「犬も歩けば棒に当たる」の意味と使い方とは?由来と類義語も解説

動物の名前が入ったことわざや故事成語には色々なものがありますが、「犬も歩けば棒に当たる」もその一つ。子どもにも良く知られていることわざでもあります。

ここでは「犬も歩けば棒に当たる」の意味と由来、使い方と例文、類語と外国表現についてまとめています。ぜひこの機会に、使い慣れたことわざを振り返ってみませんか?

「犬も歩けば棒に当たる」意味と由来

「犬も歩けば棒に当たる」には2つの意味がある

「犬も歩けば棒に当たる」には2つの意味があります。

「犬も歩けば棒に当たる」の2つの意味
  1. あまり出しゃばった行動をすると、思わぬ災難に会う
  2. 何か行動を起こせば、思ってもいないような幸運に巡り合える

もともとは一つ目の意味で「でしゃばることへの戒め」として使われていましたが、現在は「行動を起こすことのメリット」として使われていることわざです。

「棒に当たる」の解釈で意味が変わる

「犬も歩けば棒に当たる」の「棒に当たる」は棒で殴られるという意味があり、ことわざ全体で捉えると「犬も歩いていれば、人に棒で殴られることがある」となります。

犬が歩いている時に、どれだけのチャンスで人に殴られことがあるのでしょうか?これこそ「思ってもみない災難」です。

また、「当たる=幸運」という捉え方をして意味を変化させたのが「何かをしていれば、幸運に巡り合える」という2つ目の解釈です。つまり「幸運に巡り合うためにも、行動を起こそう」というプラスの意味に転換しているのです。

「犬も歩けば棒に当たる」の由来は「江戸いろはかるた」

「犬も歩けば棒に当たる」の由来は「江戸いろはかるた」です。「いろはにほへと…」となるため、江戸いろはかるたの第一句となります。

ちなみに、第二句は「論より証拠」、第三句は「花より団子」、第四句は「憎まれっ子世にはばかる」、第五句は「骨折り損のくたびれ儲け」と続きます。

「犬も歩けば棒に当たる」使い方と例文

「猿も木から落ちる」とは意味が異なる

「犬も歩けば棒に当たる」の他、動物が出てくることわざとして「河童の川流れ」や「猿も木から落ちる」が挙げられます。いずれも動物が災難にあっているイメージがつきやすいことわざのため、同じ意味だと思われやすいことわざです。

しかし、「河童の川流れ」と「猿も木から落ちる」は、いずれも「得意なものでも失敗することがある」という意味であり、「犬も歩けば棒に当たる」とは意味が異なるため、注意しましょう。

「犬も歩けば棒に当たる」をポジティブな意味で使う場合の例文

  • 「犬も歩けば棒に当たる」を信じて、婚活パーティに参加してみない?
  • 無理だと思い過ごす前に「犬も歩けば棒に当たる」で飛び込み営業してみるよ。
  • 「犬も歩けば棒に当たる」というように、やっと就職先が見つかった。

「犬も歩けば棒に当たる」の類語・類義語とは?

「犬も歩けば棒に当たる」の類語は「歩く足には泥がつく」

「犬も歩けば棒に当たる」の類義語は「歩く足には泥がつく」「歩く足には棒あたる」「犬も歩けば棒に合う」などがあります。どれも「行動を起こせば、思いも寄らない幸運がある」という意味で使われる言葉です。

「犬も歩けば棒に当たる」の類語を使った例文

  • 積極的に行動していこう。「歩く足には泥がつく」というでしょう。
  • 「歩く足には棒あたる」というが、休みに外に出るのも案外気持ちがいいものだ。
  • とにかく名刺をできるだけ多く配ることだ。「犬も歩けば棒に合う」の精神で頑張ろう。

「犬も歩けば棒に当たる」の英語と中国語での表現

英語で「犬も歩けば棒に当たる」は少しニュアンスを変えて

「犬も歩けば棒に当たる」には2つの意味がありますが、「何かをしている時に、思わぬ幸運が起きること」の意味で英語表現するなら「Nothing ventured, nothing gained=冒険しなければ、何も起こらない」が適語になります。

また、「Nothing will ever change if you do nothing=何もしなければ、何も変わらない」でも良いでしょう。好みのフレーズを使いこなして、国際的なシーンで上手に使ってみて下さい。

中国語で「犬も歩けば棒に当たる」は「多嘴惹祸」

中国語の「犬も歩けば棒にあたる」はいくつかの表現がありますが、覚えやすいフレーズなら「多嘴惹祸=Duōzuǐ rěhuò」でしょう。

まとめ

「犬も歩けば棒に当たる」は、江戸いろはかるたに由来のある「出しゃばり過ぎると、思わぬ災難が降りかかる」という戒めの意味で使われていたことわざですが、現在は「何かをしていれば、思わぬ幸運が訪れる」という反対の意味で使われるケースが多くなっていることわざです。

また、「犬も歩けば棒に当たる」は職場なら積極的な行動が必須である「営業」や、時として奇抜なアイデアを必要とする「販売促進」などで意味を成す言葉として使えるかもしれません。何事も「行動あるのみ」。煮詰まったときには犬も歩けば棒に当たると思って、行動してみましょう。