「精進」の意味と使い方!「邁進」との違いや例文と類語も紹介

ビジネスシーンや日常で「精進を重ねる」という表現をすることがあります。他にも「精進料理」が健康に良いと人気です。

身近な「精進」という言葉ですが、そもそもどのような意味なのでしょうか?「邁進」との違いや類語も確認しながら、「精進」の意味と使い方を解説します。

「精進」の意味や読み方とは?

まず、「精進を重ねる」と言ったり、「精進料理」の言葉の他にはあまり使われない「精進」の言葉の意味について説明します。そして「精進(しょうじん)」には仏教用語の意味と一般的な意味がありますので、それぞれについて説明します。

「精進」の一般的な意味は「一心に打ち込むこと」

「精進」の意味は、「一心に打ち込むこと」です。仏教における心の持ち方や修行の意味から転じて、「一つの事に精神を集中して一心に打ち込むこと」「懸命に努力すること」という一般的な意味でも用いられます。

「精進」の仏教用語の意味は「身をきよめて修行すること」

「精進」の2つ目の意味は、「身をきよめて修行すること」です。「精進」の言葉は、古代語であるサンスクリット語の漢訳に由来します。仏教の世界における「精進」とは、「身を清め、雑念を捨てて一心(いっしん)に修行すること」という意味です。

「精進料理」の意味は「粗食・菜食」

「精進」には美食や肉食を避け、粗食や菜食をすること、という意味もあります。その意味で「精進料理」とは、粗食や菜食のことを指します。また、仏教の戒律に基づいて調理された料理のことも「精進料理」といい、仏事の際の食事などとして用意されます。

仏教の精進料理は具体的には、不殺生(ふせっしょう、生き物を殺さないこと)、煩悩を刺激する食材や匂いの強い食材を避けるなど、いくつかの決まりごとに従って調理されます。

「精進」の読み方は「しょうじん」

「精進」の読み方は「しょうじん」です。

「精進」の使い方と例文

仕事に対する意気込みを伝えるときなどに使われる

一般的に使われる「精進」は、ビジネスシーンの所信表明の演説や、仕事に対する意気込みを伝えるときなどに使われます。「精進」はまた、改まった場でのスピーチや、目上の人への挨拶の手紙などで使われることが多い言葉です。さらに、目上の人などから褒めの言葉を頂戴したときの返答として、けんそんの意を表す意味で「精進」を使うこともあります。

さらにまた、「精進を重ねる」や「日々精進する」など、精進には積み上げ継続してゆく意味の言い回しが多いです。「より一層努力する」「努力を続ける」という意味をはっきりと示すために「重ねる」「日々」などの言い回しが多く使われます。

「精進」を使った例文

「精進」の使い方や言い回しを例文で紹介します。

  • 今後もいち社会人として精進を重ねてまいります。
  • より一層の精進を重ねてまいる所存です。
  • 日々精進してゆく所存です。
  • 精進をおこたらず、迷うことなく進んでまいります。
  • 恩返しのためにも、より一層精進してまいります。

「精進」と「邁進」の使い方の違い

決意表明などでは「邁進(まいしん)」もよく使われる言葉です。「精進」との違いについて説明します。

「邁進」とは「恐れることなく、突き進むこと」という意味です。「精進」は「一心に打ち込む、懸命に努力する」という意味であるため、両者の意味は異なります。

決意表明のときに用いるのなら、「邁進」はゆるぎない決意で突き進むこと、「精進」はゆるぎない決意で努力すること、という意味の違いとなります。そのため、「今後は精進するとともに、邁進してまいります」という言い方もできます。

「精進する」の類語

次に「精進する」の類語を紹介します。

類語①「鋭意努力」

気持ちを集中して努力することを「鋭意努力する」といいます。「鋭意」は一生懸命はげむという意味です。「精進する」とほぼ同じ意味で使われます。

類語②「研鑽」

学問や、ある事柄を深く研究することを「研鑽する」といいます。「研鑽を積む」というように使われます。ものごとに集中して取り組むという意味もあるため、「精進する」に近い意味があります。

類語③「粉骨砕身」

「粉骨砕身する」とは、骨を粉にし身を砕くほど努力するということから、力の限り精一杯の努力するという意味です。意気込みや覚悟が大きいことを表明するときなどに使います。

「精進」の英語表現

「精進」の英語は「strive」「devote」

「精進」に相当する英単語は「strive」「devote」などがあります。

「より一層仕事に精進します」は次のような言い方があります。

  • I will strive to work even harder.
  • I will devote more effort to work.

まとめ

「精進」は仏教の修行や心の持ち方に由来する言葉で、一般的には「一心に打ち込むこと」という意味で使われます。特に改まって自分の気持ちをはっきりと伝えたい時によく使われます。

この言葉を選択するとき、仏教由来の言葉であることを、私たちはどこかで意識しているような気がします。「雑念を払い、気持ちを引き締めて」一つの事に打ち込む、という心の持ち方の意味合いも含まれているからです。

英語で「精進」の真の意味を伝えるには、レポート用紙1枚程度は必要になるかもしれません。