「武闘派」は海外のニュースや軍事的な話題でよく見聞きする表現です。ここでは「武闘派」の意味や使い方、類語と対義語、英語表現についてわかりやすく紹介します。
また、類語表現の「タカ派」や「強硬派」、対義語の「ハト派」等、関係する言葉の使い方についても、例文を用いて解説します。特に政治の話題でよく使う言葉なので、ビジネスマンとして是非とも理解しておきましょう。
「武闘派」の意味と特徴とは?
「武闘派」の意味は”妥協なしに武力で主張する姿勢”
「武闘派」の意味は、“話し合いを持たず、武力や紛争などで自分の考えを主張する姿勢”のことです。平和的な交渉よりも、力づくで自己の立場や権利を貫く人や集団のことを「武闘派」と呼ぶケースが多くなっています。
ただ、「喧嘩腰」や「すぐ手が出る」という意味では決してありません。あくまで「政治的な分野において、自分の主義・主張を貫くための武力行使」であることを理解しておきましょう。
「武闘派」の特徴は”武力行使を辞さない”
「武闘派」という表現は、軍事や外交などの政治分野の他、金融や経済などのフィールドでも使われる言葉です。いずれの分野にしても、言動や主張が激しくアグレッシブであるのが特徴ですが、軍事においては「武力行使も辞さない」というのが最も大きな特徴です。
つまり「相手が自分の要求に答えないのなら、紛争や戦争を起こしてでも自らの主張を通す」というのが「武闘派」の際立った特質となります。
「武闘派」の使い方と例文とは?
「武闘派」は単なる暴力行為の意味ではない
「武闘派」は軍事や戦争などの紛争において、時には武力を行使して物事を解決することがあります。そのため、人によってストレートに暴力的なイメージを抱いてしまうことがあります。
もちろん、「武闘派」の言動においては「妥協を許さず、力ずくで自分の立場や権利を主張する」のが根本的な概念です。
しかし「武闘派」とは”個人の主張を曲げないための暴力”という意味で、一時的な感情で人を傷つけたり、やみくもに人を殺めるといった行動行為とは異なります。「政治や軍事の分野などで、自分の主義・主張を貫くための武力行使」であることを理解しておきましょう。
「武闘派」を使った例文
「武闘派」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 武闘派と名乗りをあげる相手に対し、今回は素直に交渉を受け入れることにした。
- 隣国でも武闘派の活動が活発になってきた。
- 武闘派といえども、試しに話し合いのチャンスを与えてみたらどうだろうか?
- 激しい口調と強い態度をかわきりに、武闘派の激しい攻撃が始まった。
- かなりの強情で知られる職場の上司は、武闘派的な気質のある人だ。
- 昔から父は力で何でも手に入れる、武闘派の類と言える。
「武闘派」の類語と例文とは?
武闘派の類語①:強硬派
「強硬派(きょうこうは)」は強い言動や強硬的な手段を使って、物事を押し通そうとする人や集団を意味します。場合によっては武力行使を用いて物事を解決したり、そういった心情を貫く姿勢を崩さないのが特徴です。
「武闘派」と同様に、相手と話し合いを行うことをせず、時には戦いや攻撃などよって自らの主張をすることもあります。
そもそも「強硬」には、自分の立場や権利などを強引に通すことを意味があります。その「強硬」に特性や性質、また集団を表す「派」を付けたのが「強硬派」です。
- 強硬派によって2か国間の戦争が始まった。
- 妥協を許さない姿勢は、強硬派が示す最も大きな特徴である。
武闘派の類語②:タカ派
「タカ派」とは、いわゆる「強硬派」の別名で、一般的に政治や金融、軍事の世界で多く使われる言葉です。「タカ派」はアグレッシブで有能なハンティング能力を持つ「鷹」を語源に持ちますが、そこからも「タカ派」の勢いある行動力がうかがわれます。
たとえば、経済においての「タカ派」は、軍事的な世界での解釈とは若干異なり、景気の安定より物価上昇を抑えることを優先し、金融の引き締め政策寄りを強く主張することを指します。
- 諸外国ではタカ派の軍事姿勢に多くの指示が集まっている。
- 政治の世界でも、タカ派の議員は目立つ存在である。
「武闘派」の対義語・例文とは?
武闘派の対義語①:穏健派
「穏健派(おんけんは)」とは、一般的に「平和主義な姿勢を持つ人や集団のこと」を指します。「武闘派」とは逆に、軍事や紛争などへの解決に武力行使を用いず、話し合いや交渉などをもって事を収める姿勢を持つのが特徴です。
たとえば、政治の世界での「穏健派」は、保守的な態度を持つ人や集団を指し、牽制や強制的な手段に対して否定的な考えを持っています。また場合によっては、「穏健派」を「慎重派」と呼ぶこともあります。
- 証券の世界でも、穏健派は最後に勝つと言われている。
- 粘り強く平和を貫く穏健派は、軍事の世界でも国民からの指示が高い。
武闘派の対義語②:ハト派
「ハト派」とは、「穏健派」や「慎重派」の別名として使われる表現です。「ハト派」は「タカ派」の対義語でもあり、平和を象徴する「鳩」にちなんで「平和主義的な態度や思考を持つ人やグループ」という意味で使われます。
たとえば、経済での「ハト派」は景気を配慮しながら物価の上昇を警戒し、金融緩和に力を入れるのが特徴です。これは「タカ派」とは対照的な考えとなります。
- 現在、国民が支持するのは金融緩和に力を入れるハト派である。
- ハト派による交渉により、紛争は終わりを見せた。
「武闘派」の英語表現と例文とは?
「武闘派」は英語で”bellicist”や”hawk”
「武闘派」は英語で“bellicist(べリシスト)”や“hawk(ホーク)”といいます。「bellicist」は英語圏でも軍事や政治専門のニュースでしか見かけない特殊用語で、一般的には「hawk」を使うことが多いです。また、一般的にも強い口調で物事を力づくで通す人ののことを「hawk」と呼びます。
ちなみに、対義語である「穏健派」や「ハト派」は、英語で「pacifist(パシフィスト)」または鳩を意味する「dove(ドーブ)」といいます。「hawk」に同じく、話し合いで物事を解決する人や平和主義的な人のことを「dove」と呼びます。下記で、わかりやすく対比してみます。
- bellicist(武闘派) ⇔ pacifist(穏健派)
- hawk (タカ派)⇔ dove(ハト派)
「武闘派」を使った英語例文
「武闘派」を使った英語例文をご紹介しましょう。
- 武闘派によって戦争が始まった。
Bellicist was the one who started the war. - この国の政治は武闘派の力に頼りっきりである。
The politics in this country totally rely on the power of the hawk.
まとめ
「武闘派」とは、話し合いを持たず、自分の意見や権利などを主張する態度や姿勢を持つ人、または集団を意味します。政治や軍事の他、証券や株などの金融分野で使われる言葉で、別名である「タカ派」は鋭く強欲な鳥として知られる「鷹」に語源を持ちます。
対義語は「穏健派」や「ハト派」となり、平和主義的な考えを貫き、保守的で話し合いで解決しようとする姿勢を持つのが特徴です。どちらも新聞やニュースなどで見聞きする重要語語句となりますので、あわせて覚えておきましょう。