「朝のブリーフィングを始めます」と、眠たい目をこすりながら、その日の業務の流れをメモにとることはありませんか?
ここでは「ブリーフィング」という言葉の意味と使い方、職場でのブリーフィング効果についてまとめています。部下を持つ立場の人は、ぜひ「ブリーフィング」を始めてみましょう。
「ブリーフィング」とは?
早速「ブリーフィング」の意味から確認していきましょう。
意味は「要点を伝えること」
「ブリーフィング」の意味は、「要点を伝えること」です。「簡単な打ち合わせ」「要点をまとめた事前説明」「背景や状況報告」などとして使われる言葉です。
「ブリーフィング」の様子が「ミーティング」と似ていることから、混同してしまうことがありますが、「ブリーフィング=briefing」の「brief」は「長い文章を短くする」「要点を伝える」「概要を伝える」「かいつまんで話す」という意味があり、あくまで「簡単」で「短い」ことがブリーフィングの基本となっています。
日本語と英語の意味はほぼ同じですが、英語圏では法律の分野において「弁論趣意書」「準備書面」を表す言葉としても知られ「リーガル・ブリーフ」と同じような意味合いで使われています。
「ブリーフィング」は航空用語
「ブリーフィング」は航空業界や軍事関係で仕事をしている人には馴染みの深い言葉でしょう。
「ブリーフィング」は飛行機が離陸する前に、パイロットやフライトアテンダントを中心に行う確認作業のことで、飛行計画や緊急の際の手順や行動パターンを確認するための作業として取り入れられています。
航空・軍事でブリーフィングの内容には飛行中の注意事項はもちろん、天候、搭乗客についての最終確認(妊婦や小さな子供など)、フライト中の任務や点検事項などがあります。
「ブリーフィング」の類語と対義語は?
続いて「ブリーフィング」の類語と対義語を紹介します。
類語は「事前レクチャー」
「ブリーフィング」の類語にあたるのは、「事前レクチャー」「状況報告」「概要報告」「事情説明」「背景説明」などになります。どの類語も「最も知っておくべき重要項目を確認する」「要点をまとめて短く話す」「背景を報告する」ことを意味し、円滑な対応と段取りの実行ができることを目的としています。
- プレゼンの前に「事前レクチャー」をしておくべきだ。
- 商談の前に取引先との「状況報告」をお願いします。
対義語は「デブリーフィング」
「デブリーフィング」は軍事用語として使われている言葉で、任務を終えた兵士が上官に報告することを意味しています。現代では活躍の場を広げ、ビジネスシーンやイベント、スポーツの試合や講演会などでも使われるようになりました。
「ブリーフィング」が事前に行われることに対し、「デブリーフィング」は言葉通り「事後」に行う作業となります。
- 新商品の反響について、閉店後、スタッフ一同デブリーフィングを行った。
- デブリーフィングをすることは、今後の販売戦略にも役に立つ。
「ブリーフィング」で得られる効果は?
それでは「ブリーフィング」で得られる効果について考察してみましょう。
重点を置く項目が再確認できる
「ブリーフィング」は簡単に状況を説明するというニュアンスより、「要点」つまり「抑えておきたいポイント」をピックアップして伝えることができます。
まず、莫大な量の業務をかかえる職場や部署なら、重点をおくべき点を事前に説明しておくことで、社員が混乱することも避けることができます。さらに、要点と併せて「最も意識して取り組むべき項目」を再確認することもできるでしょう。
ブリーフィングが結果的に意味を成すように、ブリーフィングで聞いた内容はしっかりとメモに取り、後で見返しができるようにしておくと良いです。
チームワーク意識を高める
一般的な企業なら業務内容や手順、スポーツの試合なら攻めのタイミングや相手の弱点の状況報告とあわせて「チームワーク」の意識を高めることができるのもメリットでしょう。皆が一丸となって最後までやり抜くという「心入れ(気合)」をブリーフィングで行うこともよくあります。
チームプレイの場合はチームメイトやグループメンバーとの一体感は必須です。ブリーフィングでは「一人ではない」「皆で頑張ろう」という気持ちをシェアする時間でもあるのです。
海外企業では朝食を兼ねて行う
海外では個人がそれぞれの業務を責任を持っておこなう風潮があります。そのため、チームやグループにおける目標やゴールを確認する「ブリーフィング」は欠かせません。
ブリーフィングの形はさまざまですが、カフェで待ち合わせをしてその日の業務の要点を伝えることはよくあります。コーヒーを飲みながら行われるブリーフィングは、上司と部下の高低差を感じないフランクなムードで短時間に行われています。
まとめ
「ブリーフィング」は「状況報告」「事前説明」「背景説明」を意味する言葉で、職場においては始業のベルが鳴る前(または始業後まもなく)に「短時間で行われる要点の確認作業」を指しています。
「ブリーフィング」で得られるメリットは「重点の再確認」と「チームワーク意識の向上」です。チームとしてのパフォーマンスが停滞気味だと感じるならば、ぜひ「ブリーフィング」を行ってみて下さい。朝の10分で業務の改善を望むなら、ブリーフィングはマストでしょう。