「実施」の意味や使い方は?類語「実行」との違いを例文付きで紹介

「実施」とは、予定や計画をしていたことを実際に行うという意味の言葉です。読み方は「じっし」で、類語には「実行」や「施行」などがあります。

ここでは「実施」の意味や使い方について、また類語・言い換え表現について例文とともに解説します。英語での表現についても紹介しましょう。

「実施」の意味や読み方とは?

「実施」の意味は”計画したことを実際に行うこと”

「実施」の意味は、“計画したことなどを実際に行うこと”です。「実」には”本当”という意味があり、「施」には”ほどこす・おこなう”という意味があります。

事前に立てた計画によって、実際に物事を行うことが「実施」です。主にイベントなどの行事や法律に関する計画などを実際に行うときに使います。

「実施」の読み方は”じっし”

「実施」の読み方はどちらも音読みで“じっし”です。たまに「じっち」と読む人がいますが、これは間違いです。

正しくは「じっし」ですので覚えておきましょう。

「実施」の使い方と例文とは?

予定や計画を実際に行うことを表現する

「実施」という言葉は、事前に予定されていたり計画を立てていたりすることを実際に行うときに使う表現です。

たとえば事前に予定されていた相談会を実際に行う場合に「相談会は予定通り実施します」と表現します。事前の計画通り実際に行いますというニュアンスです。

「実施」を使った例文

「実施」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 本日のセミナーは予定通り実施します。
  • サッカーの試合は、雨が降っても実施します。
  • 未成年保護のためのさまざまな法律が実施されている。

「実施」と「実行」の違いとは?

「実行」とは実際に物事を行うこと

「実行」とは読んで字のごとく実際に行うという意味で、考えたことや計画を行うことを表現します。

事前に予定や計画をしていたことを行う場合にも「実行する」と使えますが、単に”実際に行う”という意味のため、考えたり思ったりしたことをすぐに行う場合も「実行する」という表現が使えます。

例文
  • 彼女は考えたことをすぐに実行する人だ。
  • 計画通りに実行する。

「実施」と「実行」は使える範囲が違う

「実施」と「実行」の大きな違いは、その言葉の使える範囲です。

事前に計画や予定をいていたことを実際に行うことに対しては「実施」と「実行」のどちらも使えます。しかし、考えたことや思いつきを実際に行うことは「実行」です。また「実行」には必ず行うというニュアンスもあります。

計画していたことを行う場合には「実施」の言い換えとして「実行」使える場合もありますが、少しニュアンスが違うため、シーンによって使い分けが必要です。

「実施」の類語や言い換え表現とは?

類語①「施行」とは実際に行うこと

「施行(しこう)」とは、実際に行うことです。主に法令や法律などの効力を実際に発生させるときに「施行する」と表現します。

「実施」も法律などを実際に行うことに対して「実施する」と使いますが、それ以外の予定や計画に対しても使います。「実施」より「施行」のほうが、使える範囲が狭いところが大きな違いでしょう。

例文

法令が施行される。

類語②「履行」とは約束などを実際に行うこと

「履行(りこう)」とは、決めたことや約束したことを実際に行うことをさします。また、法律用語としては、債務者が給付を行うことをさす言葉でもあります。

「約束したことを履行した」などと使える表現ですが、一般的には「債務を履行した」など法律用語として使う方が多いでしょう。

「実施」の反対語・対義語とは?

「実施」の反対語は”中止”

「中止(ちゅうし)」とは、計画や進めていた物事を途中でやめることです。

たとえば「台風の影響で試合が中止になった」などと使います。予定されていた試合が台風のために取りやめになったという意味です。

計画や予定を実際に行うという「実施」に対して、途中でやめるという「中止」は、反対の意味の言葉といえるでしょう。

「計画」も「実施」の対義語にあたる

「計画(けいかく)」とは、物事をおこなうための筋道や手順などを考え組み立てることです。

考え組み立てた道筋が「計画」であり、「計画」を実際に行うのが「実施」。対義語であり、対の関係とも言える言葉です。

「実施」の英語表現とは?

「実施」は英語で”carry out”

「実施」の英語表現には“carry out”が使われます。計画や予定通りに実行するというニュアンスのフレーズです。

また「つかむ」といった意味を持つ「hold」も”実施する”という意味で使える単語です。その他にも「conduct」や「perform」など、状況によってさまざま表現が使えます。「conduct」は管理や運営といった意味合いも含み、先頭に立って実行するという意味合いで、「perform」は仕事や任務を行うというニュアンスです。

まとめ

「実施」の読み方は「じっし」で、意味は計画や予定していたことを実際に行うこと。イベントなどの催し物や法律に関する計画などに対して使う言葉です。「入社試験を実施する」「イベントを実施する」などといった言い回しがあります。

類語の「実行」や「施行」も実際に行うことをさす言葉ですが、それぞれニュアンスが違うため、意味を把握して使い分けていきましょう。