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「備えあれば憂いなし」の意味と使い方!類語や対義語も紹介

「備えあれば憂いなし」はよく使われることわざですが、備えが大切なことを強調する時の慣用句としても、広く定着しています。

「備えあれば憂いなし」をいまいちど漢文から確認し、例文や同じ意味のことわざ、さらに英語での言い方もあわせて紹介します。実用的なことわざの語彙を増やしてみてください。

「備えあれば憂いなし」とは?

まずはじめに、「備えあれば憂いなし」のことわざについて、意味や語源を説明します。

意味は「準備を万全にしておけば、何事も心配することはない」

「備えあれば憂いなし」の意味は、「普段から準備を万全にしておけば、何事も心配することはない」です。

「備えあれば憂いなし」の語源は「初経」という中国の古典

語源は最古の歴史書とされる「書経」という中国の古典に書かれている言葉です。「書経」は君主などの訓告が主に書かれた書で、「備えあれば憂いなし」の言葉は時の宰相の言葉とされています。

「備えあれば憂いなし」の原文(漢文/中国語)は「有備無患」

「備えあれば憂いなし」の原文は「有備無患」で、宰相が王に進言する会話の場面にでてくる言葉です。

「すべての事を確実に行っていれば、そこで備えができてきます。備えができれば、心配事が無くなります」という話しの最後をしめくくる言葉として「有備無患」が出てきます。もともとは国の治め方についての進言の言葉だったのです。

また、原文では「憂」ではなく「患」の字になっていますが、「患」は「憂える」という意味があるため、両者は同じ意味です。

「備えあれば憂いなし」の使い方と例文

「備えあれば憂いなし」の使い方と例文を紹介します。

災害や事故に備える教訓として使われる

言葉が生まれてから二千年の時を経て、現代の日本では、生活習慣についての教訓として用いたり、災害や事故に備える教訓として使われたりしています。防災のホームページや、保険や保証サービスのキャッチコピーなどに使われることもあります。

「備えあれば憂いなし」を使った具体例

日頃の生活習慣と、災害備蓄の教訓としての例文を紹介します。

  • 備えあれば憂いなしだから、日ごろからスキルアップのために勉強しよう。
  • 備えあれば憂いなしというから、日々の積み重ねを大切にしたいものだ。
  • 備えあれば患いなし。旅行保険は必ず入るようにしている。
  • 積極的に運動をして、備えあれば憂いなしとしたい。
  • 災害の前に、あらかじめ1週間分の食料を備蓄しましょう。備えあれば憂いなし。
  • 備えあれば憂いなし。避難経路を確認しておきましょう。

「備えあれば憂いなし」の類語

「備えあれば憂いなし」の類語を紹介します。

類語①「転ばぬ先の杖」の意味

転ぶ前に杖を用意しておかないと何の意味もなさないということから、あらかじめ準備をしておくことが大切だという格言です。

類語②「念には念を入れよ」の意味

「念を入れる」という、間違いがないように気を配るという意味を繰り返すことで「くれぐれも注意せよ」という意味の格言です。

類語③「石橋を叩いて渡る」の意味

強固な石橋であっても、安全かどうか叩いてから渡るということから、慎重すぎるほど慎重に用心することをいいます。臆病な人に対しての皮肉としても使われます。

また、慎重にしすぎて失敗することを「石橋を叩いて壊す」と言ったりします。

類語④「浅い川も深く渡れ」の意味

浅い川であっても、深い川を渡るように注意して渡れという意味から、物事を行う時は、些細なことでも注意を怠らず、油断しないようにという意味の格言です。

「備えあれば憂いなし」の対義語

「備えあれば憂いなし」の対義語を紹介します。

対義語①「後悔先に立たず」の意味

済んでしまったことをあとで後悔しても取返しがつかないことから、事前に十分注意することだという意味の格言です。

対義語②「覆水盆に返らず」の意味

「覆水盆に返らず」は、「一度起こったことは二度と元に戻らない」という意味の格言です。離婚した夫婦は元に戻らないという、中国の古い逸話がもととなった言葉で、その意味が転じたものです。

「備えあれば憂いなし」を英語で言うと?

「備えあれば憂いなし」の英語表現を紹介します。

同じ意味の英語のことわざは「Providing is preventing.」

「備えあれば憂いなし」と同じ意味の英語のことわざです。

英語ではWell prepared means no worries (in time of need).

「備えあれば憂いなし」の意味を英語でそのまま表現すると「Well prepared means no worries」となります。「in time of need」は「いざというときは」という意味です。

まとめ

「備えあれば憂いなし」は生活習慣や災害への準備など、身近な問題に対して、具体的な対策を促す時に便利に使われていることわざです。

また、同じように事前の対策への警笛を鳴らすことわざも、日本にたくさんありました。火事や自然災害が多い日本ならではの、生きる知恵であるともいえるでしょう。

「備えあれば憂いなし」が教える「普段から準備をしておけば心配がない」という視点を、常に忘れないようにしたいものです。