「寝耳に水」の意味と使い方!由来や類語を例文とともに紹介

「寝耳に水」ということわざがありますが、主にどんな時に使うことわざなのでしょうか。また寝耳とはどのような状態なのでしょうか。今回は、「寝耳に水」の意味と由来、使い方や例文、類語や英語の類語も併せてみていきます。

「寝耳に水」の意味や読み方とは?

「寝耳に水」の意味は「予想もしていない事に驚くこと」

「寝耳に水」の意味は、「予想もしていない事に驚くこと」です。「寝耳」=寝ている時に入ってくる物音を示す意味の言葉の後に「音」ではなく「水」が来ているので、寝ている時に耳に水が入ることを示しています。

寝ている無防備な状態の時に、耳に水が入って来たらびっくりすることから、予想もしていない事に驚く事を例えていることわざです。

「寝耳に水」の読み方は「ねみみにみず」

「寝耳に水」は「ねみみ に みず」と読みます。寝耳とは寝ている時の耳、または寝ている時に聞こえる音のことで、睡眠中に耳に入ってくる物音という意味です。

実際に耳に水が入るのか?「寝耳に水」の由来とは?

元々は水の音が聞こえる事を例えていた

元々は寝ている時に水の音や濁流の音が聞こえる事を指していたそうです。

何故なら、昔は水の整備が不十分であったため洪水や川の氾濫が頻繁に起こっていました。そのため昼間に川が氾濫して洪水が起こっても、起きているので避難をしたりと対応する事ができますが、夜寝ている時に水害が起きてしまったら、無防備な状態なのでとても驚いてしまいます。

このような背景があったため、寝ている時に耳に水の音が聞こえたら洪水が起きたという事なので、非常に驚くという事を意味する事が由来とされています。また、寝ている時に洪水を知らせる声が聞こえるという意味という説もあります。

耳に水が入るという説

実際に寝ている状態の無防備な時に耳に水が入って来たら、予想もしていない事なので驚いてしまいます。元々は水の音が聞こえていたことが由来とされていますが、後に耳に水が入ると驚くという事が由来として広まったという説もあります。

「寝耳に水」の使い方とは?

「寝耳に水」を使うシーンは非常に驚く時

全く予想もしていなかった事が起きて非常に驚くシーンで使います。例えば以下のようなシーンで、「寝耳に水」を使って驚きを表現します。

Aさんは次の支店長候補として有力視されていました。上司たちの発言や周りからの期待からもそう予測できたし、噂もちらほらと聞こえて来ます。真面目に仕事に打ち込んで来て、それなりの実績もあげていたAさんは、順番的にも時期的にも次は自分だという確信があったので、辞令が下りるのを待っている状態でした。そんな時に実際に支店長として任命されたのは、全く噂にも登っていなかったBさんでした。Aさんにとってはまさに「寝耳に水」という事態が起きてしまったのです。

「寝耳に水」と「青天の霹靂」は同じ意味で使われる

「寝耳に水」を使うシーンで紹介した例では、「青天の霹靂」と言い換えても同じ意味となります。

「青天の霹靂」とは「 寝耳に水」と同義のことわざとして知られ、「青天」青く晴れ渡った空に「霹靂」雷が鳴るという事から、青空なのに突然の雷鳴が鳴るのは、予想もしていない出来事なので驚くという意味となります。

どちらも同じ意味となるので、予想もしていない事に非常に驚く事を表現したい時には、「 寝耳に水」や「青天の霹靂」を使って表現します。

「寝耳に水」の例文と類語とは?

「寝耳に水」を使った例文

「寝耳に水」を使った文例としては、以下のような使い方があります。

  • 突然転勤の辞令が下りるなんて「 寝耳に水」だ
  • 勝手に担当を変えたりするのは「 寝耳に水」です
  • 突然の変更はまさに「 寝耳に水」の出来事だった

「寝耳に水」の類語は「青天の霹靂」「藪から棒」など

「寝耳に水」と同じような意味をもつ類語としては、先ほど紹介した「青天の霹靂」以外にも、「藪から棒」や「窓から槍」などのことわざがあります。

  • 青天の霹靂=青空に突然の雷鳴が鳴り響いて驚く事
  • 藪から棒=藪から急に棒が出て来て驚く事
  • 窓から槍=窓から槍が出て来て驚く事

「寝耳に水」と同じ意味の英語とは?

英語表現は「a bolt from the blue」

「寝耳に水」と同じ意味の英語表現をご紹介しましょう。

  • 「a bolt from the blue 」=青空から雷=青天の霹靂
  • 「out of the blue」=青空から突然に=青天の霹靂
  • 「a bombshell」=爆弾のような・爆発的な突然の出来事

まとめ

「寝耳に水」ということわざの由来や読み方、使い方や例文をみてまいりました。起きている時に耳に水が入って来たらとても驚きますが、寝ている無防備な時なら尚更です。なぜ「寝耳」に限るのかというのは、元々の由来が、水の設備が整っておらず洪水の起きやすかった時代には、寝ている時に濁流や水の音が聞こえると、洪水が起こるかもしれないと警戒して驚くという意味だったからということでした。

また「寝耳に水」とほとんど同じ意味のことわざとして「青天の霹靂」ということわざを使うことができるということもわかりました。「寝耳に水」と同じ意味として使えるその他の類義語や英語の類義語にも「なるほど」と納得する由来がそれぞれに存在しています。

このように古くから伝わることわざには、そういった昔の人々の経験や知恵から学ぶことのできる、素晴らしい教訓がとても多く含まれています。いくら時代が変わろうと、何年の月日が経とうと、廃ることの無い先人の知恵の結集した言葉です。「ことわざ」を使う時、その意味を考えるだけでなく、ことわざが出来た時代背景や由来に思いを巡らせてみると、一層の理解や共感、先人の知恵を明確に受け継ぐことができるかもしれません。