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「フランスのお菓子」の種類とは?愛される理由とお菓子の歴史

マカロンやシュークリームはフランスを代表するお菓子ですが、フランスには他にもたくさんのおいしくてかわいいお菓子があり、それぞれ違う魅力を放っています。

この記事では種類別にフランスのお菓子を紹介して、フランスのお菓子が愛される理由や歴史についても解説します。フランス菓子の魅力を再発見してみませんか。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。クロワッサンとボルドーワインをこよなく愛しています)

フランス産のお菓子が愛される理由とは?

フランスのお菓子はバラエティ豊か

フランスのお菓子は、フランス語でパティスリー(pâtisserie)やガトー(gateaux)と呼ばれています。フランスのお菓子の特徴は、小麦粉をベースに練り上げたケーキやタルト、クッキーの他にも、キャラメルやヌガーなどの砂糖菓子もあり種類が多いことが挙げられます。

日本の洋菓子との違いは味の濃厚さ

フランスのお菓子は日本の洋菓子に比べるとずっと濃厚なお味です。その理由はバターや砂糖がふんだんに使われているからで、カスタードも日本の洋菓子に比べると重めです。

なぜ甘めのフランスのお菓子が好まれるかと言うと、フランスの食事は砂糖があまり使われないので、食後に甘さがほしくなりフランス菓子が甘くなったと言われています。

上品に仕上げる見た目へのこだわり

フランスのお菓子は見た途端、「かわいい」や「キレイ」とつぶやいてしまうお菓子がたくさんあります。フランスのお菓子職人たちはお菓子の見た目へのこだわりが強く、さまざまな工夫をしています。お菓子が輝いてみるようにシロップを塗ってみたり、チョコレートを乳化させる過程でも輝いているかどうかをチェックします。そうして一つ一つ丁寧にお菓子を完成させていくことで、おいしいだけでなく見た目にも美しいお菓子ができあがります。

フランス菓子の歴史とは?

中世時代にはお菓子は修道院で作られていた

中世時代のフランスは砂糖が大変な貴重品でした。そのため小麦粉の収穫が多いときやお祭りのときにだけ、パン職人が特別にお菓子を作っていました。その一方で、修道院や教会ではハチミツや穀物などが農家から納められていたためお菓子を作ることができました。宗教上の祭事などにはお菓子が焼かれて、市民に配られることもありました。

砂糖が流通しても庶民の味には程遠い

16世紀には砂糖が流通してチョコレートも外国から入ってくるようになり、お菓子のバリエーションが増えていきます。しかし砂糖やチョコレートはまだまだ大変高価だったので、お菓子を食べられるのは一部の貴族と修道院や教会だけでした。

外国から影響を受けてフランスのお菓子は発展

フランスのお菓子は外国から影響を受けて発展していきました。その一例が16世紀にアンリ2世と結婚したカトリーヌ・ド・メディシスで、彼女は故郷のイタリアからパティシエ(お菓子職人)も連れてきてさまざまなお菓子を紹介しました。マカロンやシュー生地を使ったお菓子などが伝えられて、徐々にフランス人好みの味へとアレンジされていきました。

フランス革命で市民もお菓子が食べられるようになる

フランス革命はフランスの政治体制を変化させただけでなく、食文化にも影響を与えました。フランス革命により王族が失脚したためパティシエが職を失うと、街中にお菓子を売る店を開店し始めたのです。当時はお菓子は貴重でしたが、こうして少しずつお菓子が市民の間でも知られていきました。

【種類別】フランスのお菓子の特徴とは?

「シュー生地」:シュークリームやエクレア

サクッという歯ごたえがおいしいシュー生地のお菓子は、シューの製法がイタリアから持ち込まれて以来、フランスで発展してフランスの代表的なお菓子になりました。

日本ではシューの生地の中にクリームやカスタードクリームを入れた「シュークリーム」や、細長いシュー生地にクリームを入れてチョコレートで包んだ「エクレア」が有名です。

フランスには「サントノーレ」と呼ばれる特別な日に食べられるシュー生地のお菓子もあります。パイ生地の上に一口サイズのシュークリームを並べてからカラメルでコーティング。カリッとした食感に、カラメルの輝きが美しいお菓子です。

「焼き菓子」:マカロンやカヌレ

カラフルでかわいらしい「マカロン」は、卵白とお砂糖にアーモンドプードルを混ぜて焼き、サクッとした食感を楽しめるお菓子です。また「カヌレ」はその独特な形が人目を引きますが、その溝のようなくぼみから「カヌレ(意味:溝の付いた)」と名付けられました。蜜蝋でコーティングされてもちっとした食感が後を引きます。

「マドレーヌ」もフランス生まれの焼きお菓子です。ホタテガイの形をしたスポンジケーキでバターの風味がきいています。マドレーヌと似ているお菓子に「フィナンシェ」がありますが、「フィナンシェ」は薄い長方形でアーモンド風味。マドレーヌと比べると香ばしい焼き上がりです。

「タルト・パイ」:タルトタタンやミルフィーユ

フランスを代表するタルトのケーキが「タルトタタン」、リンゴのタルトです。タタン姉妹がリンゴのパイの焼き加減を失敗したことが由来と言われていて、リンゴの濃厚な味が楽しめます。

「ミルフィーユ」は塩気のあるパイを幾層にも重ねて、その間に甘いクリームを挟み込んだ手の込んだお菓子です。挟み込むクリームは生クリーム以外にも、カスタードクリームを混ぜたクリームを使うこともあります。

「チョコレートのお菓子」:ガトーショコラやムース・オ・ショコラ

「ガトーショコラ」はチョコレートの濃厚さを味わうケーキです。日本で知られるガトーショコラはチョコレートをスポンジケーキに練り込んでふんわりと焼き上げられていますが、フランスのガトーショコラは半生感覚で、チョコレートの濃厚さが伝わってきます。

とろっと溶けたチョコレートを味わいたいのなら「フォンダン・オ・ショコラ」がおすすめです。チョコレートのスポンジを食べ進めていくと、中から濃厚なチョコレートソースが溶け出してきます。

「ムース・オ・ショコラ」はフランス家庭でもよく作られるチョコレートムースで、口いっぱいに広がるチョコレートの味がたまらない定番デザートです。

【番外編】でき立てが美味しいお菓子とは?

クレーム・ブリュレとクレープシュゼット

フランスのお菓子ではお店で食べていただきたいお菓子があります。その一つが「クレーム・ブリュレ」で、表面のカラメルをバーナーで焼いたカスタードクリームのお菓子です。プリンとは違い、クレーム・ブリュレには生クリームが使われていて、オーブンで焼き上げます。プリンよりもカスタード部分がより濃厚な味に仕上がっています。

「クレープシュゼット」はクレープに果物と一緒にフルーツソースやクリームと一緒に食べるデザートです。クレープが温かいうちに食べるのがおいしい食べ方で、クレープが果物やソースと絶妙に絡みあっておいしさが引き出されます。

まとめ

フランスのお菓子は種類が多い上に見た目もきれいですよね。今回、紹介したのはフランスのお菓子のほんの一部にすぎません。ほかにも郷土菓子を含めるとたくさんの有名なお菓子がありますので、新しいフランスのお菓子に出会うことがあれば、ぜひ味わってみてください。

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Light1
「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。