「狡い」の意味や読み方とは?対義語・類語も合わせて紹介!

「狡い」とは「自分が有利になる、要領がよいふるまい」という意味です。実際にはネガティブなニュアンスで使われます。読み方は「ずるい」または「こすい」です。「こすい」は方言やスラングだとする説もあります。意味や相違点を紹介しましょう。また、使い方や類語・対義語も説明します。

「狡い」の意味と読み方とは?

「狡い」の意味は”自分が有利になるふるまい”

「狡い」の意味は、“自分が有利になるような、要領がよいふるまい”です。そのような性格であることを表現することもあります。

「こすい」と読む場合は、上記に別のニュアンスが含まれます。「人を騙す」ような悪質・不正なニュアンスです。また「むやみに金品を惜しむ」という意味もあります。

「ずるい」と読む場合は「こすい」のような悪質・不正などの意味は持ちません。ただし、実際には「こすい」と同じ意味で使われることが一般的です。

「狡い」の読み方は”ずるい・こすい”

「狡い」の読み方は“ずるい・こすい”です。どちらも基本的な意味は同じです。また、ひらがなで書く方が一般的だという点も共通しています。

「狡い(ずるい)」の使い方と例文とは?

「狡い(ずるい)」は批判・非難に使う言葉

「ずるい」と読む場合、批判や非難に使うのが一般的です。言葉の意味から離れて、自分が得するように不正することを批判する場面で使われます。他に使用されるのが「ルールの上では問題ないが不誠実な行動を批判する場面」です。

本来は、要領よく自分が得するように行動するだけでも「狡い」に当てはまります。しかし、実際にはあまり使われない使い方ですので、避けた方が無難です。

誤用に近いが「羨ましい」の意味で使う人もいる

「狡い」を”羨ましい”という意味で気軽に使う人が増えているようです。「狡い」は自分のために上手く立ち回ることを意味しているため、正攻法で努力した人に使うのは誤用だと言えるでしょう。

現実的には不正などのニュアンスで使われている点も、「羨ましい」の意味で使うことを避ける理由になります。言われた相手は「不正をして狡いぞ」と言われたと感じる可能性があるためです。

「狡い(ずるい)ぐらい簡単に」とポジティブに使うこともある

基本的にはネガティブな「狡い(ずるい)」ですが、比喩表現としてポジティブに使うこともあります。主にファッションやメイク、恋愛テクニックで使われることが多いようです。

例えば「狡いぐらい簡単に目が大きくなるメイク」は、不正を使ったかのように効果が出るメイク法を意味します。省略して「狡いメイク」と使うこともあります。

「狡い(ずるい)」を使った例文

「狡い(ずるい)」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 1人で何回も申し込んでいては「狡いぞ」と言われても仕方がない。
  • 部長に気に入られていることを利用して、Aは仕事のミスをいつも部長にフォローしてもらっている。狡い人だ。

「狡い(こすい)」との違いとは?

「狡い(こすい)」は”金品を惜しむ”意味でも使う

「こすい」と読む場合の大きな違いは”むやみに金品を惜しむこと”や、そのような性格の表現に使うことです。「ずるい」にはない使い方です。

ちなみに、厳密には人を騙す・不正するようなニュアンスは「こすい」にしかありません。しかし、実際には「ずるい」も同じ意味で使われているため、違いとは言えなくなっています。

「狡い(こすい)」は方言やスラングと考えられる

「こすい」と読む場合の「狡い」は、元々は方言だという説があります。ただし、方言としては珍しく、九州から関東まで幅広い地域で使用されていたと考えられています。発祥した地域は不明です。

スラング(俗語)だと考える人もいます。全国的に使われているため、方言よりはスラングの方がイメージしやすいのかもしれません。

「狡い(こすい)」を使った例文

「狡い(こすい)」を使った例文をご紹介しましょう。

  • せっかくの新婚旅行なのに格安ホテルだなんて。こんなに狡い人だとは思わなかった。
  • 「バレなければいい」と思うような狡い選手にはならないでほしい。

「狡い」の類語と対義語とは?

「狡い」の類語は”あくどい・けち”

「狡い」の類語は“あくどい・けち”になります。「あくどい」は”ずるい・こすい”両方の類語です。類語としての意味は「やり過ぎていて質が悪い」です。

「けち」は”むやみに金品を惜しむこと”という意味で使う場合の類語になります。類語としての意味は全く同じのため、そのまま言い換えられます。

ちなみに、「ずるい」と「こすい」も、お互いが類語関係です。

「狡い」の対義語は”誠実・気前”

「狡い」の対義語になる熟語は”誠実・気前”です。「誠実」は”自分の利益を考えず、真心をもって対応すること”や、その様子を意味します。

金品を惜しむ意味の「こすい」の場合、対義語は「気前」です。類語としての意味は”金銭を出し惜しみしない性格”です。「気前がよい」という表現がよく使われます。反対に「気前が悪い」とすると「こすい」の類語になります。

「狡い」の英語表現とは?

「狡い」の英語表現は”cunning”

「狡い」は英語で“cunning”という単語で表現します。「カンニング」というカタカナ語と違い、英語では「狡い・悪賢い」などの意味で使われます。

「cunning」には不正のニュアンスはありません。不正を表現したい場合は「cehat」や「cheating」が適しています。

金品をむやみに惜しむ「こすい」の場合の類語は「stingy」です。

まとめ

「狡い」には”ずるい・こすい”の2つの読み方があります。不正などの褒められない手段で自分が有利になることを批判する際に使う言葉です。

本来「ずるい」の読み方には、不正などのニュアンスがありません。辞書の意味通りに使うと、違和感を持たれる可能性があるため注意しましょう。