「端的」の意味や使い方は?類語「簡潔」との違いや反対語も解説

会議などビジネスシーンで「端的に述べてください」などと言われることがありますが、「端的」の意味を正しく理解していますか?

この記事では「端的」の意味や使い方をはじめ、類語「簡潔」との違いや言い換え表現について例文とともに解説します。対義語・反対語や英語表現についても触れていきましょう。

「端的」の意味とは?

「端的」の意味は”はっきりして明白なようす”

「端的(たんてき)」の意味は、“はっきりして明白であるようす”です。「端」は”きちんとしている・正しい”というニュアンスで、「的」は”まと”という意味があります。

きちんとして正しく明白な状態が「端的」です。話の要点や結論をまとめるときなど、手っ取り早く簡単に表現するという意味で「端的に話す」などとも使います。

「端的」の使い方と例文とは?

はっきりとして明白だという意味で使う

「端的」は、はっきりと明白であることを表します。

たとえば、買い物にでかけたときに店員さんの説明が、まとまっていてとてもわかりやすいとき「彼の説明は端的で助かる」などと使います。はっきりと明白で内容がわかりやすいという褒め言葉です。

要点や結論をまとめるときに使う

「端的」は、要点や結論をまとめるときにも使います。

たとえば、会議などで長々と説明をした後に「端的に言うと、とてもお得でおすすめの商品です。」などと要点をまとめます。「要するに」や「つまり」などと同じように、はっきりと簡単で手短にというニュアンスです。

「端的に言うととても迷惑です」など、相手に言いにくい内容を伝えるときなどにも使えます。

「端的」を使った例文

「端的」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 余計なことはいいから、どういうことか端的に報告してください。
  • 端的に言うと、非常に困っています。
  • 彼女の話はいつも端的でわかりやすいので助かります。

「端的」の類語・言い換え表現とは?

「端的」の類語は”簡潔”

「簡潔(かんけつ)」とは、簡単で無駄のない表現のこと。「簡」には”手軽・はぶく”という意味があり、「潔」には”余計なものがない”という意味があります。余計なものをはぶいてすっきりとさせた表現が「簡潔」です。ビジネスシーンなどでは、余計なことは置いておいてすっきりわかりやすく話してほしいという意味で「簡潔に述べてください」などと使います。

要点をおさえてまとめた表現である「端的」に対し、わかりやすくすっきりとまとまっているというニュアンスが「簡潔」。ほぼ同じ意味と言えるため、言い換えとしても使えます。

例文
  • 細かいことはいいから、簡潔に説明してください。
  • 簡潔に言うと、この文章では伝わらないので書き直しということだ。

「明瞭」も「端的」の類語

「明瞭(めいりょう)」とは、はっきりとしていることやそのようすを表した言葉。「明」には”はっきり”という意味があり、「瞭」には”よく見える”や”あきらかである”などの意味があります。

はっきりとまとめたというニュアンスの「端的」に対し、はっきりしていることという「明瞭」はよく似た意味の言葉。言い回しなどに注意をすれば、言い換えとしても使える表現です。

例文
  • この件に彼がかかわっていることは明瞭です。
  • 彼らの行動には明瞭な目的があります。

「端的」は”単刀直入”とも言い換えられる

「単刀直入(たんとうちょくにゅう)」とは、前置きをしないですぐに本題に入ることという意味。直接的であるというニュアンスも含みます。中国の書物が由来の四字熟語です。そこまでの経緯や考えなどを前置きとして述べず、すぐに本題を話すときに「単刀直入に言います」などと使います。

要点や結論を簡単にまとめることという「端的に言う」と同様に、すぐに本題に入りますというニュアンスなのが「単刀直入に言う」という言い回し。シーンによっては「端的」の言い換えとしても使える表現です。

例文
  • 彼女はいつも単刀直入な言い方をするので困る。
  • 前置きはいいので、単刀直入に言ってください。
  • 何ごとも単刀直入に言えばいいってもんじゃないよ。

「端的」の対義語・反対語とは?

「端的」の対義語は”冗長”

「冗長(じょうちょう)」とは、話や文章などに無駄な部分が多くだらだらと長いことです。「冗」は”むだ・不必要なこと”という意味。同じ内容や説明が何度も繰り返している文章に対し「冗長でわかりにくいです」などと表現します。冗長な文章や話は長くなるばかりではなく、何が言いたいのか相手に伝わりづらくなります。

はっきりと明白で手っ取り早いというニュアンスの「端的」に対し、無駄が多く長いというニュアンスの「冗長」は、反対の意味です。

「冗漫」は無駄が多くまとまらないこと

「冗漫(じょうまん)」とは、話や文章に無駄が多いうえに内容がまとまらないことをさる言葉。「漫」には”むやみに広がる・気の向くままに”という意味があります。同じ内容や説明の繰り返しで、長いばかりではなく話がいろいろな方向に広がりまとまりがない状態を表現します。

はっきり明白なようすを表す「端的」に対し、無駄が多くまとまらないという「冗漫」は、反対の意味と言えるでしょう。

「端的」の英語表現とは?

「端的」は英語で”clear”や”straightforward”など

「端的」を英語で表現するには“clear”“straightforward”などを使います。

「clear」は”はっきりしたようす”や”明快である”などのニュアンス。簡単で明らかなという意味で「端的」を表現するのに適しています。また、「straightforward」は”まっすぐに・率直な”というニュアンスの単語。遠まわしな表現がないという意味で「端的」を表現できます。

他にも、「speak frankly」や 「speak plainly」などのフレーズで”端的に言う”というニュアンスを伝えられます。

まとめ

「端的」とは、”はっきりして明白である”という意味です。また、手っ取り早く簡単に表現するという意味でも使う言葉で、「端的に言う」や「端的にまとめる」などの言い回しがあります。

会議やミーティングなどビジネスシーンでもよく使う言葉。話の長い人に「端的にまとめてください」と伝えることで、手短に要点を述べてほしいという指示を出すこともできます。言い換え表現には「簡潔」や「単刀直入」などがあり、シーンによって使い分けるとよいでしょう。