「絵馬」とは、祈願のために神社・寺院に奉納する額のことです。あまり馴染みがなく、願い事の書き方が分からない人もいるかもしれません。絵馬の概要や一般的な書き方、値段などを紹介しましょう。また、持ち帰り家に飾る場合の注意点や「なぜ馬とつくのか?」「郵送できる?」などについても解説します。
「絵馬」の概要
「絵馬」とは「祈願のために奉納する額」
「絵馬」とは、祈願や願い事がかなったお礼のために奉納する額です。「奉納」とは、神社や寺院に金品などを納めることを意味します。一般的には小さな木の板で形は五角形、馬の絵が書いてないものでも「絵馬」という名称は変わりません。
一般的な読み方は「えま」ですが、古い文献や伝統芸能では「えんま」「えうま」と読むこともあります。
「絵馬」の始まりは生きた馬の奉納
「絵馬」はもともと生きた馬を奉納していたことから、名前に「馬」がついています。古くから神様が馬に乗って降臨することを祈って、馬を奉納していたそうです。しかし、飛鳥・奈良時代に木や土で作った作り物の馬で代用されるようになりました。
平安時代に奉納するようになったのが「絵の馬」です。その後も簡略化が進み、現在のようなサイズと価格が一般的になりました。
「絵馬」の値段は500~1,000円が多い
絵馬の値段は500円~1,000円程度が一般的です。凝ったデザインのものは、2,000円以上するものもあります。ちなみに、絵馬の値段は「初穂料」「頒布価格」などの名前をつけられている場合が増えています。
「絵馬」の書き方と例文
「絵馬」には願い事・日付・名前を書く
絵馬には願い事と日付、名前を書くのが一般的です。神仏に誰の願い事か伝わるよう、名前には住所を添えることが推奨されています。ただし、プライバシーの問題もあるため、住所は都道府県までにする人が多いようです。名前もイニシャルだけで問題ないという意見もあります。
日付けと名前を書く順番は決まっていません。また「縦書きか横書きか」「和暦か西暦か」も、奉納者の自由です。
「絵馬」を書く場合は油性ペンで
規則という訳ではありませんが、絵馬は油性ペンが向いていると考える人が多くいます。理由は「雨に強いため」です。絵馬をかける場所は屋外のことが多いため、雨でにじんでしまうペンは避けた方がよいでしょう。
多くの神社・寺院には油性ペンを用意してくれています。ただし、インクが切れていたり、好みの太さでなかったりする可能性があるため、念のため持参すると安心です。
「絵馬」に使える文体の例文
絵馬には主に3種類の文体があります。どの文体が最適なのかは諸説あり、定まっていません。自分自身が一番しっくりくる文体を選びましょう。例文とあわせてご紹介します。
「絵馬」を書いた後の注意点
「持ち帰り」には祈願の意味がないとされる
持ち帰って飾っている絵馬は「祈願にならない」と考えられています。記念品として飾るのなら問題ありませんが、願い事を叶えたい場合は奉納した方がよいでしょう。
「家で落ち着いて書きたい」「参拝できない家族に書かせてあげたい」と一時的に持ち帰る場合は、神棚や自分の目線より高い場所にするのがよいとされています。
願い事が叶ったら「お礼参り」をする
絵馬に書いた願い事が叶ったら「お礼参り」をするとよいでしょう。お礼参りは「願い事が叶ったお礼をするために、神社・寺院へ参拝する」という意味で用いられます。
お礼参りは、絵馬を奉納した場所へ行くのが一般的です。遠方の神社・寺院の場合は無理しなくてよいとも考えられています。また「お礼参りをいつまでにするか」も厳密なルールはありません。なるべく早い方がよいとする人もいれば、神様へお礼したくなったタイミングでよいとする人もいます。
また、お礼を書いた絵馬を奉納するのもよいでしょう。その場合は「〇〇が叶いました」や「〇〇ができました」という報告と感謝の言葉を記してください。
「絵馬」の雑学
「絵馬」にはさまざまなデザインがある
現在の「絵馬」は、馬の絵以外にもさまざまなデザインやイラストのものが用意されています。干支を描いたものや、神社・寺院と人気キャラクターがコラボしたものが人気のようです。かつては、病気を治したい部位のイラストを書くこともありました。
「絵馬」は郵送でも奉納できる
近年では郵送で絵馬を奉納できる神社・寺院が増えつつあります。Webサイトから申し込むと、絵馬が郵送されてきます。祈願を記入してから返送することで、奉納が完了です。
コロナ禍でなかなか参拝できない中でも神仏へ伝えたい願い事がある人にとっては、ありがたい取り組みだと言えるでしょう。
「大絵馬」と「小絵馬」の違い
絵馬は主に2種類に分けられます。個人が奉納する小さな絵馬が「小絵馬」、大きな業績や手柄を祈願するサイズが大きな絵馬を「大絵馬」や「額絵馬」と呼びます。
サイズだけでなく、イラストを描いた人で区別する考え方もあります。専門画家がイラストを描いたものが「大絵馬」、あまり有名ではない画家や奉納する人が自分で描いたものが「小絵馬」です。現在では自作の絵馬を受け入れない神社・寺院もあります。
まとめ
「絵馬」はもともと生きた馬を奉納していたことに由来しています。現在はさまざまなデザインの「絵馬」があり、願い事の書き方や奉納の基本的な方法は決まっているものの、詳細は諸説あり明確には定まっていない状態です。ただし、どの説でも「心をこめることが大切」という点は共通しています。
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