「均衡」とは、複数の物事の力や重さなどがつり合っている状態を表す言葉。接戦しているスポーツゲームや経済状況についても使われる表現です。読み方は「きんこう」で類語には「拮抗」や「均等」などがあります。
この記事では「均衡」の意味や使い方について解説します。類語・対義語や英語表現についても紹介します。
「均衡」の意味や読み方とは?
「均衡」の意味は「複数の物事がつり合っていること」
「均衡」はどちらも音読みで「きんこう」と読みます。意味は、複数の物事がつり合っていることで、力や重さなどのバランスが合っていることをさした言葉です。
「均」には「たいらにする」や「ひとしい」という意味があり、「衡」には「つりあう」や「平均」という意味があります。2つ以上の物事の間にある力や重さなどがひとしくつり合っている状態を「均衡している」などと表現します。
「均衡」を使った例文
- 収支の均衡を保つよう努力する。
- 経済的な均衡が保たれていることが大切です。
- 今日のサッカーの試合で残り5分まで続いた均衡を破ったのは、彼が放ったシュートだった。
「均衡」の使い方とは
「均衡を保つ」や「均衡を維持する」などの言い回し
「均衡」という言葉は「均衡を保つ」や「均衡を維持する」などの言い回しで使います。2つ以上の物事がひとしくつり合っている状態に対して「均衡を保つ」などと表現します。また、「均衡を維持する」と表現することで、ひとしくつり合った状態を保つよう努力したり力を注いだりするというニュアンスを伝えることができます。どちらも、2つ以上の物事がつり合っている状態を表す言い回しです。
「均衡が崩れる」「均衡を破る」といった言い回しも
つり合っている状態が崩れた場合には「均衡が崩れる」や「均衡を破る」といった言い回しを使います。
野球やサッカーなど点数を競う試合で、お互いに点が取れずひっ迫した展開の中で最後に点を取ったシーンを「均衡を破るゴール」や「最終回でとうとう均衡が崩れた」などと表現します。
「均衡」の類語とその意味
均衡の類語1「拮抗」
「拮抗(きっこう)」とは、互いにほぼ同等の力を持ったものが張り合っていること。「拮」には「引き締める」とや「張り合う」という意味があり、「抗」には「さからう」や「張り合う」という意味があります。対立している複数の人や物が、張り合っている場合に「拮抗している」と表現することで、どちらかの力が弱れば崩れるような緊迫した状態であることが伝わります。
「均衡」のつり合っているという意味と似た言葉と言えます。しかし、「拮抗」は張り合っていることでつり合いが保たれており、緊張状態にあるというニュアンスを含みます。
均衡の類語2「均等」
「均等(きんとう)」とは、複数の物事の間に差がなく等しいこと、またその状態をさす言葉です。「均」も「等」も「ひとしい」という意味を持つ漢字。同じ意味の言葉を重ねることで意味を強めています。
よく似た言葉ですが、つり合っているという「均衡」に対し、等しい平等であるというニュアンスなのが「均等」です。
均衡の類語3「バランス」
「バランス」とは、つり合いや調和がとれていることを表す言葉。語源は英語の「balance」で、「バランスがとれている」「バランスが悪い」などの言い回しで使います。
「balance」は日本語で「均衡」と訳すこともあり、ほぼ同じ意味の言葉です。カジュアルな場面や日常会話で「均衡」の言い換えとしても適しているでしょう。
「近衛」の対義語(反対語)と英語表現
「均衡」の対義語は「不均衡」
「不均衡(ふきんこう)」とは、複数の物事の力や重さなどのつり合いが取れていないこと。またつり合いが取れていない状態をさします。「均衡」に打消しの「不」がついた言葉のため、そのまま「均衡」の反対の意味として使えます。
また「アンバランス」も類語の「バランス」に否定の「アン」がついた言葉であり、つり合いや調和がとれていないという意味。「バランス」の対義語でもあり「均衡」の対義語とも言えます。
「均衡」は英語で「equilibrium」や「balance」
「均衡」の英語表現は「equilibrium」が適しています。
「equilibrium」は日本語では「均衡」の他に「平衡」とも訳され、「つり合っている」というニュアンスを伝えてくれる単語です。
また類語の「バランス」の語源ともなっている「balance」も、「均衡」の英語表現として適しています。
「均衡」を使った英語例文
- maintain the equilibrium (均衡を保つ)
- keep the balance (均衡を保つ)
まとめ
「均衡」の読み方は「きんこう」で、意味は複数の物事の間で力や重さなどのつり合いがとれていること。またつり合いがとれている状態をさす言葉。「均衡を保つ」や「均衡が崩れる」「均衡を破る」といった言い回しがあります。
類語には「拮抗」や「均等」などがありますが、ニュアンスが違う部分もあるためそれぞれの正しい意味を把握して使い分けましょう。