物事の程度を表現する際に使われる「概ね」という言葉ですが、正しい意味を理解して使えていますか?よく理解せずに曖昧な状態で使うと、誤解を生じる可能性があります。「概ね」の定義を意味や使い方と供に紹介するので参考にしてください。
「概ね」の意味・読み・類語
「概ね」とは「物事の大体の趣旨」「おおよそ」という意味
「概ね」の意味は、「物事の大体の趣旨」「おおよそ」です。例えば「授業の概ねを理解することができた」だと1つ目の意味が当てはまり、「授業の大体の趣旨を理解することができた」という文章となります。
もう1つの意味である「おおよそ」として「概ね」を使う際は、程度を表す言葉として「本日は概ね晴れるでしょう」などの使い方をします。上記の例文の場合は「はっきりとは言えないが大体が晴れるでしょう」という意味の文章となります。それぞれ使い方が異なるため、状況によって使い分けてください。
読み方は「かねがね」ではなく「おおむね」
「概ね」の読み方は「おおむね」であり、「かねがね」ではないため注意してください。過去から現在にかけて繰り返される様子を表す「かねがね」とは意味も読み方も異なります。特に話し言葉として使う際は読み間違えないようにしましょう。また、書き言葉としてメールや手紙に「概ね」を使う場合は送り仮名に気を付けてください。
「概ね」の類語は「要所」や「ほぼ」
「概ね」には2つの意味があることを説明しました。1つ目の「物事の大体の趣旨」を意味する場合は「要所」が類語となります。例えば「会議の概ねを理解した」に類語を当てはめると「会議の要所を理解した」となり、「会議の重要なところを理解した」という意味となります。
程度を表す「おおよそ」の意味の類語には「ほぼ」が当てはまります。ただ、「ほぼ」は目上の人へ使うには砕けた表現となるため、同僚や目下の部下など相手を選んで使ってください。
「概ね」の定義と目上への使い方
「概ね」の範囲や割合は?
「概ね」を「おおよそ」の意味で使う際、どこからどこまで「概ね」が使えるのかという正確な範囲は決まっていません。正確な範囲は定められていないものの、「概ね」は「おおよそ」を意味しているため全体の大部分を指す言葉として使われます。
ただ、曖昧な表現であり正確な範囲が決まっていないということは、人によっては「概ね」が指す範囲が変わってくるということですので使う際は注意が必要です。
具体的に表せるなら「概ね」は使わない
上記で「概ね」とは正確な範囲が定められていない、曖昧な表現であることを説明しました。人によって「概ね」が指す範囲は異なるため、ビジネス上のトラブルを避けるためにも具体的に表現できる祭は「概ね」を使わない方が良いと言えます。「物事の大体の趣旨」という意味ではなく、程度を表す言葉として「概ね」を使う際は状況に応じて具体的に表現してください。
「概ね」は目上の人へ使える言葉
「概ね」という言葉自体は敬語表現ではありません。敬語ではないものの、類語の「ほとんど」と比較すると畏まった表現となり、前後の文脈を変えて使うことで目上の相手へ適した表現となります。例えば「ほとんど売れた」を目上の相手に使えるように言い換えると「概ね売れました」となります。
目上以外の相手や日常会話で「概ね」を使うと、相手に堅苦しい印象を与えてしまう場合もあるため、相手や状況によって類語と使い分けるのがよいでしょう。
「概ね良い」はおおよそが良い様子を表している
「概ね」を使った言い回しの1つが「概ね良い」です。物事の程度を表現する際に使われる言葉で、「おおよそが良い」様子を表しています。例えば、現在進めているプロジェクトの大体が良い方向に進んでいることを表す際には「概ね良い方向に進んでいます」と使えます。
目上に使える「概ね」を使った例文
「概ね良好」を使った例文
「概ね」を使った使い回しの1つが「概ね良好」です。物事が好ましい状態であることを意味する「良好」を加えることで、おおよそが好ましい状態であることを表します。例えば「中古品ではあるものの状態は概ね良好ですので安心してください」などと使います。
「概ね好評」を使った例文
「良い評判」を意味する「好評」を加えた言葉が「概ね好評」です。おおよそが良い評判である際に使われ、例えると「新商品について調査を行ったところ、概ね好評でした」となります。悪い評判も中にはあったものの、全体のおおよそが良い評判だった際に使われます。
ただ、相手が具体的な数字を求めている場合は曖昧な表現は避けた方がいいため、状況に応じて使うのがよいでしょう。
まとめ
「概ね」とは「物事の大体の趣旨」や「おおよそ」という意味の言葉です。程度を表す「おおよそ」の意味として使う際は、「概ね」には正確な範囲は定められておらず曖昧な表現になります。それぞれの意味を理解して正しく使いましょう。