「相克」の意味や使い方とは?五行説との関係や類語・対義語も

「相克」は風水説の占いでよく使用される言葉です。相性の悪い関係を表します。占い以外にも、一般的な文章で用いられることもあります。意味や例文・使い方を確認しましょう。「五行説」との関係や、対義語「相生」についてもご紹介します。

「相克」とは?

「相克」の意味は”互いに争うこと”

「相克」の意味は、“2つのものが、お互いに相手に勝とうとして争うこと”です。対立や矛盾関係を表現します。また、感情の葛藤を比喩的に表すこともあります。

「相剋」と書いても意味・読み方は同じです。

「相克」の読み方は”そうこく”

「相克」の読み方は“そうこく”です。

「五行説」では”元素が別の元素に打ち勝つこと”

万物を5つの元素で考える「五行(ごぎょう)説」では“元素が別の元素に打ち勝つこと”という意味です。元素が強すぎるとバランスが崩れるため、強すぎるものを相克関係でなだめるのが必要だと考えられています。

「五行説」は古代中国で生まれました。木、火、土、金、水の5つの元素で万物が構成されているという考えです。「木は土に勝つ・土は水に勝つ・水は火に勝つ・火は金に勝つ・金は木に勝つ」のが「相克」です。

「相克」の使い方と例文とは?

「相克」は”風水説”で避けるべき要素に使われる

「相克」は”風水(ふうすい)説”において、基本的には避けるべき要素に使われています。争い合う関係のため、運気が乱れやすいと考えられるようです。相性が良く積極的に取り入れるべきと言われるのが、後ほどご紹介する対義語「相生」になります。

「風水説」とは、中国で生まれた自然観です。環境によって運が決まると考えられています。都市・住宅の建設や、占い・開運のおまじないに活用されています。

「相克」は”漢方医学”の基礎理論にも

「相克」は”漢方医学”の基礎理論にも用いられています。身体の働きや症状、味覚などを5つの元素に対応させて、治療や予防に活用しています。

「漢方医学」は、中国を参考にして日本で発展した伝統的な医学です。厳密には漢方薬を使う医学だけに使いますが、指圧やお灸を含む考え方もあります。

「相克」は2つのものの争いを表現する

「相克」は、2つのものが争うことの表現にも使用されます。「相克する」の形で使うこともあります。「2つのもの」は限定されていませんが、感情や主張、概念などに使われることが多いようです。

やや硬い表現のため、小説や論文、ニュース記事などに使われています。日常会話で無理に使う必要はあまりないでしょう。

「相克」を使った例文

「相克」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 占い師に相談し、運気が下がる相克関係を避けたレイアウトで新居を作ろうと思う。
  • 先生に「苦い食べ物はしばらく避けるように」と言われたが、その理由は五行説の相克関係にあるらしい。
  • 期待と不安が相克する中、いよいよ初出勤の日になった。
  • 互いの主張は相克し、平行線のままだ。

「相克」の類語と対義語とは?

「相克」の類語は”競合”

「相克」の類語は“競合(きょうごう)”です。「競い合うこと」を意味します。「相克」とは逆に、人や会社、団体の争いに使われることが多い言葉です。

ビジネスシーンでは「競合」は”競合他社(きょうごうたしゃ)”の略語として使われています。商品やサービスが似ているなどの理由で競い合う企業のことです。ターゲット層が近い場合も「競合他社」になり得ます。例えば「就寝時に喉が乾燥することを気にする人」をターゲットにする場合、「就寝用マスク」と「静音加湿器」を販売する企業が「競合他社」になります。

「相克」の対義語は”協同”

「相克」の対義語は“協同(きょうどう)”です。人や団体が協力して物事を行うことです。

似た言葉に「共同(きょうどう)」があります。人や団体が同じ目的のために物事を行うことです。この2つの違いは「協力が必須かどうか」になります。「共同」は同じことをしていれば、協力するかどうかはどちらでも構いません。そのため、協力が必須の「協同」の方が「相克」の対義語に向いているでしょう。

五行説の「相克」の対義語は”相生”

五行説の「相克」の対義語は“相生(そうせい)”です。「そうじょう」と読む場合は”元素が別の言語を生み出すこと”を意味します。

木は火、火は土、土は金、金は水、水は木を生むという考えです。生み出すだけでなく、強めたり励ましたりする関係でもあるとされています。そのため、風水説ではよい運気を呼び込むためには「相生」が大切だと言われています。

「相生」を”あいおい”と読む場合は別の意味に

「相生」には、同じ表記の言葉があるため注意が必要です。それらの言葉は「相克」の対義語ではありませんので、混同しないようにしましょう。

「あいおい」と読む場合は”複数の木が同じ根から生えていること・複数の植物を一緒に育てること”を意味します。「仲のよい夫婦」「共に長生きの夫婦」を例えることもあります。「そうじょう」と読む場合は”お互いによい影響があり、相性がよいこと”という意味です。

他にも、地名や名字に使われることもあります。

まとめ

「相克」の読み方は”そうこく”です。「お互いに争うこと」を意味します。五行説では「元素が別の元素に打ち勝つこと」という意味で用いられ、漢方医学や風水説の重要な要素です。

特定の話題以外ではあまり使われないため、意味や読み方になじみにくい言葉だと言えます。この機会に正確に覚えておきましょう。