「癒着」の意味と使い方とは?類語や英語表現を例文解説

「癒着」とは、政治の世界や企業・会社などにおいて、思わしくない状態で結びついていることを表す時に使われます。もともと「癒着」とは医療分野で、ある特定の症状を示す言葉です。ここでは「癒着」の意味のほか、使い方の例文、類語や英語フレーズについて解説しています。

「癒着」の意味とは?

「癒着」の意味は”よくない状態で結びつくこと”

「癒着(ゆちゃく)」の意味は、主に政治家や会社などが“よくない状態で強く結びつくこと”です。

組織や派閥などを含め、政治家や企業など権力の有無が影響する世界において、好ましくない形でつながっている状態。つまり「癒着」は、そもそも理想的ではない関係を示す時に使われる言葉となります。

「癒着」とはもともと医療分野における症状の1つ

「癒着」とは、もともと重要な医学用語の一つです。意味は“身体の組織が傷や手術などでくっつくこと”ですが、互いに遊離している身体の部分、たとえば漿膜(しょうまく)や粘膜(ねんまく)が炎症によってくっついてしまうなど、不本意な意味でも使われます。

この「理想的ではないつながりやくっつき」から、”不本意な関係”や”よくないつながり”といった意味で一般的に使われるようになりました。

「癒着」の使い方と例文とは?

「癒着」は批判的な意図をもって使われる

「癒着」という言葉を聞くと、”あってはならないつながり・好ましくない結びつき”というイメージが湧いてきます。これは、人と人、会社と会社などのつながりが「不本意な形」であるからです。

「癒着」を使う時は、その関係性が周囲から見て好意的に映る場合は使われません。むしろ批判的な結びつきや、非難の対象になるような関係の場合に対して使われます。

「癒着」には思惑をはらむものが多い

「癒着」という言葉を使う時は、ほとんどの場合で金銭やその他の思惑が関係している場合が多いと言えるでしょう。「癒着」という関係性を維持することで、通常ではあり得ない力を持ったり、その人の実力だけでは成し得ない成功を手にすることがあるからです。

「癒着」は、思惑や目算をはらむ場合が多いです。そのため、周囲からは「疑惑の目」を注がれることが大概でしょう。

「癒着」を使った例文

「癒着」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 政治家Aと政治家Bの癒着が問題視されている。
  • 正直な話、企業同士の癒着はあってなきにしもあらずである。
  • 組織が成長するには、実際のところ、ある程度の癒着は必要な場合もあるだろう。
  • ねえ聞いた?部長と取引先の社長って、並ならぬ癒着関係にあるらしいわよ。
  • 潔白な政治を続けるためにも、癒着が生じてはならない。
  • 癒着を臭わせる発言がニュースで流れ、国民の非難を集めた。

「癒着」に関する類語とは?

「癒着」の類語1:付着

「付着(ふちゃく)」は”附着”とも表記でき、物や物質などが他にくっつくという意味です。異なる2つのものが互いに触れた時に、それぞれの分子間の力でくっつくことを「付着(附着)」と呼んでいます。「癒着」が持つ”不本意なかたちで結びつく”というニュアンスはありません。

「癒着」の類語2:密着

「密着(みっちゃく)」も”不本意”の意味は含まず、物や人などがしっかりとくっつくことや、状況にピッタリと張りつくことをさします。「趣味に密着した空間」や「芸能人に密着取材」などのように使われることが多いです。

「癒着」の類語3:凝着

「凝着(ぎょうちゃく)」は2つの固体や物質の表面が溶けたり、液化することで融合、しっかりとくっつき固まることを意味します。つまり、散っていたものが1つに集まる「凝集(ぎょうしゅう)」のことです。

「癒着関係」の類語1:抜き差しならない関係

「抜き差しならない関係」とは、お互いの状況や立場から身動きが取れないような状況。「癒着」が持つ”不本意なくっつき”というニュアンスは薄いですが、取り返しができないくらい深い関係にあるという意味で使われます。

「癒着関係」の類語2:不透明な関係

「不透明な関係」とは、二人の関係に何か重要なものごとが隠されている時に使います。表向きには見えないものの、裏で何かが隠れている関係を示す表現です。

「癒着」の英語表現とは?

「癒着」は英語で”adhension”

「癒着」は英語で“adhension”を使います。「adhension」は”くっつく”という意味がありますが、”接着する・粘着する”という意味でも使われます。ちなみに「接着剤」は”adhensive bond”、「接着効果」は”adhension efficiency”といいます。

「癒着関係」は英語で”collusive relationship”

「癒着関係」を英語で表す時は“collusive relationship”というフレーズを使います。「collusive」には”慣れ合い・共謀した”、また”裏で結託した”という意味があり、二者間で裏協定を組むような、不本意な関係を表す時に使われます。

会社や政治家など、2つ以上の組織や人間が、金銭やその他の思惑にからめて、理想的ではない関係を築くことを表す時は「collusive relationship」というフレーズを使いましょう。

  • I know our compnay and A company have a collusive relationship to make huge money.
    我が社とA社は、大きな利益を得るために癒着関係を結んだ。

まとめ

「癒着(ゆちゃく)」とは、そもそも医学用語の一つで「不本意な形で皮膚などの組織がくっついてしまうこと」を意味します。転じて「政治家や会社などが、本来あってはならない形で結びつくこと」を意味する時にも使われます。

「癒着」は、金銭やその他の目算をはらんだ「理想的ではない結びつき」を表す時に使われます。ニュースや新聞などでも企業同士、組織同士の「癒着」が騒がれていますが、その影には、顔をしかめるような好ましくない間柄が成り立っているのかもしれません。