「令月」は日常的に使うことが少ない言葉です。しかし元号「令和」と関係があることから、近年では注目されることが増えています。また、子どもの名前の由来になることもあります。
「令月」の意味や、具体的にいつ頃なのかをご紹介しましょう。また、四字熟語「嘉辰令月」についてもご説明します。
「令月」とは?
「令月」の意味とは”めでたい月”
「令月(れいげつ)」の意味は、“めでたい月・何をするにもよい月”ということです。古くから使われていて、平安時代の書物でもこの意味で使われています。ただし「なぜこの意味になったか」ということの具体的な由来や語源は分かっていません。
特に由来が定まっていなくても、自分が好きな月や、良いことが続いた月を「令月」と表現することもあります。2月にする必要はありませんが、「令月」を2月の意味でつかう人もいるため注意が必要です。
「令月」には1ヶ月全てが含まれます。〇月〇日、と1日に限定したい場合は、次に紹介する四字熟語を使用しましょう。
「嘉辰令月」とは”めでたい月日”を表す四字熟語
「嘉辰令月(かしんれいげつ)」は”めでたい月日”を意味する四字熟語です。よい日・よい月を表すため、特定の1日を指定する使い方をします。
「令月」と同じく、具体的な日付は指定されません。占いや記念日などを参考にして選ぶことになります。
「令月」を使った例文
「令月」を使った例文をご紹介しましょう。
- 毎年、なぜか9月はいいことばかり起きる。きっと自分の令月なのだろう。
- 2月は令月とも言うので、毎年2月だけ宝くじを購入している。
- 結婚するのは嘉辰令月にしたいと思い、さまざまな占いの本を読んで縁起のよい日を選んだ。
「令月」とは、いつのことなのか?
「令月」とは”旧暦の2月”の別名でもある
「令月」とは、”旧暦の2月”の別名でもあります。そのため「旧暦の2月」が令月の時期だと言えるでしょう。旧暦の2月は、新暦だと2月下旬~4月中旬の中の30日(あるいは29日)です。また、新暦の2月を表現する際に「令月」を使う人もいます。
旧暦とは日本では明治5年まで使っていた暦です。月の満ち欠けを中心に考えていました。旧暦を新暦に直すと、年によって日付に違いがでます。例えば、2021年は3月13日から4月11日ですが、前年の2020年は2月24日から3月23日が旧暦の2月でした。
「めでたい月」の場合は時期の指定はない
「令月」を”めでたい月”の意味で使う場合、時期は指定されません。その人にとって良いことがある月や縁起がよい月が「令月」になります。
例えば、他の占いを参考にしたり、誕生日や記念日がある月を「令月」としても問題ありません。他にも、幸運な出来事が続いた月を後から「今月は令月だった」と振り返ることもあります。
「令月」に関する由来とは?
「令和」の由来は万葉集で詠まれた”令月”
「令月」は元号「令和」の由来になった和歌にも使用されています。万葉集の「時に初春の令月にして気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」という歌です。大まかな意味は「初春は風が穏やかで、梅は白く美し咲いて、良い香りである」です。この歌の「令月」「風和」から「令和」と名付けられたと言われています。
「令」の字から「命令」をイメージして悪い印象を持つ人もいますが、由来から考えるとそれは誤解だと言えます。
2月生まれの子どもにつける名前の由来にも
「令月」は「旧暦の2月」の意味を持つため、2月生まれの子どもの名前の由来になることがあります。「令」の字をとって、名前に使用するのです。ただし、旧暦ではなく新暦の2月生まれの子どもに使用することが多いようです。
「令月」の類語とは?
「令月」の類語は”吉日・佳日”
「令月」の類語は”吉日(きちじつ)”や”佳日(かじつ)”です。佳日は「嘉日」と書くこともあります。どちらも縁起がよく、めでたい日を意味します。
「令月」のように、1ヶ月すべてを対象にした類語はありません。
読みが同じ「麗月」は類語ではない
「令月」の類語だと思う人が多い言葉に「麗月」があります。読みは同じ「れいげつ」ですが、意味は違います。「麗月」の意味は”感動するほどの美しい月・形がはっきり見える月”です。
旧暦の2月を「麗月」と表現することもあるため、言葉の意味も同じだと勘違いしやすいので注意しましょう。
「令月」と「麗月」を使った例文
「令月」と「麗月」を使った例文をご紹介しましょう。
- ここしばらくラッキーなことが続いているので、今月は「令月」なのかもしれない。
- あまりに見事な「麗月」だったので、思わずカメラを構えた。
まとめ
「令月」とは”めでたい月”という意味です。「旧暦の2月」の別名でもあります。2月生まれの子どもの名前の由来になることもあります。
元号「令和」の由来に関係することから、注目度が増している言葉です。日常的に使う言葉ではありませんが、意味や使い方を把握しておくとよいでしょう。
令(はる、りょう)、令真(りょうま)、令葵(はるき)
令衣(れい)、令奈・令菜(れいな)、令華(れいか)