「フェミニスト」の意味の変化とは?対義語や関連語のフェミニンも

フェミニストは時代とともに意味が変わる言葉です。現在では「男女同権論者」として、男女差別や役割の押し付けを否定する人だと考えるのが主流です。

しかし、人によって考え方が違うため、フェミニスト同士でも対立し相手を論破する場面もあります。フェミニストの意味や対義語、「フェミニン」などの関連語をご紹介しましょう。

「フェミニスト」の意味とは?

フェミニストとは「男女同権論者」という意味

フェミニストの現在の意味は「男女同権論者」です。主に、性別に囚われない平等な世界を目指す人を意味します。例えば「性別を気にせず化粧をしたい人はすればいい」「面白いと思うなら男女問わず少女漫画を読んでいい」のような考え方です。世界的に使われている言葉で英語では「feminist」と書きます。

ただし、フェミニストは時代とともに意味が変わってきた言葉です。「男女同権論者」も「現在一般的な意味」というだけで、フェミニスト全員が思想を統一しているわけでないことに留意しましょう。

「女性の人権に関する運動をする人」の意味も

かつての「フェミニスト」は、女性の人権に関する運動をする人を意味していました。参政権の獲得や仕事の自由など、当時は男性にしか認められていなかった権利を獲得するために活動したようです。

現在でもこの意味でフェミニストを名乗る人・使用する人もいます。そのため、辞書では「男女同権論者」と「女権拡張論者」の両方を記載することが多いです。

過去には「女性に甘い男性」を表す意味も

日本ではカタカナ語として「女性に甘い男性」として使われることもあります。ただし、やや古い解釈のためこの意味で使われることは少なくなりました。

現在では「フェミニストは女性だけ」というイメージが持たれやすいようです。このイメージは海外でも共通で、男女問わないことを訴えようと「自分はフェミニストだ」と表明する男性有名人も増えています。

「フェミニスト」の関連語とは?

「フェミニズム」とはフェミニストが掲げる主義

「フェミニズム」とは、フェミニストが掲げる主義・主張のことです。男女問わず性差別を撤廃しようという考えを表しています。

フェミニズムの語源は、「女性」を意味するラテン語「フェミナ(femina)」だとされています。

「フェミニン」とはファッション用語で「女性的」

「フェミニン」とは、ファッション用語で「女性的な」「女性らしい」を意味します。ふんわりとしたかわいさとオフィスでも着られるような上品さを両立しているファッションのことです。

ファッション関係以外でも「女性的」「女性の」という意味で用いられることがあります。この場合でも服や言動などの「女性ならこうだろう」という固定化した印象を意味することが多いです。生物学的な特徴にフェミニンは使われません。

「ツイフェミ」とはツイッターで活動する女性尊重主義者

「ツイフェミ」とは「ツイッターで活動するフェミニスト」を略した言葉です。一般的には過激な女性尊重主義者を批判する文脈で使用されます。全ての男性を敵視し、過激な言葉で男性を中傷している人が「ツイフェミ」と呼ばれやすいようです。

「ツイフェミ」と呼ばれる人を見て「フェミニストは面倒」「フェミニストは男を信用できなくてかわいそう」と誤解する人もいます。

「フェミニスト」の対義語や類語とは?

「フェミニスト」の対義語は「アンチ・フェミニスト」

フェミニストの対義語は「アンチ・フェミニスト」です。「反フェミニスト」とも呼ばれ、フェミニストに反対する人を意味します。

フェミニストに反対する理由は主に2つです。1つ目は「女性差別撤廃が過剰で男性差別になっている」という考え方。2つ目は「男女で分担・協力する伝統文化を否定するのはおかしい」という意見があります。

「フェミニスト」の類語は「ジェンダーフリー」

フェミニストの類語として「ジェンダーフリー」が使えるでしょう。「ジェンダーフリー」は、性差別をなくし性別に囚われない、自分らしい生き方をしようという考えです。「考え方」を意味する言葉のため、厳密には「フェミニズム」の類語と言えます。

近年では、ファッション用語としてもよく使用され、男女問わず着られるデザインの服は「ジェンダーフリーファッション」と呼ばれています。

「フェミニスト」の誤解や問題とは?

「男性嫌悪」「女性だけを守る」という誤解も

「フェミニストは男性嫌悪主義」「女性の権利だけを守る」と誤解する人がいます。現在の世界的に主流となっている「フェミニスト」には当てはまらない認識だと言えるでしょう。

ただし、フェミニストと名乗る人にも多様性があり、男女同権論者の男性フェミニストを「男性」という理由で批判するフェミニストもいるようです。

「フェミニスト」同士で対立することもある

「フェミニスト」に対する考え方の違いから、フェミニスト同士で対立することもあります。女性尊重主義のフェミニストと男性フェミニストの対立だけでなく、女性同士でも言い争い相手を論破しようとする場面があるようです。

例えば、一部のフェミニストは「専業主婦になりたい女性」や「セクシーな服装を楽しみたい女性」を「女性らしさに縛られている」と厳しく批判します。これは「女性は女性らしいとされていることをしてはいけない」という考え方です。性別で判断し、相手の自由を制限してしまう意見は、対立しやすいと言えるでしょう。

まとめ

「フェミニスト」は男女同権論者という意味で用いられることが多い言葉です。しかし、フェミニストにも多様性があり、ネット上での発言や活動の影響で「女性尊重・男性嫌悪主義者」として認識される場合もあります。時代の流れに沿った意味の移り変わりを見守りたい言葉だと言えるでしょう。