「守銭奴」の意味とは?読み方やその心理、類語「銭ゲバ」も解説

「守銭奴」は人やフィクション作品のキャラクターの表現に使われる言葉です。読み方は「しゅせんど」になります。ネガティブな印象を持つため、悪口に用いられることが多い言葉です。「守銭奴」の意味や使い方を確認しましょう。類語・対義語や、守銭奴の心理もご紹介します。

「守銭奴」の意味と語源とは?

「守銭奴」の意味は”貯金に執着する人”

「守銭奴」の意味は“貯金を増やすことに過度に執着する人”です。「しゅせんど」と読みます。

周囲の人を不快にするほど執着している人に使われる言葉で、ネガティブな意味合いを強く持ちます。

やりくり上手のようなポジティブな使い方はできないため、不用意に発言してしまうと相手を傷つけてしまうかもしれません。

「守銭奴」の語源は”フランスの戯曲”

「守銭奴」の語源はフランスの戯曲ではないかと言われています。劇作家モリエールの作品「L’Avare」の邦題が「守銭奴」でした。過度に金に執着する主人公を描いた作品です。

「守銭奴」の使い方と例文とは?

「守銭奴」は人の性格を表現する

「守銭奴」はお金を貯めることに過度に執着する性格をした人を表現する言葉です。基本的に理由なく貯金する人に用いられます。「手術代を貯めたい」のように、深刻な目的がある人は「守銭奴」とは思われにくいようです。

「守銭奴」だと言われやすい行動
  • 遊びに誘っても、交通費を無駄に思って断る。
  • プレゼントを買いたくないので、友人の誕生会に参加しない。
  • 必需品を買う場合、常に最安のものを買う。

ただし、人によって価値観に違いがあるため、統一された基準はありません。例えば、3つめの「常に最安のものを買う」ことは、節約上手だと好意的に受け取る人もいるでしょう。

「守銭奴」は悪口に使われやすい

ネガティブな印象が強い「守銭奴」は悪口に使われやすい言葉です。不用意に使用すると、トラブルにつながることもあり得るため、注意が必要です。やりくりや節約が上手だとポジティブに伝えたい場合は、後ほどご紹介する類語「倹約家」が向いています。

「守銭奴」を使った例文

「守銭奴」を使った例文をご紹介しましょう。

  • Aとの付き合いは長いが、遊びに誘っても「無駄金を使いたくない」と断られる。守銭奴でつまらない男だ。
  • 留学のために貯金しているのだが「必死すぎて守銭奴に見える」と言われてしまった。
  • 息子の手術代を貯めるためなら、守銭奴だと思われても構わない。

「守銭奴」の類語・言い換え語とは?

「守銭奴」の類語は”ケチ”

「守銭奴」の類語は“ケチ”です。平仮名で「けち」と書くこともあります。類語としては”過剰に金品を惜しむこと”という意味です。そのような人や様子にも用いられます。

似た意味の類語ですが、言われる側の心理に微妙に違いがあります。「守銭奴」は”お金を貯めるのが好き”、「ケチ」は”お金を使わないのが好き”です。例えば「守銭奴」は給料がもらえる労働に積極的なことが多いのですが、「ケチ」はそうとは限りません。労働で地道にお金を増やすことを面倒に思う人でも、過度に消費を避ける人は「ケチ」が当てはまります。

俗語的表現「銭ゲバ」も「守銭奴」の類語

俗語的な表現ですが「銭ゲバ(ぜにげば)」も「守銭奴」の類語です。意味は”お金のためならどんなことでもする人”です。「ゲバ」はドイツ語で暴力行為を意味する「ゲバルト(Gewalt)」の略語になります。

1970年代に流行した漫画のタイトルが、そのまま定着しました。漫画の主人公が、お金を得ようと殺人行為に手を染めていくストーリーです。

最近は使われることが減っているため、相手に通じない可能性もあります。積極的に使用する必要性はあまりないでしょう。

「守銭奴」を誉め言葉に言い換えたい場合は”倹約家”

「守銭奴」の良い面に注目し、ポジティブに誉めたい場合の言い換え語は「倹約家(けんやくか)」です。無駄を省き、出費を抑える人のことを意味します。

「倹約家」は本当に不要な出費だけを抑え、必要なことにはお金を使うイメージで用いられます。

「守銭奴」ではなく「倹約家」と言われやすい行動
  • 普段は安い服しか買わないが、友人の結婚式には立派なスーツを着る。
  • 普段は質素な節約料理だが、家族の誕生日にはご馳走でお祝いする。

「守銭奴」の対義語とは?

「守銭奴」の対義語は”浪費家”

「守銭奴」の対義語は“浪費家(ろうひか)”です。お金を無計画に使う人や、必要以上に無駄使いする人を意味します。「守銭奴」と同じくネガティブな印象の言葉です。

「浪費(ろうひ)」だけの場合、時間や気力など、金銭以外のことにも使われます。しかし「浪費家」は金銭の無計画さにしか使われません。

「守銭奴」の心理とは?

「守銭奴」の心理は”不安”のこともある

「守銭奴」になる心理には、不安や悩みが影響を与えることもあると考えられています。例えば、お金に苦労したトラウマがあったことから、過度にお金に執着している可能性があります。過去に苦労したことから「今後も急にお金が必要になるかもしれない」と不安になってしまうのです。

特に悩みや不安がなく、純粋にお金が好きな人もいます。全員がそうだと決めつけず、公平に接すると良いでしょう。

まとめ

「守銭奴」とは”貯金を増やすことに執着する人”という意味です。周囲の人を不快にするほど過度に執着する人の悪口に使われることも多いネガティブな言葉になります。誉め言葉として使いたい場合は「倹約家」に言い換えましょう。