「惚気」という言葉から楽しい恋の話を連想する人もいますが、自慢話だと感じて「うざい・聞きたくない」と感じる人もいるようです。「惚気」の意味や使い方、惚気話をする心理をご紹介します。また、嫌われないためのコツも確認しましょう。
「惚気」の意味と読み方とは?
「惚気」の意味は”恋人・配偶者との仲を話す”
「惚気」の意味は、“恋人・配偶者との仲が順調だと人に話すこと”です。「自慢する・得意になっている」というネガティブなニュアンスが含まれます。「惚」が日常的に使う漢字ではないため、漢字を避けて「のろけ・ノロケ」と書くこともあります。動詞にして使う場合は「惚気る(のろける)」です。
一般的ではありませんが「男性が、異性に魅了されて対応が甘くなる」という意味で使われることもあります。
「惚気」の読み方は”のろけ”
「惚気」の読み方は“のろけ”です。
「惚気」には”自慢したい”以外の心理もある
自慢以外の心理で惚気る人もいます。ポジティブな心理としては「好き過ぎて無意識に」というものがあります。恋人・配偶者が好き過ぎて、無意識のうちに相手のことばかり考えている状態のため、口を開くと惚気てしまうのです。また「幸せな気持ちを共有して、話相手と親しくなりたい」という心理の人もいます。
ネガティブなものでは「恋愛の悩みを誤魔化すため」があります。話相手の「良かったね」「幸せだね」という言葉で、自分を励ましたいという心理が働いているようです。
他にも「彼(彼女)に手を出すな」とけん制したい、「恋人を大事にする自分」を演出したいなど、人によってさまざまな心理が考えられます。
「惚気」の使い方と例文とは?
「惚気」は”惚気話”と使うこともある
「惚気」は”惚気話”という名詞で用いられることもあります。「惚気」自体に”話をすること”という意味があるため、重言(意味が重なること)だと感じるかもしれません。しかし「惚気話」は誤用とされず、一般的に使われています。
「惚気」を動詞にした言葉が”惚気る”
「惚気」を動詞として用いる場合は”惚気る(のろける)”になります。「恋人・配偶者の仲を話す(自慢する)」という意味です。受け身の形で使う場合は「惚気られる」になります。
「惚気」へのよくある返し方
「惚気話」が終わったら、聞いていた人は「ごちそうさま」と返すのが一般的です。ルールやマナーと言うほど厳密ではありませんが、よく使う表現なので憶えておくとよいでしょう。
理由は諸説あり「幸せのおすそ分けをもらった感謝」や「満腹に感じるぐらい幸せな話を聞いたから」などが考えられています。人によっては「聞きたくない気持ちの婉曲表現」として使う人もいるようです。
「惚気・惚気る」を使った例文
「惚気・惚気る」を使った例文をご紹介しましょう。
- 片思いに悩んでいる自分に惚気話を聞かせるなんて、嫌味なのだろうか。
- つい彼のことばかり話してしまうので、友人には「惚気ばかりでうざい」と思われているかもしれない。
- Aと自分は女性の好みが似ているので、Aも彼女のことを気に入るかもしれない。そこで、わざと惚気話をしてけん制することにした。
- Bさんの幸せそうな惚気を聞いていると、自分も恋をしたい気持ちが湧いてくる。
「惚気」の類語・言い換え表現とは?
「惚気」の類語は”恋バナ”
「惚気」の類語は“恋バナ”です。「恋の話」を略した俗語・若者語になります。厳密には、恋愛に関する話ならなんでも「恋バナ」ですが、楽しくポジティブな話題に使われることが一般的です。
「惚気」と違い、自分の恋人や配偶者の話題に限定されません。理想の恋人像や行ってみたいデート先、笑い飛ばせるような些細な失敗談などを話題に、友人同士で盛り上がる際に用いられます。
「恋人を褒めちぎる・夫婦仲の自慢」という表現も
「惚気」とほぼ同じ意味で用いられる言葉はなく、「惚気」はよく知られている言葉のため言い換える必要性があまりありません。
「惚気」が通じなかった場合は「恋人を褒めちぎっている」のように、意味を説明するような言い方が向いています。そのほかに「恋人・夫婦仲の自慢話」という表現も。ただし、「自慢話」そのものにネガティブな印象を持つ人がいるため注意が必要です。
「惚気・惚気る」注意点とは?
「惚気」は”うざい・聞きたくない”と思われやすい
「惚気」は”うざい・聞きたくない”と思われやすいため、相手の様子を気にせず喋り続けてしまうと、嫌われてしまう可能性があります。
嫌がられる理由は「自慢や嫌味に聞こえる」や「上から目線に感じる」といったものが中心です。なかには「話を遮って惚気られるので困る」「自分の話を聞いてくれないから嫌だ」という、惚気の内容とは無関係な理由もあります。
「惚気る」コツは”相手が聞きたいと思っているか”
嫌に思われない「惚気」のコツは”相手が聞きたいと思っているか”を判断することです。幸せを共有したい人や、自分の恋愛の参考にするために、惚気を聞きたい人がいます。そういった人に話すようにしましょう。
また「相手が聞いてくれるタイミングか」も配慮しましょう。人の話に割り込んだり、相手に発言の機会を与えず話し続けると嫌がられる可能性が増します。「ちょっと惚気てもいい?」と聞いたり「あなたのところはどう?」と質問したりするのも効果的です。
まとめ
「惚気」の意味は”恋人・配偶者との仲が順調だと人に話すこと”です。「自慢する」「得意げになっている」というニュアンスも含まれます。「惚気る」と動詞として使うこともあります。
好き嫌いが分かれる話題のため、相手が聞きたがっているか配慮して惚気るようにしましょう。