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「勾玉」の意味や歴史とは?お守り・ネックレスの作り方や英語表現

スピリチュアルな効果を期待して「勾玉」のお守りやネックレスを愛用している人も多いようです。「勾玉」は最初から身近なお守りだった訳ではなく、祭祀用具として使われていた歴史を持つ装飾品です。「勾玉」の歴史や、デザインの意味、使い方をご紹介します。

「勾玉」とは?

「勾玉」の意味は”日本古来の装飾品・祭祀用具”

「勾玉(まがたま)」の意味は、“日本で古くから使われていた装飾品・祭祀用具”です。「祭祀(さいし)」とは、神や祖先をまつることです。翡翠や水晶、滑石などで作られ、各地の遺跡から発掘されています。災難や悪い霊を払う魔除けを期待して使われていたと考えられています。

現代でもお守りやアクセサリーとして人気です。

「勾玉」の語源は”曲がった玉”と考えられている

「勾玉」の語源は”曲がった玉”という説が有力です。見た目をそのまま表しています。また「古事記」などの一部の古書では「曲玉」と表記としている点も、この説の根拠のひとつです。

現代でも「曲玉」と表記する辞書もあります。ただし「勾玉」の方が一般的なため、無理に「曲玉」を使う必要は薄いでしょう。

英語表記は「magatama」や「comma-shaped beads」

英語で表記する場合「magatama」と書きます。ただし、名称の知名度が低いため、「comma-shaped beads(カンマ形のビーズ)」と表記することも多いようです。

他にも「comma-shaped jewls(カンマ形の宝石)」「comma-shaped stone(カンマ形の石)」も伝わりやすいでしょう。

「勾玉」のデザインとその由来とは?

「勾玉」とは”丸い玉から尻尾が伸びたような形”

「勾玉」は丸い玉から尻尾が伸びたようなデザインをしています。記号のカンマ(,)や「c」「コ」の字に例えると分かりやすいかもしれません。玉の真ん中に穴が開いているため、ネックレスにする場合は穴に紐を通します。

尻尾がふっくらした「出雲型勾玉」は、手作りでないと再現しづらいため、値段が高くなりがちです。尻尾が尖った「関東型勾玉」は機械で生産しやすいため、素材に拘らなければ手頃な価格で購入可能です。

「勾玉」のデザインの由来は「胎児」など諸説有る

「勾玉」のデザインの由来は諸説あり、確定していません。有名な説のひとつが「胎児の姿」模倣説です。胎児の姿は、人に魂が宿る「宿りの形」だと考えれられていたと言われています。そのため、模倣することでスピリチュアルな力を宿すことを期待していたのでは、と考えられています。

「獣の牙」模倣説も有名です。当初は猪などの牙を装飾品にしていたので、それを模倣したという推測です。他にも「太陽と月」「魚」などの模倣という説もあります。

「勾玉」の歴史とは?

「勾玉」は縄文時代から使われている

「勾玉」は縄文時代にはすでに使われていたと考えられています。縄文時代の遺跡跡からは、完成した勾玉だけでなく、作りかけの玉が見つかることもありました。そのため、交易で手に入れたのではなく、自分たちで玉作りを行っていたと推測されます。権力者がアクセサリーにしたり、呪術や祭祀に使われていました。

奈良時代頃になると、勾玉はあまり使われなくなっていきます。原因は明らかになっていません。

翡翠の「勾玉」は特に貴重なものだった

「勾玉」はさまざまな素材で作られていますが、最も貴重だとされたのが翡翠(ひすい)の勾玉です。翡翠は産地が少ない上に、高度が高いため加工が困難です。そのことから、翡翠の勾玉を持つことがステータスシンボルになっていたと考えられています。

現在の「勾玉」の使い方とは?

「勾玉」はお守り・ネックレスとして人気

「勾玉」はお守りやアクセサリー(ネックレスなど)として人気です。胎児の形を模倣している説があることから、安産のお守りになると考える人もいます。

パワーストーンで作られた勾玉も人気があります。石自体にスピリチュアルな力があるため、それを勾玉にすることで相乗効果を期待する人もいるようです。また、和風なデザインのため、お土産に買っていく海外からの観光客も増えています。

「勾玉」の作り方・材料がセットになって販売される

「勾玉」を気軽に手作りできるキットも販売されています。作り方のマニュアルや、滑石などの柔らかい材料、やすりがセットになっていて、自分で好きな形の勾玉を作れるようになっています。大まかに「コ」の字になっていて削る量が少ない商品もあるため、子どもでも楽しく挑戦できるでしょう。

勾玉が有名な観光地のショップや、通販サイトで購入可能です。

「三種の神器」に「勾玉」が含まれている

「勾玉」は皇位の証として天皇が受け継ぐ「三種の神器」にも含まれています。「三種の神器」の勾玉の名前は「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」です。日本神話の天照大神(あまてらすおおみかみ)に関連すると言われる由緒ある宝物です。

残りのふたつは「八咫鏡(やたのかがみ)」と「天叢雲剣 (あまのむらくものつるぎ)」になります。剣は「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」とも呼ばれます。

まとめ

「勾玉」は日本古来の装飾品・祭事用具です。「三種の神器」にも含まれる由緒正しいものです。現代ではお守り・アクセサリーとして人気があります。

日本独自のものと考える人も多いため、海外の人に質問されることも考えられます。概要を覚えておきましょう。