「固辞」の意味とは?辞退との違いや使い方の例文・類語と対義語も

「固辞」は、申し入れやオファーなどを断る時に使われる言葉です。似たような言葉に「辞退」がありますが、意味や使い方はどのように異なるのでしょうか?

ここでは「固辞」という言葉について、使い方の他、類語や対義語、英語フレーズについて例文を用いて紹介します。

「固辞」の意味とは?

「固辞」の意味は「固く辞退をすること」

「固辞(こじ)」とは、固く辞退をすることを意味します。純粋に申し入れを断るのではなく、断固として辞退を表明することを表す言葉となります。

「固辞」は、ビジネスや政治などの世界で使われることが多く、役職へのオファーや任期を延長する際に用いられます。「固辞」には、妥協せず、厳然として受け入れないという意味があるため、ひたむきに辞退を主張する時に好んで使われます。

「固辞」は理由を伝えて断ること

簡単に言うと、「固辞」は「絶対にやらない!」と意志を強く持って辞退することです。しかし「固辞」の意味をもう少し掘り下げるなら、「理由を言ってかたくなに断る」となります。

厳然として辞退する背景には「自分なりに辞退する強い理由がある」ことが挙げられます。そして、それを伝えた上で固く断るのが「固辞」となります。

そもそも「固辞」の「固」は「かたい」、また「辞」は「辞める、断る」また「自分の意思を伝える」という意味があるため、こういった言葉の成り立ちからも「固辞」の意味が理解できるかもしれません。

「固辞」にセカンドチャンスはほぼない

「固辞」という言葉は非常に強い言葉です。勧められたことや仕事や地位へのオファーに対して、固く断ることを意味するため、返事が「NO」から「YES」になることはほとんどありません。

つまり、良い返事をもらうかもしれないという「セカンドチャンス」はないということになります。それくらい強い辞退へのの意志を含む言葉が「固辞」なのです。

「固辞」と「辞退」との違いとは?

「辞退」は「へりくだって断ること」

「固辞」と「辞退」は非常に似たようなニュアンスがありますが、実際には意味や断る背景が異なります。

実際的にも「辞退」には「へりくだって引き下がる」という意味があります。勧められた地位や権利などに対して「自分には適当ではない、相応ではないと判断し、遠慮して放棄すること」を表します。

「辞退」には謙虚に引き下がる気持ちが含まれる

「固辞」は「自分の意思や主張を軸に、相手に断固として断りを入れる」という意味がありますが「辞退」は「自分にはもったいない申し入れである、だから断る」といった、謙虚な気持ちが含まれているのが特徴です。

たとえば、支店長への申し入れがあったとします。ここで「申し入れを固辞した」と「申し入れを辞退した」というのでは、本人の気持ちはもちろん、相手に与える印象も異なります。

比較例文と意味の違い
  • 支店長の申し入れを固辞した:断固とした理由を言って、頑なに断る
  • 支店長の申し入れを辞退した:自分に相応ではないという謙虚な気持ちで断る

このように「固辞」と「辞退」では意味や相手に与える印象が変わってきます。

「固辞」の使い方と例文

「固辞」という言葉を使う時は慎重に

前項でもご説明しましたが、「固辞」と「辞退」の使い方については注意が必要です。

たとえば、何らかの申し出があり、自分には不相応だと判断した時、一歩下がって「お断りします」というのが「辞退」です。それを「固辞」という表現に置き換えてしまうと、状況的にも異なる意味になってしまいます。

安易に「固辞」を使ってしまうと、与えられた立場や権利が自分に相応でありながらも、プライベートや別の複雑な理由などで一方的に断っている、という印象を与えてしまいます。断る状況が「辞退」なのか「固辞」なのかを見極めてから、適切な語句を選ぶようにしましょう。

「固辞」を使った例文

  • 任期を伸ばして欲しいと言われたが、固辞する方向で意思を伝えた。
  • 再任のオファーは、絶対的に固辞する意向だ。
  • 転勤を固辞するのも良いが、出世への近道であるのは間違いないよ。
  • 料理長への就任を固辞していたが、一新して受け入れを認めたのには驚いた。

「固辞」の類語とは?

「謝絶」は「申し出を断ること」

「謝絶」とは、相手の申し出や要求、働きかけなどを断ることを意味します。「謝絶」は、相手に不快な感情を与えないように丁寧に断ることを表します。そのため、申し出を鼻からつっぱねたり、むやみに振り切る様な断り方を示す表現ではありません。

「固辞」に比べると「頑なに」というニュアンスが弱いですが、「相手の要求を断る」という基本的な意味は共通しています。

例文
  • 喧嘩中の母からの電話を謝絶した。
  • 5社から内定をもらったが、最終的には4社を謝絶することになる。

「不承諾」は「申し出を聞き入れないこと」

「不承諾」とは、承諾しないこと、つまり「申し出を聞き入れないこと」を意味します。相手の意見や要望、頼みや要求などを受け入れず、引き受けないことを意味します。

「固辞」とはニュアンスが異なりますが、基本的には「承諾しないこと」という意味を持ちます。また、間接的ではありながら「申し出を断る」という点では共通しています。

例文
  • 買い付けの申し出は不承諾となった。
  • 個人的な理由での返品に関しては、不承諾をせざるを得ない。

「固辞」の対義語とは?

「快諾」は「申し出を快く聞き入れること」

「固辞」の正式な対義語は「快諾(かいだく)」です。「快諾」とは気持ちよく相手の要求や依頼などを聞き入れることを意味します。純粋に「OK」するのではなく、心から喜んで申し出を受け入れるのが「快諾」です。

例文
  • 好意的な金額だったので、次回の発注もそく快諾した。
  • 継続的なビジネスをしたいというA社申し出に快諾した。

「応諾」は「申し出をそのまま引き受けること」

その他、「快諾」の意味に近い言葉に「応諾(おうだく)」があります。「応諾」は相手からの依頼や希望に対し、条件を出したり質問することなく、そのまま引き受けることを意味します。

例文
  • 顧客からの返品依頼に応諾した。
  • クライアントの要望だから、まずは応諾するしかないだろう。

「固辞」を英語で表すと?

「固辞」は英語で「firmly decline」

「固辞する」は英語で「firmly decline」または「firmly refuse」というフレーズを使います。どちらも、やや固い言い回しになりますが、「頑なに断る」というニュアンスでビジネスシーンでも使うことがあります。

また、「固辞する」とまではいきませんが、要望やオファーを断るという意味の「turn down one’s request」もよく使われます。より一般的で広く見聞きするフレーズですので、併せて覚えおきましょう。

「固辞」を使った英語例文

  • B社のオファーに対し固辞する意向だ。
    We are going to firmly deline an offer from the compnay B.
  • 固辞するのは良いが、この先の付き合いが気になる。
  • It should be OK to turn down the request but I am anxious about afterwords relatinship.

まとめ

「固辞(こじ)」は、「固く辞退をすること」を意味します。似たような言葉に「辞退」がありますが、「辞退」は「申し出が自分に相応しくないと思い、遠慮して引き下がること」を意味するため、「固辞」とはニュアンスが異なります。

「固辞」は社会人になってから使用頻度が高まる語句です。ぜひ、この機会に意味や使い方をマスターしておきましょう。