「意図」の意味や使い方とは?「理由」との違いや類語・英語表現も

「意図」とは、物事を行おうと考えること、また物事を行うにあたっての思惑やねらいのことです。「意図する」や「意図的」などの言い回しがあります。

この記事では「意図」の意味や使い方を例文とともに解説。類語「理由」や「目的」との違い、対義語や英語表現についても紹介します。

「意図」の意味や読み方とは?

「意図」の意味は”物事に対する思惑やねらい”

「意図」の意味は“物事を行うにあたっての考えやねらいのこと”です。「会議開催にあたって意図したこと」などと使い、会議開催に対しての思惑やねらいをさしています。

他にも“物事を行おうと考えること”という意味もあります。物事や行為を行おうと思うことで「会議開催を意図する」などと表現した場合、会議開催を行おうと考えるという意味です。

「意」には”心に思うこと・考え”という意味があり、「図」は”形や図面”などのほかに「計画」や「はかりごと」という意味を持ちます。物事を行おうと考えること、また思惑やねらいが「意図」です。

「意図」の読み方は”いと”

「意図」の読み方は“いと”です。

「意図」の使い方と例文とは?

「意図する」とは目的を持って行うこと

「意図する」とは、目的を持って物事をしようとすることです。また、その目的事態をさします。

たとえば、ミスをした部下にあえて指摘をしないで自分で気がつくように仕向けるときに「自分で気づいてもらうことを意図するため、あえて指摘していない」などと表現します。目的や思惑があるというニュアンスが伝わる言い回しです

「意図せず」とは目的はないということ

「意図せず」とは、その行為に目的はないということ。また、目的やねらいがないのに行われたというニュアンスです。

たとえば、車が故障したために歩いて通勤したら意図せずダイエットできたという場合、「歩いて通勤したら意図せずダイエットにつながった」などと使います。そうしようと思っていたわけではな

行動や行為が、別の結果につながったことを表現する言い回しです。

「意図的」とはわざと行うこと

「意図的」とは、目的や思惑のためにわざと物事や行為を行うという意味で使う言い回しです。
たとえば、対戦ゲームにわざと負けたときに「彼は早く終わらせようと思って意図的にゲームに負けた」と表現します。早く終わらせる目的でわざと負けたというニュアンスです。

また「在庫量を意図的に操作する」など、わざと調整しているといったニュアンスでも使える表現です。

目的や考えのためにわざと行うという意味のため、ネガティブなイメージに取られそうですが、「意図的」という言い回しは、ネガティブな表現にもポジティブな表現にもどちらにも使えます。

「意図」を使った例文

「意図」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 彼女は私の意図を理解してくれた。
  • 車が故障したので歩いて通勤していたら意図せずダイエットに成功した。
  • あのシーンは意図的に演出したのでしょうか。

「意図」と「理由」の違いとは?

「理由」には考えやねらいのニュアンスはない

「理由(りゆう)」は、物事がそうなったわけや根拠やみちすじのこと。「理」には”物事のみちすじ”や”道理”といった意味があり、「由」には”よりどころ”や”物事のいわれ”などの意味があります。物事のみちすじやいわれなど、そうなった根拠が「理由」です。

「意図」は物事や行為の目的ですが、「理由」には考えやねらいというような考えたというニュアンスはありません。この部分が違いではありますが、「意図」と似た意味の言葉とは言えます。

「意図」の類語や対義語とは?

「意図」の類語は”目的”

「目的(もくてき)」とは、物事や行為のめざすところのこと。物事を行うときのねらいや結果としてたどり着きたい事柄やゴールなどの部分をさしています。

たとえば、「5キロのダイエットに成功する」ために運動をしたり食事制限をしたりする場合、これらの行為の目的は「5キロ体重を減らす」ことです。そのためにさまざまな行為を行っています。

「意図」は物事や行為を行おうと思うことやねらいですが、「目的」は最終的なゴールの部分。ニュアンスは違いますが似た意味と言えるでしょう。

「目標」も「意図」の類語

「目標(もくひょう)」とは、物事をなしとげるための指標。たどり着きたいところへ行くために目印となるもののことです。

「5キロ体重を減らす」ことが目的ならば、その目的に到達するために行う「運動を行う」や「食事制限を行う」などひとつずつの指標が目標です。この場合の「意図」は「5キロのダイエットに成功する」ために物事を行おうと考えることをさします。

「意図」の対義語は”恣意”

「恣意(しい)」とは、思いつきや思ったままのことという意味。「恣」には”望みのまま”や”自由勝手な行為”といった意味があります。主観的に思ったままのふるまいを「恣意的」と表現し、論理的な考えてはなく自由勝手な判断や考えで行う状態をさしています。

物事を行うための思惑やねらいとさす「意図」とは、反対の意味の言葉を言えるでしょう。

「意図」の英語表現とは?

「意図」は英語で”Intent”

「意図」を英語で表現する場合には“Intent”を使います。また「Intention」は”意図した”という意味で「intentionally」は”意図的に”といったニュアンスです。

また「目的」というニュアンスの「Aim」も同じく「意図」の英語表現として使えます。

「意図」を使った英語例文

「意図」の英語表現を使った例文をご紹介しましょう。

  • Is it your intent? (それはあなたの意図ですか?)
  • ‎That is my intention. (それがわたしの意図です)

まとめ

「意図」には2つの意味があります。ひとつは物事や行為を行おうと思うこと。もうひとつは物事を行うにあたっての考えやねらいのことです。

類語としてあげた「目的」や「目標」「理由」は「意図」と似た意味ですが、それぞれニュアンスが違うため、正しい意味合いを知ることで使い分けをしていきましょう。