「対峙」の意味と読み方は?「対峙する」の使い方や類語・対義語も

「対峙」は、人が動かずにらみ合っている状況を表す時に使われる言葉です。一般的には相手と対立したり、ぶつかりあっている時に「対峙する」という表現を用いますが、社会人としても、言葉の意味を正しく理解しておきたいものです。

ここでは「対峙」の読み方の他、類語や対義語、英語フレーズを含めて解説します。

「対峙」の意味と読み方とは?

「対峙」の意味は「双方が動かずにらみあうこと」

「対峙」とは、「お互いに動かず、にらみあいが続くこと」を意味します。意見や立場などで対立する人同士が、お互いににらいあみ、ずっと動かずにいる様子を表します。

もともと「対峙」は、「互いに向かい合ってそびえる高い山々のこと」を指します。転じて、対立する者や物事などが、にらみあうようにじっと動じないという意味も持ち併せています。

「対峙」の読み方は「たいじ」

「対峙」の正しい読み方は「たいじ」です。「対峙」の「峙」は「山へんに寺」と書き、「側立つ、そびえる」また「じっとしたまま動かずにいる」という意味があります。つまり、「対峙」で「対立して動かない」となるわけです。

「対峙」の使い方と例文

「対峙する」はビジネスシーンでも使われる

「対峙する」は日常生活のみならず、ビジネスシーンでも使われる表現です。たとえば契約や商談の報告書や企業レポートなどにおいて「ライバルと対峙している状況」「対峙する競合は〇〇社」と書き記すこともできます。

また、社内での出来事や組合との話あいの場などでは、「会議中、同僚のAと対峙してしまった」「対峙せず、話し合いをすべきである」というようにも使うこともできます。

「対峙」を心の葛藤を表す時にも使われる

「対峙」は「人と人がにらみあって動かないこと」を意味する言葉ですが、その他、自分の気持ちや現実との葛藤などに対しても使われることがあります。

たとえば、「自分の中で、現実と夢が対峙している」「転職するかしないか、心の中で気持ちが対峙している」などのように使うことができます。このように「対峙」は山や人だけではなく、目に見えない心のあり方や思考などがぶつかりあう時にも用いることがあります。

「対峙」を使った例文

  • サッカーの攻防戦で、両者の対峙がしばらく続いた。
  • 観光地で見た壮大な山々は、まるでお互いが競い合うように対峙していた。
  • 対戦相手と試合前に対峙するかたちとなったが、勝負事にはつきものである。
  • 国会では双方が対峙し、意見が末法から対立してしまった。
  • 家を出るか、出ないか、心の中で対峙する自分がいた。
  • 二つの感情が対峙している。夢と現実の狭間に苦しむ。

「対峙」の類語とは?

「対立」は「双方が反対の立場をとること」

「対立(たいりつ)」とは「互いに反対の立場をとること」を意味します。2つのものや人が反対に立ち、互いに譲らないさまを表します。「対峙」は「双方が互いににらんだまま、ずっと動かない」という意味がありますが、対立にはそういったニュアンスは含まれていません。

「対峙」と「対立」は非常に似た意味で使われますが、にらみあい動じないというような状況を示したい時は「対峙」を使った方が、より状況が鮮明になります。

例文
  • 二人は対立する姿勢を崩さなかった。
  • 対立候補は、期待の新人である。

「相対」は「向かい合うこと」

「相対(そうたい)」とは「向かい合うこと」を意味します。「対立する」という意味もありますが、どちらかと言うと「物事に立ち向かい、戦う」といったニュアンスを持ちます。

「対峙」は「双方が動かずにらみ合う」という直接的な対立を意味しますが、「相対」の場合は「トラブルに相対する」や「難題に相対する」というように、「正面から敵に向かい合う」という意味合いが強くなります。

例文
  • 仕事で難題に相対する日が続いた。
  • 相対する相手と近く和解する予定だ。

「対峙」の対義語とは?

「共同」は「複数が協力をすること」

「共同」とは「二人以上の複数が互いに協力すること」を意味します。一緒に力を合わせてものごとを推し進めることや物事に取り組むことを「共同する」と言います。

例文
  • 共同してプロジェクトを進めるように言われた。
  • イベントに成功したのは、それぞれ共同作業が上手く行ったからだ。

「同盟」は「互いのために同じ行動をとること」

「同盟」とは「互いのために、複数が同じ行動や仕事をすること」を意味します。主に国や国家、組織や団体などが、互いの利益やプラスの目的のために、同じ行動をとることを「同盟」といいます。

例文
  • 3国間で鉄橋を建築する同盟を組む予定だ。
  • 同盟を結ぶことは、互いに協力をするということでもある。

「結束」は「互いに団結し合うこと」

「結束」とは「双方が団結し合うこと」を意味します。複数の人やグループなどが意見や考えを一つにし、力を合わせて目的に向かうことを表します。「結束」の言葉が示す通り、束を結ぶということは「一つにまとめること」です。互いに対立するのではなく、互いに団結することを「結束」といいます。

例文
  • チームを優勝に導くためには、結束力が必要である。
  • 営業部が一丸となり、結束を固めれば、売り上げは伸びる。

「対峙」の英語フレーズとは?

「対峙」は英語は「face」

「対峙」や「対峙する」を英語でいう時は「face」を使います。「face」には周知のとおり「顔」という意味がありますが、その他「人と人が向き合う」「危険などに立ち向かう」「現実を受け止める」などの意味も持ち合わせています。

「対峙」を使った英語例文

  • 国会で意見が割れ、双方が対峙が続いた。
    Both parties have been facing each other in their opinions.
  • 夢を追いかけながら現実と対峙するのは辛いこともある。
    Facing reality as chasing my dream may give me a hard time sometimes.

まとめ

「対峙」とは、もともと「山などが向かい合ってそびえるさま」を表す言葉ですが、転じて「対立する者同士がにらみあい、動かないこと」という意味も持ち併せます。正しい読み方は「たいじ」で、多くの場合「対峙する」という言い回しを使います。

「対峙」は、どちらかというと「敵に動じない確固たる姿勢」を表す時に使うのが適切です。似た意味を持つ「対立」との違いを理解して、正しく使い分けをしていきましょう。