「ファシリテーション」の意味は?スキル向上のコツとお薦め資格

「ファシリテーション」という言葉を知っていますか?組織や企業でマネジメントに携わる人なら馴染みのある言葉ですが、職業のエリアによってはあまり見聞きしないこともあると思います。

ここでは「ファシリテーション」の意味を中心に、類語や反対語、ファシリテーションスキルの向上に着目し、有利な資格や英語圏での言葉の使われ方などをまとめています。

「ファシリテーション」の意味とは?

さっそく「ファシリテーション」の意味から説明しましょう。

意味は「ものごとを容易にすること」

「ファシリテーション」の意味は、「ものごとや状況」「仕事や役割を容易にすること」です。広い範囲で意味を成す言葉の一つですが、大きな枠で説明すると「やりやすくする」「円滑に行うようにする」などの意味となります。もっと広い意味で捉えれば「ものごとを促す」と解釈してもよいでしょう。

ビジネスでは「会議の効果的な進行」という意味

ビジネスにおける「ファシリテーション」は「会議を効果的に進行させる」「会議での意見をまとめる」「しっかりとした段取りをする」などの意味で使われます。

「ファシリテーション」は同じカタカナ語でもある「コーディネーション」に近い意味を持ち、基本的には「人々が働きやすいように支援活動をする行為そのもの」を指しています。そして、これらの行為を遂行する人を「ファシリテーター」と呼んでいます。

経営と「ファシリテーション」

ファシリテーションは経営やマネジメントと密接な関係があります。

マネジメント用語の一つ

「ファシリテーション」はマネジメント用語としても知られています。組織や会社の中でのグループ活動において、スムーズな進行を促し、それに見合った成果を生むことはとても大切なことです。

しかし、多様な社会生活の中では、アイデンティティの促進やモチベーションの向上、さらには異なる能力や価値観の受け入れなど、さまざまな課題と向き合わなければなりません。

「ファシリテーション」は今や、経営においても必須なツールと言えるでしょう。ダイバーシティが浸透する日本社会では、重要なマネジメント戦略の一つとして認識され始めています。

ファシリテーターの役割

ファシリテーターの役割は会議での話の流れを整えたり、参加者の発言を平等に促すことで、合意形成や相互理解を促進させることにあります。会議では問題の解決や情報を共有しながら、設定されたゴールに向かって人々の意見を抽出していくのです。

また、議題に対する答えを絞りだし、結論に導いていくのもファシリテーターの役割でしょう。さまざまな意見が飛び交う会議で「ファシリテーター」は重要なポジションであり、バラバラな意見を一つの結果として結論付ける重要な仕事を任されています。

ファシリテーションスキルの向上

続いてファシリテーションスキルの向上について着目していきましょう。

研修やセミナーで「コツ」を修得

ファシリテーションスキルの向上を目指すなら、研修やセミナーに参加するのが最も良いでしょう。経験豊富な講師や現役のファシリテーターによる講義は、何よりも身のためになるはずです。

ファシリテーション力を身に着けるには「ロジカルシンキング」「リピーティング」「サマリング」などのスキルが必要と言われています。ファシリテーション手法、ファシリテーション技法と呼ばれる会議進行におけるテクニックは、やはり研修やセミナーなどでの専門的な勉強が必要となります。

ファシリテーション向上におすすめの資格

ファシリテーターに役立つ有利な資格を2つ紹介しましょう。

人材の育成に役立つ「キャリアトランプファシリテーター認定資格」は、人材支援の基礎知識を学びながら、社員のモチベーション向上や肯定的な未来を創造するためのコツや方法が修得できます。取得までの期間は2日です。

公式サイト:http://www.lifestylewoman.co.jp/shikaku

また「視覚会議ファシリテーター資格認定制度」では、短時間で自由にかつ、実現性の高い問題解決を目指す「会議術」を提供しています。会議の参加者の意見や知恵を「見える化」しながら、全員が納得できるような会議進行を作り上げることを目的とする資格です。こちらも取得までの期間は2日となっています。

公式サイト:https://shikaku-kaigi.jp/

上記情報はいずれも2018年7月時点のものです。最新の情報は各サイトでご確認ください。

「ファシリテーション」類語と反対語とは?

続いて「ファシリテーション」という言葉そのものに着目し、類語と反対語を挙げてみましょう。

類語「手助け」「奨励」

「ファシリテーション」の類語は「手助け」「奨励」「推進」「勧奨」「プロモート」などです。ビジネス上での「ファシリテーション」は多様な人々の主体性を促し、それぞれの意見やアイデアをできるだけ活かすという意図があります。

  • 会議での円滑な進行を手助けする。
  • 個々の意見を偏見なく受け入れる体制を推進している。

反対語「オブストラクト」「妨害」

一方、「ファシリテーション」の反対語には「妨害」「邪魔」「遮断」などがあります。カタカナ語では「邪魔をする」という意味の「オブストラクト(obstruct)」「オブストラクション(obstruction)」も反対語として当てはまるでしょう。

  • 幅広い年代層を抱える企業では、ジェネレーションギャップによる業務妨害が絶えない。
  • 営業活動における全てのオブストラクションを排除すれば、ストレスも減るだろう。

英語圏での「ファシリテーション」

最後に「ファシリテーション」が英語圏でどのように使われているかを解説します。国際企業に勤務していたり、海外企業と取引がある人は参考にしてみて下さい。

英語は「facilitation」

「ファシリテーション」は英語の「facilitation」のことで、動詞「facilitate」の名詞形となります。「facilitate」の意味は「ものごとを楽にする」「状況を促進する」です。

英語圏でも「会議を効果的に進行する」「ミーティングの段取りを上手にする」という意味で使われていますが、日本のように組織や企業での役割にフォーカスする以外にも、実用的な場面で幅広く使われています。

英語圏でのファシリテーション例

たとえば、忙しいレストランでシェフを増員せず、キッチンでのやりくりをする上手にする「facilitation」なら、マルチ機能を誇るカッター、性能の良い鍋、ディッシュウォっシャーの導入などが挙げられます。

工事現場での「facilitation」なら「休憩時間を細かく入れる」「ランチのデリバリー」「作業中のポケットベルの無料貸し出し」などが考えられます。

どちらの例も、業務を「やりやすく」「ラク」にしているのが見えてきます。実践的にかつシンプルに取り入れることができるのも「facilitation」の強みです。

まとめ

カタカナ語のファシリテーションは「会議の進行をスムーズに行う」という意味で使われ、本来の意味「ものごとを容易にする」から派生したマネジメント用語の一つでもあります。

また、社会全体が多様化する中で、ファシリテーションを実行する「ファシリテーター」への期待も高まりつつあるように思われます。ファシリテーターを目指すなら、研修やセミナーに参加したり、ファシリテーターとして有利な資格を取得するのがおすすめです。