マウントとは何を意味する?マウンティングやIT・カメラ用語例も

マウントとは、もともと「載せること」という意味があります。そこから派生した意味も多く「会話の中で自分の優位性をアピールすること」として使われることが多いでしょう。

また、IT分野に詳しい人は「マウント解除」、カメラが好きな人は「マウントアダプター」の表現で馴染みがあるかもしれません。それぞれの意味や具体例を紹介します。

マウントとはどんな意味?

マウントとは「載せること」を意味する

「マウント」の基本的な意味は「載せること」です。そこから派生して、カメラの部品や写真台紙、IT用語などに使用されています。また「マウンテン」と同じで山を意味することもあります。

日常会話でよく使用される意味合いは「優位性をアピールすること」でしょう。しかし、若者言葉やスラングとして扱われていることも多く、掲載している辞書もあまりありません。

「マウント」の由来は英語「mount」

「マウント」は英語「mount」が元になったカタカナ語です。「mount」の主な意味は「(馬や自転車などに)乗る、またがる」、「高所に登る」です。「物に乗せる」という意味もあります。

「マウンティング」や「マウントをとる」とは

「マウントをとる」ことで自分の優位制をアピール

「マウントをとる」とは、自分の優位性を会話の中でアピールすることです。インターネット発祥の表現とも言われていますが、現在では日常会話で一般的に使われるようになりました。

「マウントをとる」は「マウンティング」と呼ぶこともあります。「マウンティング」の本来の意味は「動物が相手に馬乗りになること」のため、威圧的で相手を下に見るさまは相手に嫌われやすい言動だと言えるでしょう。

「マウントをとる」の語源は「動物の行動」「格闘技」

「マウントをとる」の語源には、2つの説があります。1つは「動物のマウンティング」です。猿や犬などの動物が、自分の方が上位だと示すための行動を「マウンティング」と呼ぶため、そこから現在の意味で使う様になったと推測されます。

もう1つの説が「格闘技のマウントポジション」です。詳細は後ほど説明しますが、相手に馬乗りになる有利なポジションを「マウントポジション」と呼びます。試合での優位性から、精神的な優位性を表す意味で使われるようになったと考えられています。

「マウンティング女子(男子)」とはマウントをとる人

「マウンティング女子」「マウンティング男子」とは、すぐにマウントをとる人のことです。性別を問わない呼び方は「マウンター」になります。マウントをとってくる人を批判・非難するための表現として使用されるのが一般的です。

「マウントをとる(マウンティング)」の具体例

マウントをとる会話は、自慢話や嫌味のような分かりやすいものだけではありません。アドバイスや愚痴のふりをした遠回しな言い方もあります。以下は「会社で評価されている」と、マウントをとっている具体例です。

マウントをとる例
  • 平社員は気楽だな。羨ましいよ(嫌味)
  • 俺みたいに〇〇を覚えないと出世できないぞ(アドバイスのふり)
  • 新しいプロジェクトを任されたから、忙しくて(愚痴のふり)

「マウントをとる人」への対処法

マウンティングされた場合は「受け流す」のが良いと言われています。下手に言い返すと喧嘩になり、余計に疲れてしまうためです。「そうなんですね」「良かったですね」のように、あまり会話が広がらないような相槌は一つの対処法として使えるでしょう。

相手と親しくなってマウントの対象から外れたり、やんわりと指摘してマウンティングを控えてもらうなどの手段もあります。どちらも加減が難しいため、話術に自信がある人向けです。

「マウント」の関連用語とは

カメラ用語「マウント」「マウントアダプター」

カメラ用語で「マウント」とは、カメラ本体とレンズの接続部を指します。マウントが同じであれば、1つの本体でさまざまなレンズが使用可能です。マウントが異なるレンズを使いたい場合は「マウントアダプター」という部品を挟んで接続します。

IT用語の「マウント」と「マウント解除」

IT用語での「マウント」は、パソコンやスマートフォン、携帯電話で周辺機器を利用できる状態にすることを意味します。また「マウント解除」や「アンマウント」は、安全に周辺機器を外せる状態にすることです。

Linuxなど一部のOSで使用する「マウントポジション」とは、接続した周辺機器をどこにマウントするのか、という情報のことを指しています。

格闘技で使われる「マウントポジション」

格闘技では「マウント」を「マウントポジション」として使っています。仰向けに倒れた相手に馬乗りになった状態です。倒れている方は反撃しづらいため、馬乗りになっている側に有利なポジションだとされています。

さらに有利なポジションに「バックマウント」があります。これは、うつ伏せに倒れた相手に馬乗りになっている状態です。

まとめ

「マウント」はもともと「載せること」という意味です。一般的には、自分の優位性をアピールする「マウントをとる」や「マウンティング」の表現で知られています。その他、IT用語では「マウント解除」、カメラ用語では「マウントアダプター」のような使い方があるため、分野ごとの意味を理解しておくとよいでしょう。