「リスク」の意味とは?使い方・例文や「危険」との違いも解説

近年、自然災害や感染症などさまざまな「リスク」が地球規模で高まっています。そのため近頃は「リスク」について語られることが多くなりました。しかし、「リスク」と「危険」との意味の違いがよくわからないと感じている人もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「リスク」の意味や使い方・例文を紹介します。あわせて「危険」との違いや対義語などについても解説しています。

「リスク」の意味とは?

「リスク」の一般的な意味は「危険の生じる可能性」

「リスク」とは、一般的な意味では「危険の生じる可能性」、あるいは「今後発生し得るネガティブな不確定事象」のことをいいます。

たとえば、「感染症のリスク」という場合には、「感染症がもたらす危険の生じる可能性」という意味となります。また、「少子高齢化のリスク」という場合には、「少子高齢化によって生じる可能性があるネガティブな不確定事象」のことを指します。

金融分野では「予想通りにいかない可能性」という意味

金融・保険・経済分野においては、「リスク」は「予想通りにいかない可能性」という意味で使われます。

「予想通りにいかない可能性」、つまり「不確実性」という意味でのリスクが用いられる専門用語には、債務不履行が起こる可能性を意味する「信用リスク」や、確実なリターンが読めない「為替リスク」「投資リスク」などがあります。

「リスク」のカタカナ語は、もともとは金融や保険の分野で使われていたものが、一般的にも使われるようになったようです。

「リスク」の使い方と例文

「危険の生じる可能性」という意味での使い方と例文

危険の生じる可能性が今後にむけて存在するという意味で「リスク」を使う場合は、次の例文のような使い方があります。

例文
  • 変異ウイルスの死亡リスクは非常に高い
  • 21世紀の人類は地球温暖化のリスクに直面している

「ネガティブな事象が発生する可能性」という意味での使い方と例文

ネガティブな事象が発生する可能性という意味での「リスク」の使い方には、次のような例文が挙げられます。

例文
  • 新しい技術の導入は未知のリスクを生じさせる可能性がある
  • コロナ禍において倒産リスクが高まった

あえて危険のある選択をする「リスクを取る」の使い方と例文

目標を達成するため、あえて危険のある選択をすることを「リスクを取る」と表現します。次のような使い方です。

例文
  • あえてリスクを取って新しい市場に進出することを決定した
  • リスクを取る勇気がなければ成功は難しい
  • 日本社会は能動的にリスクを取る決断をするのが苦手だ

「リスク」と「危険」との違いと対義語とは?

「リスク」は「あぶないことの生じる可能性」・「危険」は「あぶないこと」

「リスク」を単なる「危険」の意味で使うことがありますが、両者の意味は異なります。「危険」の意味は、「あぶないこと」です。具体的には、個人にとっての生命や身体に損害をもたらすと想定される事柄や、災害や人災が起こる原因となる可能性があるものを指します。

その一方で「リスク」は、単に「あぶないこと」ではなく、将来的に危険が生じることへの可能性を指す言葉であることがポイントです。つまり、「リスク」とは不確実性を伴う可能性だということです。

「リスク」の対義語は「安全性」「確実性」

「リスク」は、将来に危険やネガティブな事象が発生する可能性であるため、その反対の意味の言葉は「安全性」、あるいは「確実性」となります。

「リスク」に関係する用語

リスクを回避するための管理活動「リスクマネジメント」

将来起こりうると予測される損失である「リスク」に対して、それを回避または低減させることを目的として事前に管理(マネジメント)することを「リスクマネジメント」といいます。

リスクマネジメントは英語「risk management」のカタカナ語です。「リスク管理」と呼ぶこともあります。

また、「リスクマネジメント(リスク管理)」と「危機管理」が混同されることがありますが、両者の意味は異なります。危機管理は英語「Crisis Management(クライシスマネジメント)」の訳語であり、危機が発生した際に危機から脱し、正常な状態へ回復するための管理活動のことをいいます。

つまり、リスクマネジメントは損失が生じる前に事前に行うマネジメントであるのに対し、クライシスマネジメントは危機が発生したあとに行うマネジメントです。

「今後発生する不確定事象」のことを「リスク」と呼ぶということが、「リスク」の概念を理解するポイントです。

リスクを評価する「リスクアセスメント」

「リスクアセスメント」とは、職場における危険性などを特定し、リスクの見積もりやリスクの低減措置を決定する一連の手順のことをいいます。労働安全衛生法において、事業者は、リスクアセスメントに基づく労働災害対策の措置を講じる努力義務が課せられています。

アセスメントとは、対象が周囲に与える影響について事前に予測や評価を行うことという意味です。

リスクが大きいほど期待が大きい「ハイリスクハイリターン」

リスクを取るという意思決定は、「ハイリスクハイリターン」の考え方に基づいています。ハイリスクハイリターンとは、本来は投資の一般原則である、損失の危険が大きいほど、高い収益を期待するという意味です。ビジネスや一般的な場面における意思決定においても比喩的に用いられます。

まとめ

「リスク」は英語の「risk」からできたカタカナ語で、「危険」と訳されることがあります。しかしリスクを危険という言葉に置き換えた場合、リスクの語が持つ本来の意味は伝わらなくなってしまうことがあります。

リスクとは、未来に生じる危険の可能性、あるいは未来に生じる好ましくないもの、という意味です。その意味では、リスクに近い言葉は「危険」ではなく「危険性」であるといえます。

「リスク」とは、未来について語る言葉です。現代社会では、自然災害や感染症、さらには資本主義社会のリスクといった、さまざまなリスクにさらされています。あらゆるリスクを想定して備える必要に迫られているといえるでしょう。