味わうのが先決である。

「可愛い子には旅をさせよ」の類語とは?

「獅子の子落とし」は「苦難を経験させ器量を知る」

「獅子の子落とし」とは、「子にあえて苦難の道を歩ませ、どれくらい器量があるかを試すこと」という意味があります。

獅子は子を産んだ後、どのくらいの器量や強さなどがあるかを確かめるために、あえて深い谷底へ子を落とす言われています。「可愛い子には旅をさせよ」が持つ「あえて子に苦難の道を歩ませて、成長させる」という点では共通する意味を持つことわざです。

「親の甘いは子に毒薬」は「親の甘さは子に良くない」

「親の甘いは子に毒薬」とは、「親が子に甘いのはよくない」という意味があります。親が子を甘やかしていると、挫折や苦悩を経験せず育ってしまうため、多くを学ぶ機会を失ってしまいます。つまり、親が子に対して何でも甘くすると、将来的に悪い結果をもたらす」というニュアンスで使われることわざです。

「親の甘いは子に毒薬」は、親の子への甘やかしは、長い目で見ると「毒」にも匹敵するほどよくない、つまり「可愛い子には旅をさせないと、子供には毒となり成長しない」という意味をもつ、いわば裏を返したことわざとなります。

「可愛い子には旅をさせよ」の英語フレーズは?

英語では「spare the rod and spoil the child」

「可愛い子には旅をさせよ」と似たような意味を持つ英語のことわざに「spoil the rod and spoil the child」があります。直訳すると「懲らしめなければ、子はダメになる」となり、裏を返すと「子を成長させるには、苦難を歩ませよ」となります。英語圏でも教育の場を中心に、よく使われることわざです。

「可愛い子には旅をさせよ」の他の言い回し

  • Send your child out into the world, if you love him (or her )
    子を愛するなら、世界に放て。
  • The child being forced out in the world learns a lot, A pampered child learns a little.
    世界で育てば子は多くを学ぶ。甘やかして育てば学びはほんの少し。

まとめ

「可愛い子には旅をさせよ」とは、「子に早く自立して欲しい、立派に成長して欲しい」という親の願いと掛け合わせ「可愛い我が子だからこそ、辛く険しい困難を体験させるべきである」という意味で使われることわざです。

親としては子供に安全な暮らしをしてもらい、できるだけ手の届く距離に居てほしい、というのが本音でしょう。そこを心を鬼にして、あえて子を世界に放つのが「可愛い子には旅をさせよ」の本筋です。

現代社会はライフスタイルが多様化し、異なる文化やさまざまな思考を受け入れて生活することが必要になりつつあります。「可愛い子には旅をさせよ」というように、困難や未知の世界を子に身を持って実体験させることが、人生への成功のカギとなるのかもしれません。