「寡黙」とはいい意味?使い方や類義語・類語と対義語も解説

口数が少なく物静かな人のことを「寡黙」といいます。冷静で落ち着いた性格というニュアンスを含んだ、いい意味で使うことの多い言葉です。

この記事では「寡黙」の意味と漢字について、また使い方や例文について解説。類語・対義語や英語表現についても紹介します。

「寡黙」の意味とは?

「寡黙」の意味は”口数が少ないようす”

「寡黙」の意味は、“口数が少ないようす”です。読み方は「かもく」です。口数が少ない人をさして「寡黙な人」などと表現します。口数が少ないというだけではなく、誠実で余計なことを言わないなどいい意味を含んで使われることが多い言葉です。

「寡」は少ない・「黙」はだまるという意味の漢字

「寡黙」を構成する漢字である「寡」には”少ない”という意味です。口数が少ないという意味の「寡言」や見聞が浅いという意味の「寡聞」などの熟語にも使われています。

また、「黙」には”言葉を出さない・だまる”という意味があり、だまって考えるという意味の「黙考」や声を出さないで読むという意味の「黙読」などの熟語にも使われる漢字です。

「寡黙」は、”少ない”と”言葉を出さない”の意味を持つ漢字で構成された熟語であり、口数が少ないようすという意味に繋がっています。

「寡黙」の使い方と例文とは?

「寡黙」は物静かな人に対して使う

「寡黙」は、口数が少なく物静かなようすの人を表すのに用いる言葉です。

たとえば、いつも口数が少なく物静かな人のことを「彼は寡黙な人だね」などと使います。本人に直接「君は寡黙だね」と使っても問題のない表現です。

余計な発言はしないなどいい意味で使う

「寡黙」は、どちらかといえばいい意味で使うことが多い言葉。「彼は寡黙な人ですね」と言った場合には、余計な発言をしないで落ち着いた人だというニュアンスが含まれます。

単純に口数が少なく話さないというだけでなく、冷静で落ち着いた人だと表現しています。

「寡黙」を使った例文

「寡黙」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 彼は寡黙な人です。
  • わたしの父は寡黙な人ですが、たまに発する言葉が胸に刺さります。
  • 普段は寡黙な夫ですが、ビールを飲むとよくしゃべります。

「寡黙な人」の特徴とは?

「寡黙な人」は冷静で落ち着いた性格

寡黙な人は、いつも冷静で落ち着いています。声を上げて叫んだり怒ったりということもほとんどありません。相手の話をよく聞いたり、物事に対してよく考えたりしています。そのため、合理的な判断をすることも多く、仕事もできるという印象を持たれるでしょう。

「寡黙な人」は話すのが苦手な場合も

寡黙な人の中には、会話が苦手という人もいます。特に初対面の人との会話が苦手な場合には、とっつきにくい印象を持たれることも。また、引っ込み思案や口下手でどんな返事をしていいのかわからなくて無言で対応しているという人もいます。

「寡黙」の類義語・類語と対義語とは?

「寡黙」の類義語・類語は”無口”

「無言(むごん)」とは、言葉を発しないでだまっているようすをさす言葉。「彼はいつも無言なので困る」と表現した場合、彼はいつもだまっているので困るという意味です。

「寡黙」には余計ないことをいわない落ち着いた人といういい意味が含まれる場合が多いです。対して「無言」には、だまっているだけでなく考えていることがわからないといったネガティブなニュアンスを含む場合があります。前後の文脈によっては誤解が生じるため、「無言」を使用するときには注意が必要です。

例文

彼はいつも声をかけても無言で応じるので困る。

「寡黙」の対義語は”多弁”

「多弁(たべん)」とは、口数が多くよくしゃべること。「多」は”たくさん・おおい”、「弁」は”話し方・言い表すこと”という意味です。

口数が少なく物静かな「寡黙」に対し、たくさんの言葉でよく話すという「多弁」は、対義語と言えます。

例文
  • 昔から多弁でついしゃべりすぎてしまってすみません。
  • 普段多弁な人が物静かにしていると、逆に心配になる。

「饒舌」も「寡黙」の対義語

「饒舌(じょうぜつ)」とは、口数が多くおしゃべりなこと。「饒」には”ゆたか”や”十分にある”という意味が、「舌」には”言葉”という意味があります。ペラペラとよくしゃべるというニュアンスのため、褒め言葉としては使わないほうがよいでしょう。

口数が少なく余計なことを言わないという「寡黙」に対し、よくしゃべるという「饒舌」は対義語にあたります。

例文
  • せっかくの飲み会なので盛り上げようとがんばったけど、饒舌が過ぎたようだ。
  • 彼はお酒が入るとやたら饒舌になる。

「寡黙」の英語表現とは?

「寡黙」は英語で”person of few words”

「寡黙」を英語で表現するには“person of few words”というフレーズが使えます。「few」は”すくない・ほんのわずか”という意味の単語です。「person of few words」は”口数が少ない人”というニュアンスです。

また、「口数が少ない・無口」という意味の”taciturn”を使用した「taciturn person」というフレーズでも、「寡黙」のニュアンスを伝えられます。

「寡黙」の英語例文

「寡黙」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。

  • My father a person of few words.

意味:わたしの父は寡黙な人です。

まとめ

「寡黙(かもく)」とは、口数が少ないようすや口数が少ない人を表す言葉です。物静かだというだけでなく、冷静で落ち着いているといういい意味で使われることの多い表現です。類語の「無口」は言い換え表現としても使えます。しかし、「無口」は何を考えているかわからないといったネガティブなニュアンスを含む場合もあります。そのため、言い換えとして使う場合には前後の文脈に注意が必要です。