「挙げる」の意味や使い方とは?「上げる」との違いや類語・例文も

「あげる」を漢字で書こうとして「挙げる」か「上げる」で迷ったことはありませんか。それぞれの意味を整理すると正しく使い分けができるようになります。

この記事では「挙げる」の意味や類語、使い方などを解説して、「上げる」との違いと使い分け方も紹介します。

「挙げる」の意味とは

「挙げる」のたくさんの意味の中からよく使われる意味を中心に見ていきましょう。

「挙げる」の意味①「多くのものの中から取り上げる」

「挙げる」には多くの物の中から取り上げるという意味があります。例えば「推挙」や「選挙」という言葉は「挙げる」のこの意味で使われています。

例文

次の議長の候補者として、A君の名前を挙げた。

「挙げる」の意味②「実行する」や「式などを執り行う」

「挙げる」には、ある計画に基づいて物事を実行するという意味と、そこから派生して式や宴会などの催しを執り行うという意味があります。

例文
  • 「天下を目指して、将軍は兵を挙げた」
  • 「彼女がジューンブライドがいいと言うので、6月に結婚式を挙げることにした」

「挙げる」の意味③「力などを出し尽くす」

「挙げる」には力などを出し尽くすという意味があり、「出し切る」や「振り絞る」などと言い換えることもできます。

例文
  • 「全力を挙げる」
  • 「町を挙げて応援する」

「挙げる」の意味④「例を示す」

何かを説明するときに例を示すことを「挙げる」と表現します。

例文

「例を挙げながら説明をします」

「挙げる」の意味⑤「世間に知らせる」

「挙げる」には、ある事柄を大勢の人に伝えるように知らせるという意味があります。周囲の注意を引くことを意識された時に使われます。

例文

僕は有名になって名を挙げてみせる

「挙げる」の意味⑥「捕らえる」

「挙げる」には「捕らえる」という意味もあり、俗語として犯人を捕まえるという意味で使われています。

例文
  • 「犯人を挙げた」
  • 「ホシ(俗語で「犯人」の意味)を挙げる」

「挙げる」を使った熟語や表現

「手を挙げる」の意味は「意志を示す」

「手を挙げる」とは手を上げるという動作から派生した意志を表明するという意味の言い回しです。人前で意見を述べたり注意を引いたりするときに手を上げることがありますが、その行為は周囲から注目されたいという意思の表れから起きています。そうした一連の感情と動作の流れから、「手を挙げる」には意志を示すという意味があります。

「手を挙げる」の例文
  • A社がスポンサーに手を挙げてくれた。
  • 誰も手を付けていなかった仕事に手を挙げた。

「実を挙げる」とは「優れた成果を上げること」

「実を挙げる(じつをあげる)」とはすぐれた成果を挙げるという意味の言い回しです。「実」とは成果や実際の成績という意味で、特にいい結果になる時に使われる表現です。

「実を挙げる」の例文

計画で終わらないように、実を挙げて見せろ。

「槍玉に挙げる」とは「非難の的にして責めること」

「槍玉(やりだま)に挙げる」という言い回しは、相手を非難の的にして責めるという意味です。「槍玉に挙げる」の本来の意味である「槍で突き刺す」から派生した意味です。

「槍玉に挙げる」の例文
  • 予定していた結果が出なかったため、チームリーダーを槍玉に挙げた。
  • 責任を問われて、町長が槍玉に挙げられた。

「挙げる」と「上げる」の違いと使い分け方とは?

「実行する」なら「挙げる」、「上方向へ向かう」なら「上げる」

「挙げる」と「上げる」のどちらにするのか迷った時は、「あげる」の意味が「あるものを上方向に向かわせる」いう意味があれば「上げる」を使います。一方、「実行するや注目を集めるなど物理的に上方向に上げるという意味以外の意味を含んでいる」ときに「挙げる」を使うようにしましょう。

「手を挙げる」と「手を上げる」では意味が違う

「手をあげる」の「あげる」に当てる漢字を変えると、全体の意味が変わってきます。「手を挙げる」なら意思を表明するという意味ですし、「手を上げる」だと手を上の方向へ上げるという意味になります。

授業で先生が生徒に向かって「質問のある人は手をあげて」と言うときの「あげる」は「上げる」です。「手を上げること」を「挙手(きょしゅ)」と言うので、「挙手」から「手を挙げる」を連想しがちですが、正しくは「手を上げる」になります。

ポイント

「手を挙げる」:(意味)意志を表明すること。

「手を上げる」=「挙手」:(意味)手を上方へ上げること。

また「手を上げる」には「降参する」や「暴力をふるう」という意味もあり、どのような意味で使われているのかは文脈からとらえます。

「成果を挙げる」と「成果を上げる」も意味が違う

「成果を挙げる」はある一定の成果を収めるという意味になるのに対して、「成果を上げる」は出された成果がこれまでよりもよくなるという意味になります。

「挙げる」が単にその成果を得られるという意味があるのに対して、「上げる」は上方向を上がることを意味しているため、成果が以前よりもよくなったという時には「上げる」が使われます。

例文
  • 過去3ヶ月の売り上げにおいて、一定の成果を挙げた。
  • 過去3カ月の売り上げにおいて、A君は成果を上げたので上司に褒められた。

「挙げる」の類語とは

「実行する」の意味なら「行う」や「執行する」

「実行する」という意味の「挙げる」の類語には、「行う」や「執行する」があります。「行う」はより一般的な言葉で、「執行する」は法的な事柄を実行するという意味でも使える言葉です。

例文
  • 卒業式を行う。
  • 刑を執行する。

「犯人を捕まえる」の意味なら「逮捕する」や「検挙する」

「挙げる」の犯人を捕まえるという意味で使われるときの類語には「逮捕する」や「検挙する」があります。「挙げる」は俗語なので口語として使いますが、「逮捕する」や「検挙する」は書き言葉として使えます。

参照:「検挙」の意味とは?例文や「逮捕」「書類送検」との違いを解説

まとめ

「挙げる」は様々な意味を持っていますが、どの意味で使われているのかは文脈から判断します。「上げる」との使い分けは、上下の上の意味のときには「上げる」を、それ以外の意味で注目を集めるや実行するという意味で使われているときには「挙げる」だと覚えておくと判断の目安になるでしょう。