「フィクション」とは?意味・使い方やノンフィクションとの違いも

「フィクション」は小説・マンガなどの本やドラマ・映画作品の注意書きの文言に使われています。他にも表現方法によく使われる言葉ですので、意味や例文を確認しましょう。対義語「ノンフィクション」との違いもご紹介します。

「フィクション」の意味と語源とは?

「フィクション」の意味とは”架空の物語”

「フィクション」の意味は“想像で書かれた架空の物語”です。小説、マンガ、ドラマなど、様々な創作作品が該当します。

真偽が確かめられない伝承などは、たとえ事実だと言われて受け継いできたとしても、フィクションだと考える人もいるようです。また、事実を参考にしていても、人物やストーリー展開が想像で書かれているものはフィクション作品に含まれます。

日常的にはあまり使われませんが、作品に無関係な「作りごと」という意味も持ちます。

「フィクション」の語源は英語”fiction”

「フィクション」の語源は英語“fiction(フィクション)”です。ほぼ同じ意味で、カタカナ語として定着しました。英語圏では「想像・仮設」などの意味で使われることもあるようです。

「fiction」の語源はラテン語”fictio(フィクティオ)”です。意味は「形成する」になります。

「フィクション」の使い方と例文とは?

「フィクション」は小説・アニメなどの作品の説明に使う

「フィクション」は創作作品の説明や表現方法・ジャンル名に使われます。フィクション作品には、次に紹介する注意書きの文言が添えられることが一般的です。

例文
  • 歴史小説だと思って借りたのだが、途中からタイムトラベルが始まってしまった。フィクション作品だったようだ。
  • リアリティがあるので実話なのかと思ったが、フィクションだとちゃんと書いてあった。

「この作品はフィクションです」は注意書きの文言

フィクション作品の注意書きによく用いられるのが「この作品はフィクションです」という文言です。「実在の〇〇とは無関係です」と続き、読者・視聴者に誤解を与えないようにしています。日本だけでなく、海外でも似たような注意書きがされています。

例文
  • このアニメはフィクションです。実在の人物・団体・出来事とは関係ありません。
  • このドラマはフィクションです。登場人物、団体などは全て架空の名称です。

「サイエンス・フィクション」は科学的仮想で書かれた作品

「サイエンス・フィクション」はフィクション作品の中の1つです。「SF(エスエフ)」と略されます。科学的仮想で書かれたフィクション作品を意味します。統一された定義はありませんが、一般的には仮想であっても説得力が必要です。宇宙や未来を舞台にした作品も多くあります。

「メタフィクション」は現実との境界が曖昧な作品

「メタフィクション」は、フィクション作品と現実との境界が曖昧になっている作品のことです。詳細な定義は定まっていません。「作品の中で別の作品の話題を出す」のことだと思う人もいれば、登場人物が「自分は創作物だ」と認識していることだと言う人もいます。

メタフィクションを意識させる演出を「メタネタ」「メタ発言」と呼びます。

メタネタ・メタ発言の例
  • 登場人物が読者・視聴者に語り掛けてくる。
  • 作者が登場し、登場人物と会話する。
  • 「続きはCMの後だ」のように、テレビ放送されていることを分かっている発言をする。

「フィクション」と「ノンフィクション」とは?

「フィクション」の対義語が”ノンフィクション”

「フィクション」の対義語は”ノンフィクション(non-fiction)”です。事実・実話に忠実に作られた作品を意味します。ドキュメンタリーや紀行文、伝記などが該当します。

「ノンフィクション」との違いは”作者の想像が含まれるか”

「ノンフィクション」との違いは「作者の想像が含まれているか」です。想像が含まれていると「フィクション」、含まれていなければ「ノンフィクション」になります。注意が必要なのは、歴史物の作品です。登場人物や大まかなストーリー展開が史実と一致するため、ノンフィクションだと思う人もいるでしょう。しかし、歴史書に残っていない部分を作者の想像で補っている場合、その作品はノンフィクションとは言い切れません。

「ノンフィクション・ノベル」は歴史を参考にしたフィクション小説

歴史を参考にしたフィクション作品のうち、小説に限り「ノンフィクション・ノベル」という言葉で表現できます。歴史上の人物やできごとを作者の想像で補い、フィクション作品として楽しめるよう作られた小説を意味します。「ノンフィクション」と名前に入っていますが、実際にはフィクション作品になりますので、勘違いしないようにしましょう。

「ノンフィクション」の注意点

「ノンフィクション」と銘打たれた作品も、すべてが真実だと思い込まないよう、注意が必要です。参考にした歴史書に間違いがあったり、取材を受けた人が勘違いしている可能性もあります。他にも、製作者が集めた資料に偏りがあり、主観的な内容になっている場合もあります。

例えば「ダム建設のドキュメンタリー映画」で考えてみましょう。立ち退きを命じられた村人の資料ばかり集めれば、ダム建設者は「先祖から受け継いだ土地を奪う悪者」に見えてしまうかもしれません。しかし、ダム建設者側の視点で取材を進めれば「下流に住む人たちを水害から救った英雄」の映画になることもあり得ます。

まとめ

「フィクション」の意味とは”想像で書かれた架空の物語”です。対義語は「ノンフィクション」になります。

小説・ドラマならばフィクション、歴史物はノンフィクション、と単純には判断できません。作品を見る前に、注意書きの文言をチェックしてみましょう。