「エゴ」の意味とは?使い方や類語・対義語を例文とともに紹介

「エゴ」という言葉を聞いてどのようなイメージが頭に浮かびますか?日常や職場で「エゴ」を使うことは少ないかもしれませんが、心理学やスピリチュアル的な話題ではよく登場するカタカナ語です。

ここでは「エゴ」について意味を中心に、類語と対義語、エゴの使い方と例文を紹介しています。どうぞ、参考にしてみて下さい。

「エゴ」の意味とは?

エゴとは主に「エゴイズム」のこと

カタカナ語の「エゴ」はほとんどの場合で「エゴイズム」のニュアンスで使われています。「エゴ」とは「利己主義」で「自分中心的」な考え方を指し、他人の気持ちや幸福を考えない思考や行動様式のこと、つまり「エゴイズム」のことなのです。

「エゴイズム」は自分の欲求や満足感だけを追求するために行動し、自分の利益だけが全てと捉えるのが特徴です。別の言葉では「自我主義」と呼ばれることもあり、完全な自我の実現を求め、それが人の生きるための目的であると考えるのを特徴としています。

エゴの語源は英語「ego」

「エゴ」は英語の「ego」のことで、「自尊心」「自負心」「うぬぼれ」「自我」などの意味を持つ言葉です。自分のことを中心的に考えるような利己的な様子を指しています。

「エゴ」の使い方と5つの例文

やたらに多用しない

「エゴ」は一般的に見ても肯定的な意味で使われることが少ない言葉です。「親のエゴで何かをさせられた」「エゴを他人に押し付ける」「人間のエゴでしかない」など、どちらかと言えば自分勝手で他人のことを考えないさまを表すことが多いです。

ただし、自分個人が不快に思ったことや同意できないことに対して、真っ向から「それはエゴだ」と言い切ってしまうのはあまり感じの良い表現ではありません。

「エゴ」はあくまで「利己的な態度」で他人が損をしてでも自分には利益が生まれるような考え方、または行動を示しています。純粋に自分と意見が合わなかった、考えが気にくわないなどの感情的な判断で「それはエゴだ」と言わないように気を付けて下さい。

「エゴ」を使った5つの例文

  • 私の上司はエゴが強いため、ホトホト疲れてしまう。
  • 中学受験をさせるのは、やはり親のエゴなのであろうか?
  • エゴを押し付けることは、相手にとってかなりのストレスとなるだろう。
  • 「ああすべきだ、こうすべきだ」という考えを人間のエゴと呼ぶことがある。
  • スーパーエゴは周囲や親から’教えられたしつけのことだ。

「エゴ」の類語と対義語は?

類語は「主我」「主観」

「エゴ」の類語にあたるのは「主我」「主観」「自己」「我」「吾(われ)」「小生」などになります。どの類語も自分自身のアイデンティティを強く意識した言葉です。

  • 主我を貫いて生きていくのは、周囲の人に迷惑をかける可能性がある。
  • 主観ばかりでものごとを判断するのはよくない。

対義語は「彼我」「他我」「非我」

「エゴ」の心理学的用語「自我」の対義語になるのは「彼我」「他我」「非我」です。「彼我」は自分と他人のこと、「他我」は他人の自己意識のこと、「非我」は自分自身という意識の外にあるもの、をそれぞれ意味しています。ちなみに、エゴイズムの対義語はアルトュルーイズム=altruism(利他主義)」です。

心理学での「エゴ」の位置づけ

フロイトが掲げた3要素のひとつ「エゴ」

心理学の世界では人の心を3つに分けて説明しています。「エゴ」はフロイトが掲げた3要素の一つですが、「エゴ」を中心に「エス(またはイド)」と「スーパーエゴ」に分かれます。

「エス」は欲求や感情を示す「動物的本能」、「スーパーエゴ」は両親や学校、社会から教えられた「しつけ」をそれぞれ意味しています。そして、この2つの間にあるのが「エゴ=自我」なのです。

心理学では「エス」と「スーパーエゴ」をコントロールするのが「エゴ=自我」であり、このどちらかが強すぎて偏ってしまうと精神的なトラブルを招くと言われています。複雑な社会生活では自我を正常に保つのも容易ではなくなってきています。

まとめ

「エゴ」は英語の「ego」のことで、「自尊心」「自負心」「うぬぼれ」などの意味があるカタカナ語です。心理学では「自我」と呼ばれ、動物的本能「エス」と社会から学んだしつけ「スーパーエゴ」のちょうど中間に位置づけられています。

「エゴ」はワガママを通り越し、他人を苦しめてでも自己の利益を追求する考えを良しとしているため、おおむね周囲には煙たがられる存在になりがちです。

職場でエゴの強い人がいる場合は付き合い方も難しいしょう。しかし、エゴに流され過ぎてしまうと自分を見失ってしまい、精神的にダメージを受けやすくなります。自分の考えをしっかり持ち、凛とした態度で仕事に臨みましょう。