フランス家庭料理の特徴は?フランス人が好きな料理と簡単レシピ

フランス料理と聞くと高級なフルコース料理を思い出されるかもしれませんが、フランス料理でも家で食べる家庭料理はずっと素朴で心温まるお料理がいろいろあります。この記事では、フランスの家庭料理の特徴やフランス人が好む家庭料理のほかに、フランスの味を再現できる簡単な家庭料理のレシピも紹介します。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。クロワッサンとボルドーワインをこよなく愛しています)

フランス家庭料理の特徴とは?

フランスの家庭料理はほっとさせてくれる優しいお味

フランスの家庭料理は、ほとんどがシンプルな味付けで、心を落ち着かせてくれる優しい味つけです。フランス料理と言ったらこだわりのソースにこってりとした味というイメージかもしれませんが、家庭料理では野菜もたっぷりと使ったスープや煮込み料理が好まれています。和食との違いは、和の食材を使わないこと以外なら、ハーブを効かせた料理が多いことでしょう。

地方色が色濃い家庭料理

フランスでは、その地域の特徴が料理の特徴に表れています。フランスの南東に位置するプロヴァンス地方はイタリアの国境に面しているのでトマトやオリーブオイルをふんだんに使った料理が有名です。ドイツ寄りのロレーヌ地方ではドイツ料理と似ているオーブン料理などが好まれていますし、スイスに接するサヴォワ地方はチーズ料理が知られています。

隣接する外国の文化や気候の影響などを受けながら、地方色豊かな料理が生まれています。

フランス人家庭の食生活とは?

平日は質素、週末は贅沢に

フランス人の食生活は日本人からすると質素に思われるかもしれません。朝食はフランスパンにジャムを塗り、昼食はサンドウィッチ、夕食はスープとパンでおしまいということがほとんどだからです。

でもそのような質素な食事は平日のことで、週末になると贅沢に食事をするのがフランス人家庭です。ワインを飲みながらフルコースを時間をかけていただくことも珍しくありません。

外食はお金がかかるので家で食事をすることの方が多く、誕生日などの特別な日にだけ外食をする家庭が多いです。

家でもコース料理のように順番に料理を出す

フランス料理のレストランでフルコースをオーダーすると、料理は一皿ずつ順序だってサービスされます。オードブルに始まり、スープや魚料理、口直しのソルベに続いて、メインとなるヴィアンドにチーズやデザートと、食欲もそそられながら、目を楽しませてくれます。

家庭料理でも料理の出し方は基本的に同じで、コース料理のように料理を順番に出します。レストランのコース料理ほどに品数が多くなくても、最初にサラダなどの前菜を出して、食べ終わったころを見計らってメイン料理を出すようにします。

家庭料理でもコース料理と同じように順番を追って振舞われるのです。

フランス人が好きな家庭料理とは?

【主食・デザート】「ガレット」はそば粉を使用

ブルターニュ地方の郷土料理ですが、フランス全土で愛されている「ガレット」。クレープに似ていますが、ガレットの生地はそば粉で作られるので濃い茶色をしています。

食事としていただく場合には、ハムやチーズ、卵などを乗せて、デザートとしていただく場合はジャムやフルーツ、生クリームなどを乗せていただきます。

「ガレット」のお供には、白ワインやシードルなどさっぱりとした飲み物がよく合います。

【スープ】「ブイヤベース」は魚介を使ったスープ

「ブイヤベース」は魚介類をたっぷり入れたプロヴァンス地方のスープです。ブイヤベースに入れる魚介の種類に決まりはなく、その時々に手に入った魚介を使い、野菜と白ワイン、ハーブも効かせて香り高く仕上げます。

【煮込み料理】「ラタトゥユ」は野菜の煮込み

「ラタトゥユ」は、ズッキーニやパプリカ、玉ねぎ、ナスなどの西洋野菜を中心に、トマトベースで煮込んだプロヴァンス地方の料理です。オリーブオイルもたっぷり入れて、味付けはさっぱりと塩のみで、ハーブの香りが豊かな料理です。

「ラタトゥユ」が主に夏に食べられる料理で、温かいまま食べてもいいですが、冷やしてフランスパンと一緒に食べるとおいしくいただけます。

【オーブン料理】「キッシュ」はボリューミーな卵料理

「キッシュ」は、野菜やベーコン、ハムなどをクリームチーズがたっぷりと入った卵液をパイ生地と一緒にオーブンで焼き上げたロレーヌ地方の料理です。中はしっとり、外はサクッとした歯ごたえが嬉しい家庭料理です。

【オーブン料理】「タルティフレット」はチーズたっぷりのグラタン

「タルティフレット」は、とろっとろに溶けたチーズがたまらないジャガイモのグラタンです。アルプス山脈のお膝元にあるサヴォワ地方の名物料理で、家庭料理のひとつです。

「タルティフレット」に使われるのはブロションチーズと呼ばれるチーズで、その味はまろやかで、なめらかな舌触りが特徴です。「タルティフレット」はブロションチーズの特徴を最大限に生かした料理だと言えるでしょう。

おうちで作る!簡単フランス家庭料理のレシピ

フランスの家庭料理は手軽に作れるお料理が多いのですが、フランスの味を日本で再現するには手に入りにくい材料もあり難しいようです。そこで日本でも材料を揃えやすく、簡単に作れるフランスの家庭料理のレシピを紹介します。

簡単な「キッシュ」のレシピ

直径18㎝のタルト型の「キッシュ」の材料
  • 冷凍パイシート
  • 玉ねぎ(中) 1個
  • ほうれん草 適量
  • ベーコン 80g
  • 卵 2個
  • クレームフレッシュ 380ml
  • (クレームフレッシュの代わりに水切りヨーグルトで代用可)
  • とろけるチーズ 適量
  • 塩・コショウ 少々

<作り方>

  1. 冷凍パイシートをタルト皿に広げる。
  2. 玉ねぎやホウレン草などの具材をしんなりとするまで炒める。
  3. 卵とクレームフレッシュ(水切りヨーグルト)、とろけるチーズを混ぜ合わせた後、冷ました②を入れて混ぜる。
  4. ①に③を流し入れる。
  5. 180度に温めたオーブンで約40分焼いてできあがり。

基本の「ガレット」のレシピ

ガレットの材料(約10枚分)
  • そば粉 300g
  • 塩 10g
  • 水 680㏄
  • 卵 2個
  • ピザ用チーズ
  • お好みの具材 ハム、マッシュルーム、茹でたホウレンソウ、トマトなど。

<作り方>

  1. そば粉、塩、卵1個を混ぜ合わせる。
  2. フライパンを熱して、①を薄く広げて焼く。
  3. ②の真ん中にもう一つの卵を割り入れて、お好みの具材を回り添える。その上に、ピザ用チーズをのせる。
  4. 生地の端が固くなってきたら折りたたむ。
  5. 生地がしっかりときつね色になり、チーズが溶けたらできあがり。

まとめ

フランスの家庭料理は意外にもさっぱりとした料理が多いことに驚かれた方もいるかもしれません。野菜やお肉などいろんな食材が使ったスープやオーブン料理は、私たちの家庭料理と似ているところもあるのではないでしょうか。フランスの味を再現できる簡単なレシピで、フランスの家庭料理をご自宅で挑戦してみてください。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。