「早起きは三文の徳(得)」の意味と由来!英語表現や例文も紹介

「早起きは」といえば小学生でも「三文の徳」と答えるほどポピュラーなことわざ「早起きは三文の徳」ですが、正確な意味や根拠となると身近すぎてあまり考えたことがないという人も多いのではないでしょうか。今回はそんな「早起きは三文の徳」について紹介します。



「早起きは三文の徳」の意味とは?

意味は「早起きすると少しいいことがある」

「早起きは三文の徳」は、「朝早く起きると少しだけいいことがある」「必ず何らかの利益になる」という意味のことわざで、「はやおきは さんもんの とく」と読みます。また、古くは「朝起きは三文の徳」とも言ったようですが意味は同じです。

現在の貨幣価値に換算すると「数十円程度」

気になるのが「三文」の価値ですが、江戸時代は260年以上続いたため、その間には貨幣価値も大きく変動していて正確なことは分かりません。しかし、比較的物価が安定していた中期から後期の一文銭は今の20円~25円に換算されることが多いようなので、三文ならざっと60円~75円といったところでしょうか。コンビニのクーポン券3枚分ほどの控えめなお得感です。幕末ならもっと安く、江戸初期でも10倍ほどの価値です。

「三文の得」でも意味は同じ

「早起きは三文の徳」は 「早起きは三文の得」と表記されることもあり、どちらも間違いではありません。「徳」には社会的に価値が認められている性質や品格をあらわすのに対して、「得」は「一挙両得」のように利益を得るという意味で使われることが多いですが、「お買い得」「お徳用」など使われ方はアバウトです。金銭にまつわることわざなので「得」の方がしっくり来るようにも思われますが、定型の「徳」を使えば無難でしょう。

「早起きは三文の徳」には続きがある?

「早起きは三文の徳」のあとに、「早起き」と対比した「夜なべは十文の損」や「長寝は三百の損」などの言葉が続くとされる一説もあります。

 「早起きは三文の徳」の由来は?

中国の散文「早起三朝當一工」が起源

「早起きは三文の徳」の元ネタは、中国の古い散文「早起三朝當一工(3日続けて早起きすれば一人分の働きに匹敵する)」だといわれています。おもに農家に伝わることわざで、陽が高くなる前に起き出して働けば仕事がはかどるという意味です。

由来は奈良の「神鹿と鹿奉行」

「三朝」が「三文」になった理由には諸説ありますが、そのうちもっとも有名なのが奈良の鹿にまつわる話です。鹿は春日大社の神獣(神鹿:しんろく)で、江戸時代の奈良では鹿奉行が餌代として年三千石を預かり管理していました。町人が鹿を殺めてしまうと、当時絶大な権力を誇った仏教寺の敷地内で斬首の上、さらし首の刑です。家の前に鹿の遺骸などあろうものならたいへんな騒ぎになるため、町の人は早起きして表を確かめたということです。

古典落語に残る「奈良の鹿と早起き」

上方の古典落語「鹿政談(しかせいだん)」という演目の中では、奈良の名物として「町の早起き」が挙げられています。ある朝早く、豆腐屋が表に出てみると鹿が生ごみを漁っており、大きな野良犬と見誤った豆腐屋が鹿を殺して奉行所で裁かれるという話で、最後は鹿奉行が餌代を横領していたために、飢えた鹿が食料を求めて町を荒らしていたという笑えないオチが付いています。

「早起きは三文の徳」の例文と英語表現

 「早起きは三文の徳」の例文

  •  10分早く起きて出社したので、にわか雨に遭わずに済んだ。 やっぱり早起きは三文の徳だ。
  •  早起きは三文の徳というから、私も朝型の生活にシフトしてみようと思います。
  • いつもより30分早起きしたら前向きな気持ちで過ごせた。「早起きは三文の徳」を実感した一日だった。

「早起きは三文の徳」の英語表現

  • An early bird catches the worm.(早い鳥は獲物にありつく:早起き鳥は得をする)
  • Early to bed and early to rise makes a man healthy, wealthy and wise (早寝早起きは健康・富・分別のもと:ベンジャミンフランクリンの格言)

まとめ

現在の「早起きは三文の徳」は「早起きするといいことがある」という意味ですが、当初は「早く起きても三文程度の得しかない」と反対の解釈で使われていたようです。

また米ボストンにある病院で、ベンジャミン・フランクリンが残した「早寝早起きは健康・富・分別のもと」という格言を検証するために、生活スタイルの違う被験者を「早寝早起き・早寝遅起き・遅寝遅起き」などのグループに分けて調査した結果、死亡率や所得額に違いは見られなかったとの報告もあります

「早起き」が「三文の徳」になるか否かは、その人次第なのかもしれません。