「名誉」の意味や使い方とは?類義語・対義語や「名誉棄損」も解説

「名誉」は目に見えるものではないため、「名誉を守る」「名誉を得る」と言われても、具体的なイメージが沸かない人も多いかもしれません。「名誉毀損」や「名誉挽回」など、日常的に使う熟語にも使用されている言葉のため、意味を確認しておくとよいでしょう。使い方や類義語・対義語とあわせてご紹介します。

「名誉」の意味とは?

「名誉」の意味とは”社会的に認められている評価”

「名誉」の意味は、“社会的に認められている評価”です。「名誉」には複数の意味がありますが、現在使われることが多い意味は以下の3つです。

  • 能力・行為が優れていると良い評価を受けていること。
  • 社会的に認められているポジティブな価値。
  • 功績をたたえて個人に贈られる称号。

「有名・珍しい」の意味も持つ

「名誉」には、現在はあまり使用されない意味もあります。古い書物などで見る機会があるかもしれませんので、念のためチェックしておきましょう。

  • 良い・悪いを問わず有名なこと、評判があること。またはその様子。
  • 不思議な様子や、珍しいこと。

「名誉」の使い方と例文とは?

「名誉」は良い評価や結果に関する評価を表す

「名誉」は良い評価や結果に関する評価を表現する際に使用します。

使用例と意味
  • 名誉を守る。
    個人・集団の価値や評価を下がらないようにする。
  • 名誉を傷つける。
    個人・集団の価値や評価が下がる。
  • 名誉を得る。
    結果や成果に対して、良い評価を受ける。

功績をたたえて贈られる称号は「名誉〇〇」

「名誉〇〇」のように身分や役職を続けて使うことで、功績をたたえて贈られる称号になります。「名誉館長」や「名誉会長」などが該当します。役職の業務を実際に行ったり、権限や責任を持つことは基本的にありません。

「名誉」を使った例文

「名誉」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 過去の名誉を守ることしか考えていないような人間にはなりたくない。
  • 賞金はでなくても、名誉ある大会で入賞できたことは自分の誇りになる。
  • 長年の功績を評価され、A氏は名誉会長に就任することになった。

「名誉」を含む熟語とは?

「名誉毀損(棄損)」とは”他人の名誉を傷つけること”

「名誉毀損」は「名誉棄損」と書くこともあり、どちらも読み方は”めいよきそん”です。意味は「他人の名誉を傷つけること」です。

「名誉毀損」は法律用語にも使われています。「名誉棄損罪」という名前で、他人の名誉を傷つける行為を禁じ、罰則が定められています。成立する主な条件は「公益のためではない」「不特定または多数に、社会的評価が傷つく情報が公開される」などです。虚偽の悪口であっても、社会的評価に影響する場合は名誉棄損罪が成立することもあります。

ただし、会話の中ではそこまで詳細な条件を考慮せず、名誉を傷つける行為の表現に使用されることもあります。

例文

ひどいことを言いふらして、名誉毀損罪で訴えられても知らないぞ。

「名誉挽回」とは”失敗で失った名誉を回復すること”

「名誉挽回(めいよばんかい)」とは”失敗によって失われた名誉を回復すること・取り戻すこと”を意味する四字熟語です。名誉だけではなく、周囲の人からの信頼に対して使うこともあります。

注意が必要なのは「汚名返上(おめいへんじょう)」との混同で生まれた「汚名挽回」という誤用です。「汚名返上」は、悪評を意味する「汚名」を良い評価でしりぞけることです。「汚名挽回」とすると「悪評を取り戻す」という意味になってしまいます。

例文
  • 今度の仕事を成功させ、名誉挽回しよう。
  • 「名誉挽回」のつもりで、「次の仕事で必ず汚名挽回します」と上司に言ってしまった。

「名誉革命」は17世紀イギリスで起きた革命

「名誉革命」とは、1688年にイギリスで起きた革命です。少し前に起きた「清教徒革命(ピューリタン革命とも)」と合わせて「イギリス革命」と呼ぶこともあります。これらの改革を通じイギリスでは絶対王政が崩壊し、近代市民社会が成立しました。

「名誉」の類義語(類語)とは?

「名誉」の類義語(類語)は”栄誉”

「名誉」の類義語(類語)は“栄誉(えいよ)”になります。意味は「誇りになる事柄や、良い評価」や「周囲から誉め称えられている状態」を意味します。

例文

過酷なレースだが、勝利の栄誉のために参加を決意した。

「名誉」と「栄誉」の違い

「名誉」と「栄誉」の意味に大きな差はありませんが、ニュアンスの違いで使い分けられることがあります。「栄誉」は受賞した瞬間に受ける称賛や評価、「名誉」は受賞した事実に関して得る評判だとされています。

「名誉」の対義語とは?

「名誉」の対義語は”恥辱”

「名誉」の対義語は“恥辱(ちじょく)”です。「はずかしめて、名誉を傷つけること」を意味します。

また「名誉」は頭に”不”をつけることで「不名誉(ふめいよ)」という対義語にすることが可能です。「名誉を傷つけること」や、その様子を表現します。

例文
  • 恥辱を受けたが、立場の違いから何も言い返せなかった。
  • SNSで不名誉なうわさを広められてしまった。

まとめ

「名誉」の意味とは”優れていると良い評価を受けていること・社会的に認められているポジティブな評価”などです。功績をたたえて贈られる称号に使われることもあります。

個人・団体の名誉は、法律によって守られています。お互いの名誉を尊重すれば、不要なトラブルが避けられるでしょう。