「大御所」の意味とは?類語・言い換え表現や使い方も例文で解説

「大御所」とは、引退してなおその世界や分野に影響力を持つ人のこと。女優や俳優、芸人など大物芸能人にもよく使われます。女性歌手や男性歌手などで大きな功績や権力のあった人などにも「大御所」と呼ばれる人がいます。この記事は「大御所」の意味や使い方の解説です。類語や英語表現についても紹介します。

「大御所」の意味や由来・語源とは?

「大御所」の意味は”引退してなお力をもつ人”

「大御所」の意味は、“すでに引退しているが、その世界や特定の分野において大きな力を持っている人のこと”です。功績を残したり権威を振るったりした人が、その影響力を残したまま第一線を退いている状態を意味します。読み方は「おおごしょ」です。

「大御所」は一般的に、その分野やジャンルでの第一人者やベテランなど影響力を持っている人の総称として使われてます。しかし本来は引退しているというニュアンスを含んだ言葉。そのため、「大御所」に「引退している」というニュアンスを感じる年配の人も多く、使うときには注意が必要です。

「大御所」の由来・語源は”隠居した将軍や親王”

もともと「大御所」は、隠居した将軍や親王の隠居所をさす言葉です。それが転じて、そこに住んでいる「隠居した親王」や「隠居した将軍」のことを呼ぶ総称になりました。古くは鎌倉時代から、隠居した前将軍に対して「大御所」の名が使われています。

江戸時代には、初代将軍の徳川家康がその地位を息子である秀忠(ひでただ)に譲り、隠居して「大御所」と呼ばれていました。家康は隠居してなお権力を奮い影響力をもっていたことから、現代のような「すでに引退しているが大きな影響力を持っている人」の呼び名になったと言われています。

「大御所」の使い方と例文とは?

「大御所」の使い方①:大物芸能人に対して使う

「大御所」は、芸人や声優などの中でもベテランの大物芸能人などに対して使われる言葉。若い頃から人気の高かった芸人や、多くの作品で主役を張ってきた声優など、大ベテランと呼ばれるような人に対して「大御所」と表現します。

「大御所」の使い方②:ベテラン女性歌手・女優に使う

「大御所」は、女性歌手や女優はもちろん、男性歌手などさまざまな分野でのベテランと呼ばれる人に対しても使われる言葉です。

正式な役職などではなく、本人が「わたしは大御所です」と使うような言葉でもありません。第一人者であったり大きな功績を残したりといった経歴から、その分野に大きな影響力を持つ人の総称です。周囲の人が「あの人は大御所ですから」などと使います。

「大御所」の使い方③:そのジャンルのトップ企業に使う

「大御所」という言葉は、あるジャンルや分野のトップ企業に対して使うこともあります。その分野やジャンルを切り開いてきたり、一貫してトップを走り続けている企業に対して、「〇〇会社はこのジャンルの大御所ですね」と表現します。

「大御所」を使った例文

「大御所」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 彼らは大御所ミュージシャンなのに、若手の僕らにも気さくに話しかけてくれます。
  • 大御所俳優がいることで現場の空気がピリッとしまりますね。
  • 私の祖父は、この分野の第一人者であり大御所と呼ばれています。
  • 彼はまるで大御所のように振る舞っているけど、誰も話しを聞いていない。
  • この分野の大御所である〇〇会社に就職したくて猛勉強しました。

「大御所」の類語(言い換え)と例文とは?

「大御所」の類語①:第一人者

「第一人者(だいいちにんしゃ)」とは、ある分野やジャンルで、一番優れていると周囲から評価された人のこと。その分野やジャンルを作った功労者という意味でも使われます。

「大御所」は引退してなお力をもつ人という意味であり、「第一人者」は少しニュアンスが違います。しかし、その世界や特定の分野において大きな力を持っている人という意味での「大御所」とは、同じような意味の言葉と言えます。

例文
  • この研究の第一人者と言えば彼でしょう。
  • 彼は名実ともにこのスポーツの第一人者です。

「大御所」の類語②:長老

「長老(ちょうろう)」とは、経験豊かな年配の人のこと。組織や団体での最年長者や指導する立場にある年配者なども「長老」と呼ばれることがあります。また、年配者の総称として使われる場合も。

「長老」と呼ばれる人は周囲への影響力を持っていることも多く、「大御所」とほぼ同じ意味と言えるでしょう。

例文
  • 彼はこのクループで長老と呼ばれる存在です。
  • みんなが長老の話に耳を傾ける。

「大御所」の類語③:重鎮

「重鎮(じゅうちん)」とは、所属する団体やグループの中で重要な部分である中心のこと。大きな経歴や影響力を持っており、中心人物として周囲が認めている人をさします。有力者であり、権力者でもあるという意味で、「大御所」とほぼ同じ意味としても使えます。

例文
  • 父が社長を務める会社の見学に行ったら、まるで重鎮のような扱いをされた。
  • 音楽界の重鎮が一堂に集うコンサートのチケットを手に入れたので楽しみだ。

「大御所」の英語表現とは?

「大御所」は英語で”magnate”や”mogul”

「大御所」を英語で表現するには、“magnate”“mogul”などが適しています。どちらも「大御所」や「有力者」などの意味を持つ単語です。

他にも、「重要人物」や「影響力のある人」という意味の「influential figure」や、「big name」「big gun」などのフレーズも「大御所」の英語表現として使えます。

まとめ

「大御所(おおごしょ)」とは、ある分野や特定の世界の第一人者やベテランなどで影響力を持つ人のこと。ベテランの大物芸能人や政治家などに良く使われる言葉です。もともとは引退してもなお力のある人をさす言葉ですが、近年では引退していない人に対しても使われています。

「大御所」という言葉に対して「引退している」というニュアンスを感じる年配の人もいるため、使用する際には注意が必要です。