「哀愁」の意味とは?「哀愁が漂う」の使い方や類語も解説

「哀愁(あいしゅう)」とは「もの悲しい気持ち」を意味する言葉です。「哀愁が漂う」や「哀愁を帯びた」のように使われますが、どのような感情か今一つ分からない方もいるでしょう。

この記事では「哀愁」の使い方や例文、類語の「ペーソス」や「哀感」を解説します。くわえて「哀愁」の英語表現も解説しましょう。

「哀愁」の意味とは?

「哀愁」の意味は”もの悲しい気持ち”

「哀愁(あいしゅう)」の意味は、“もの悲しい気持ち”です。「もの悲しい(ものがなしい)」は”なんとなく悲しいこと”を意味するため、「哀愁」はハッキリと悲しいわけではないが「どこか寂しさを感じて、なんとなく悲しい様子」を表します。

「哀愁」の使い方と例文とは?

「哀愁」は人以外へも使える

「哀愁」は芸術や場所など、人以外へも使用できます。たとえば、夏場うるさいほどに鳴いていたセミの声が止み、鈴虫の鳴き声が聞こえてきたとき。来年も来るはずの夏の終わりを寂しく感じ、なんとなく心が痛むこともあるでしょう。

上記のような感情を「哀愁」と言い、他にも風景や絵画、人の表情や様子から感じることができます。

「哀愁が漂う」とは”もの悲しさに満ちること”

「哀愁が漂う」とは”もの悲しさに満ちていること”や”もの悲しさが感じられること”を意味する表現です。人に対して「哀愁が漂う背中」のように使う場合、その人の背中からはもの悲しさが感じられることを表します。

「哀愁漂う人」の意味は”もの悲しさを感じる人”

「哀愁漂う人」とは”もの悲しさを感じる人”を意味する表現です。明確な理由があって悲しさや寂しさを醸し出しているわけではなく、理由はわからないがなぜか悲しそうな様子である人に対して使用されます。

「哀愁を帯びた」や「哀愁を感じる」のように使う

「哀愁」は”哀愁を帯びた”や”哀愁を感じる”のように使いましょう。「哀愁を帯びた」は”もの悲しい性質を含んでいること”を、「哀愁を感じる」は”もの悲しさを感じること”をそれぞれ意味します。

たとえば人以外に使用する場合、「哀愁を帯びた曲調」や「この街からは哀愁を感じる」のように使えます。

「哀愁」を使った例文

「哀愁」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 哀愁が漂う外観に惹かれ、暗い路地に構える喫茶店へ入った。
  • どことなく影を感じるような、哀愁漂う人に惹かれてしまう。
  • この曲調は、彼の哀愁を帯びた声と相性が良いのだろう。
  • すりへったヒールから彼女の苦労がうかがえ、哀愁を感じた。
  • どこか哀愁が漂うような、それでいて懐かしさを感じる場所だ。

「哀愁」の類語と例文とは?

類語①「ペーソス」とは”もの悲しい感情のこと”

「哀愁」の類語に当てはまる単語が“ペーソス”です。「ペーソス」とは”哀愁”を意味する英単語「Pathos」を元にした言葉で、”もの悲しい感情”を意味します。「哀愁」との意味に大きな差はなく、主に芸術作品に対して「ペーソスが漂う」や「ペーソスを感じる」のように使われます。

哀愁…もの悲しい気持ち。人や場所、作品など幅広く使用される。

ペーソス…もの悲しい感情。芸術作品に対して多く使用される。

類語②「哀感」とは”もの悲しい感じのこと”

「哀感(あいかん)」も「哀愁」の類語に当てはまります。「哀感」とは”もの悲しい感じ”を意味する単語です。「もの悲しい」という意味が共通している「哀感」と「哀愁」ですが、「哀感」の方は悲しさに哀れみも加わるため、より強いもの悲しさを表せます。

「哀感」と同じ読み方をする言葉に「哀歓」がありますが、「哀歓」は「悲しみと喜び」を意味するため、混同に注意しましょう。

哀愁…もの悲しい気持ち。

哀感…もの悲しい感じ。「哀愁」よりも強いもの悲しさを表す。

「哀愁」の類語を使った例文

「哀愁」の類語を使った例文をご紹介しましょう。

  • ペーソスの裏にあるユーモアが、上手く表現された作品だ。
  • 絶妙なペーソスが効かされており、視聴後はなんとも言えない気分になった。
  • 心の底に押し込められていたような、形容しがたい哀感がある。
  • 1枚の絵にここまで哀感を込められるものかと、驚いている。

「哀愁」の英語表現と例文とは?

「哀愁」は英語で”Melancholy”

「哀愁」の英語表現には“Melancholy”が適しています。「Melancholy」とは”憂鬱・もの悲しさ”を意味する単語です。「Air of melancholy(もの悲しい雰囲気)」や「Felt melancholy(もの悲しく感じた)」のように使いましょう。また、類語で紹介した「Pathos(ペーソス)」でも「哀愁」を表現できます。

「哀愁」の英語表現を使った例文

「哀愁」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。

  • This puts me in a mood of melancholy.

意味:これは私をもの悲しい気分にさせる。

  • I feel pathos from his work.

意味:彼の作品からは哀愁を感じる。

まとめ

「哀愁」とは”もの悲しい気持ち”を意味する言葉です。単なる悲しさではなく、寂しさがありなんとなく悲しい状況で「哀愁が漂う」や「哀愁を帯びた」のように使います。「哀愁」以外の表現を使いたい場合は、類語の「ペーソス」や「哀感」へと言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。