会話中に相手の発言に対し「ナンセンスだ」と言ったことはありませんか?「ナンセンス」は日常生活に浸透しているカタカナ語の一つですが、本来の言葉の意味を理解している人は少ないかもしれません。
ここでは「ナンセンス」について言葉の意味と使い方、また類語や対義語について例文と併せて紹介しています。「センスがない」との違いについても解説していきましょう。
「ナンセンス」とは?
早速ですが「ナンセンス」の意味と使い方について解説します。
「ナンセンス」の意味は「くだらない」「意味のない」
「ナンセンス」の意味は、「くだらない」「ばかばかしい」「意味のない」「意味がわからない」です。相手の行ったことに対してだけではなく、様子や出来事、考えや行動などに対し「おかしいよ」という気持ちで放たれる言葉です。まず、「ナンセンス」を使う時は「否定的な感情」がベースにあります。
たとえば、会話のシーンなら、半ば会話をやめてほしいというニュアンスを持って使う時もあるでしょう。もしくは、聞き手が「たわいない」と笑い飛ばして会話を終わらせることもしばしばあります。
「ナンセンス」と「ノンセンス」とは同じ意味
「ナンセンス」に似た言葉に「ノンセンス」がありますが、この二つの意味は同じです。言葉に明確な意味の違いは定義されていませんが、おそらく英語のスペルが「nonsense」であるため「ノンセンス」と発音したことから成り立ったカタカナ語だと考えられます。
「ナンセンス」の類語や対義語とは?
続いて「ナンセンス」の類語と対義語についてみていきましょう。
「ナンセンス」の類語は「チンプンカンプン」「たわけ」
「ナンセンス」の類語は「チンプンカンプン」「たわけ」「でたらめ」「うわごと」「寝言」「人笑わせ」「虚言」「空言」などになります。以下に例文を挙げてみます。
- 何をチンプンカンプン」なことを言っているんだ?
- いい加減、でたらめはよしてくれ。
- 寝言は聞き飽きた。
- 人笑わせもほどほどに頼むよ。
「ナンセンス」と「センスがない」とは意味に違いアリ
もう一つ、似たような言葉に「センスがない」があります。「センスがない」の場合は「センス=感覚、五感」がないという解釈となるため、ある分野や領域においてセンスが欠如しているという意味で捉えるのがベストです。したがって、「ナンセンス」と「センスがない」はそれぞれ違う意味となります。
また「センスがない」を「才能がない」という意味で捉え早合点してしまうことがありますが、センスは人がもつ感覚的なものであり、才能とは生まれ持った能力や素質を指す言葉です。センスは磨けば光り、才能は訓練することで伸びるものと理解しておくと良いでしょう。
「ナンセンス」の対義語は「思慮」「良識」
一方、ナンセンスの対義語にあたるのは「センス」の意味でもある「思慮」「良識」「分別」「判断力」「道理」などです。どれも「意味を成さないくだらないこと」の正反対の意味をもっています。
- 思慮のあるものの見方をする。
- 良識のある行動を起こす。
- 分別をもって対応にあたる。
- 道理にかなったことをする。
ナンセンス文学とは?
固定観念を打破しようとする傾向の文学のこと
文学界にはさまざまなジャンルがありますが、意味のあるものと意味のないものを上手に組み合わせ、ルールや常識、固定観念を打破しようとする傾向の文学のことを「ナンセンス文学」と呼んでいます。
ユーモアがありながらほとんど意味を成さない内容で構成されているにも関わらず、なぜか内容に引き込まれてしまうのが「ナンセンス文学」の特徴です。むしろ、意味を成さないからこそ、想像性が豊かになり、自分なりの解釈で物語を読み進めていく楽しさが生まれてくるのでしょう。
また「ナンセンス文学」の効果は意味の欠如からではなく、むしろ「意味が過剰に詰め込まれている」ことによってもたらされていると言われています。ちなみに「ナンセンス文学」はイギリスに多く、世界の名作「不思議の国のアリス」もその一つです。
「ナンセンス」を使った英語表現とは?
最後に「ナンセンス」と使った英語表現を5つ挙げてみましょう。
「ナンセンス」は英語で「nonsense」
「ナンセンス」は英語の「nonsense」のことで、「non」という否定の言葉に、「sense=感覚、五感」が後についた言葉です。
日常で使える「ナンセンス」の英語例文
- What you are saying is absolute nonsense.
君が言っていることは全くばかげている。 - This idea makes nonsense.
この考えは意味をなさない。 - What is your nonsense of everyday life?
常生活でつまらないことって何? - I am a big fan of nonsense literature.
私はナンセンス文学の大ファンです。 - I hope this is just a mere nonsense.
単なるくだらないジョークならいいんだけれど。
まとめ
「ナンセンス」は「くだらない」「ばかばかしい」「意味のない」という意味を持つカタカナ語で、口語で「ナンセンスだ」と言う時は「いいかげんにしてくれ」という否定の感情があることがほとんどです。
「ノンセンス」とは同じ意味になりますが、「センスがない」とは違う意味になるため使い方に注意しましょう。
職場で「ナンセンス」を使う時は、冗談の理解できる相手を選ぶようにするのも大切です。たとえ無意味な発言だと思っても、上司に「ナンセンスです」と言い切ることだけはしないように気を付けて下さい。