「冗長」という言葉は、一般的にはネガティブな意味で使われる言葉です。例えば「君の話は冗長的だ」と言われたら、話し方を直そうと思う人が多いでしょう。しかしIT分野では「冗長性」や「冗長化」などの言葉はポジティブに使われています。意味や使い方を例文とあわせて確認しましょう。類語・対義語もご紹介します。
「冗長」の意味と読み方とは?
「冗長」の意味は”無駄が多く不必要に長いこと”
「冗長」の意味は、“無駄が多く不必要に長いこと”です。「余計な表現のせいで内容が分かりにくい」という意味合いがあるため、一般的にはネガティブな言葉として使われます。
例えば、会話の場合は「不要な話が多くて結論が分からない話」を表します。文章の場合は、一文が長かったり、類語が重複したりすると「冗長な文」だと思われやすいでしょう。
「冗長」の読み方は”じょうちょう”
「冗長」の読み方は“じょうちょう”です。
「冗長」IT用語としての意味は”余裕・予備”
IT用語の「冗長」とは”余裕・予備”を表すポジティブな意味になります。コンピュータシステムに余裕や予備があれば、障害が発生しにくくなったり、緊急時にシステムを止めずに済んだりすることが期待できます。そのため「冗長化」は重要です。
なお、データ圧縮やプログラムのコードでは、本来の意味で「冗長」を使うこともあります。
「冗長」の使い方と例文とは?
「冗長」は話や文が分かりづらいときに使う
「冗長」は話や文章を表現するときに使います。無駄な言葉や過剰・場違いな敬語などで、文章が分かりにくいことを説明する言葉です。
適度に冗長的になる方が良い場面もある
「冗長」はネガティブな意味合いで使われる言葉ですが、適度に冗長的になる方が良い場面もあります。冗長さをなくして短くまとめた方がいいのか、適度な間や気づかいの言葉を残した方がいいのか、相手に合わせて判断しましょう。
「冗長さをなくす」ことばかりに目を向けると、相手を気づかったり、場を和ませたりする言葉まで削ってしまう可能性があります。その結果、「冷たい・人間味がない」と、かえってネガティブに受け取られてしまうかもしれません。
「冗長」を使った例文
「冗長」を使った例文をご紹介しましょう。
- 部下の報告書をチェックしたところ、冗長表現ばかりだった。1から勉強させる必要がありそうだ。
- 今までは校長先生の冗長な話が苦痛だったが、卒業したらもう聞けないと思うと寂しくなってしまった。
- 冗長にならないようにとメールの文章を削った結果、必要な情報を消して送信してしまった。
「冗長」のIT用語としての使い方とは?
「冗長性がある」とは余裕があり安定した状態
「冗長性がある」とは、システムに余裕があり安定した状態を意味します。冗長性を持たせることが「冗長化」です。
例えば、絶対に消えてはいけないデータを複数の機械にバックアップしたり、病院など一瞬の停止が命にかかわる施設に非常用の電源を用意したりします。
もう少し冗長性があるシステムにしないと、緊急時に困るだろう。
「冗長構成」とはシステムに余裕を持たせる構成
「冗長構成」とは、システムに余裕があり安定している構成を表します。「冗長性のある構成」だと言えるでしょう。
例えば、同じシステムを2つ用意し、1つはトラブルに備えて待機させるのが代表的です。他にも、常時2つ稼働させ、負担を分散させる方法もあります。安定性が増す代わりにコストが増えるので、バランスを吟味する必要があるでしょう。
「冗長」の類語と例文とは?
「冗長」の類語は”長たらしい”
「冗長」の類語は“長たらしい”です。「長ったらしい」とも使います。意味は”とても(嫌になるほど)長い”です。
「長たらしい」を使った言い換え例
「冗長」の類語”長たらしい”を使った例文をご紹介しましょう。
- 今までは校長先生の冗長な話が苦痛だったが、卒業したらもう聞けないと思うと寂しくなってしまった。
→今までは校長先生の長たらしい話が苦痛だったが、卒業したらもう聞けないと思うと寂しくなってしまった。 - 冗長にならないようにとメールの文章を削った結果、必要な情報を消して送信してしまった。
→長ったらしくならないようにとメールの文章を削った結果、必要な情報を消して送信してしまった。
「冗長」の対義語と例文とは?
「冗長」の対義語は”簡潔”
「冗長」の対義語は“簡潔”です。「手短で要領を得ている」という意味になります。「冗長」と違い、基本的にはポジティブな意味合いで使われます。
「簡潔」を使った例文
「冗長」の対義語”簡潔”を使った例文をご紹介しましょう。
- 最初は冗長な文章しか書けない男だったが、今では簡潔にまとめられるようになってくれた。
- ビジネスメールの基本は、簡潔にすることだ。
- 簡潔さばかりを意識して相手への礼儀を忘れるようなことがあってはならない。
まとめ
「冗長」とは、話や文章が”無駄が多くて不必要に長い”ことを意味します。分かりにくい話・文章になってしまうので注意が必要です。
IT用語では「余裕・予備」を表すポジティブな意味で用いられることがあります。コンピュータシステムなどの「冗長性・冗長構成」などの形で使用します。
・昨日からなんだか調子が芳しくなくて、今朝はアイスコーヒーを飲んだ時点で気持ち悪い気分になり、食パンを1枚も食べきれず、ゆでたまごにいたってはカラをむくこともございません。
(修正例:昨日から体調が悪かった。今朝は食事中に気持ちが悪くなり、ほとんど食べられなかった。)