フランス人の苗字の由来とは?貴族の名前の特徴・名前の書き方も

フランス人の苗字の由来には、日本人には考えられないような由来があるのをご存知ですか。フランス人の苗字と日本人の苗字の由来に共通することもあるのですが、思いもつかないような由来のある苗字もあります。

今回はフランス人の苗字の由来や貴族出身者の苗字の特徴の他に、フランスでの名前の表記の仕方も解説します。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。クロワッサンとボルドーワインをこよなく愛しています)

フランス人の苗字と由来とは?

職業に由来した苗字

フランス人の苗字で最もよくあるのが、職業に由来した苗字です。「Boulanger」はパン屋、「Lefevre」は鍛冶屋、「Pelletier」は「皮の商人」などです。

ニックネームを由来にした苗字

フランス人の苗字はニックネームやその人の特徴が由来の苗字もあります。例えば、体格の大きい人を「大きい人」と呼んだことから大きいという意味の語を苗字にした「Legrand」や、その逆で体型が小さい人には小さいという意味の「Petit」などがあります。

地形を由来にした苗字

日本にも川の上流に住んでいたから「川上」という名字が生まれたように、フランスでも地形が由来の苗字があります。例えば「Léglise」という名字がありますが、「Léglise」は教会という意味のフランス語です。この苗字の祖先はきっと教会のそばに住んでいたのでしょう。

また町や村の名前をそのまま苗字にすることもあります。「Marseille」という苗字ならマルセイユ村出身だということがわかります。

果物の名前を由来にした苗字

日本では考えにくいですが、果物の名前が苗字になったケースもあります。例えば「Poirier」は洋ナシの木という意味ですし、「Pommier」はリンゴの木を意味しています。ほかにもオリーブを意味する「Olive」やメロンを意味する「Melon」などの苗字もあります。

動物名を由来にした苗字

動物の名前を苗字にした例もあります。フランス語でキツネは「Renard」ですが、この「Renard」がそのまま苗字として使われています。日本語訳すれば「キツネさん」となりちょっと変わっていますよね。

ほかにもナイチンゲールの「Rossignol」や烏の「Loiseau」なども苗字に使われています。

天使名から生まれた苗字もある

キリスト教文化の根強いフランスでは、聖書に出てくる聖人や天使の名前を由来に下苗字もあります。「Michel」は大天使ミカエルが由来です。また天使名や聖書に出てくる聖人名は名づけにも人気があります。

フランス貴族の苗字の特徴は?

フランス貴族出身者の苗字に「de」が入ることがある

現在フランスには貴族はいないのですが、貴族出身の家系の苗字に「ド(de)」がついていることがあります。元フランス大統領のシャルル・ド・ゴール氏は苗字に「ド」がついていますが、彼は貴族出身です。

しかし貴族出身なら必ず「ド」がついているとは限りません。時間の流れの中で「ド」が抜け落ちてしまった例も多く、貴族出身でも「ド」のない苗字の人もいます。

苗字に「de」がついているのに貴族出身でない人もいる

苗字に「ド」がついていても貴族出身ではないことがあります。「de」が前置詞の「の」という意味のため、ある土地に住んでいる〇〇さんという意味で「de」が使われることがあるからです。日本名で説明すると、やなぎ村の鈴木さんという人がいたとしたら、その人の苗字を「鈴木 de やなぎ」のように名付けたられました。

苗字に「de」をつけて貴族を装う人もいた

また苗字が「De」で始まることから「de」を独立して表記することで、貴族風に見せていた例もあります。例えば作曲家のドビュッシーの苗字は「Debussy」ですが、「de Bussy」と書いてまるで貴族出身かのように見せていたこともあります。

確かにフランス貴族出身で苗字に「ド」がついている人が多いのですが、貴族出身だからと言って必ず「ド」がついているわけでもなく、また「ド」がついていても貴族出身とは限りません。

フランスの名前の書き方とは?

「名前」「苗字」の順番で書く

フランスで氏名は名前が先で、苗字が後に続きます。フランス人には複数の名前があることもあり、その場合にはメインとなる名前が先頭に来て、次にほかの名前が続き、最後に苗字になります。

カジュアルなパーティやビジネスシーンなどで自己紹介をするときには、必ずこの順番で名乗ります。

事務的な手続きで苗字が先に来ることもある

例外的に苗字が名前よりも先に来ることがあります。それは事務的な手続きで苗字を強調する書類などでは、苗字を先に書き、コンマ「,」を入れて名前を続けることがあります。ただし事務書類を記名するときにはいつも苗字を先に書くわけではないので、事務書類に記名するときにはどの順番で名前を書くべきかを確認したほうがいいでしょう。

ビジネスシーンで苗字を大文字で書くことも

名刺などで名前に続く苗字がすべて大文字で書かれていることがあります。一般的には苗字の頭文字だけを大文字にするのですが、苗字を強調するためのすべてのアルファベットを大文字で表記することもあります。

「鈴木太郎」の書き方例
  • 一般的な名前の書き方: Taro Suzuki
  • 事務書類で苗字を先に書くとき: Suzuki, Taro
  • 名刺などで苗字を強調するとき: Taro SUZUKI

どうして苗字を使うようになったのか

ほかの人と区別するため苗字が使われた

フランス人が苗字を使うようになった理由は、ほかの人と区別するためだと言われています。「苗字」はフランス語で「surnom」と言いますが、その意味は「上の名前」です。つまり、すでに個人には名前があり、その名前の上を行くもう一つの名前で、苗字を使うことでほかの人と区別しました。

苗字は約11世紀に使われ始めた

苗字が使い始められたのは11世紀ごろです。しかし苗字は誰もが使っていたわけではありませんでした。最初に苗字が使われるようになってから数世紀の間、苗字は一般的には使われませんでした。

まとめ

フランス人の苗字には職業や地名などを日本人の苗字の由来と同じ点もある一方で、動物や植物など日本人には考えつかないような由来のある苗字もあります。また貴族出身者の苗字には「ド」とついていることもあればついていないこともあり、苗字だけで出自を判断するのは注意がいるようです。