「アブストラクト」の意味とは?論文のアブストラクトの書き方も

「アブストラクト」とは「抽象的」という意味ですが、論文などでは「概要」という意味で使われます。論文のアブストラクトをどうやって書くのか迷われる人も多いのですが、書くためのコツがあります。

この記事では、「アブストラクト」の意味や「アブストラクト」を使った用語のほかに、論文での「アブストラクト」の書き方も紹介します。

「アブストラクト」の意味とは?

「アブストラクト」とは「抽象的」「観念的」

「アブストラクト」とは「抽象的な」「観念的な」いう意味です。「具体的」の反対語で「ある物事の本質や個々に共通している事柄を抜き出して、一般的に表したもの」を指します。「抽象なもの」という意味合いで使う場合は「ある人や物事に特定されず、表象などの具体的な内容を持たないこと」を表しています。

つまり、「アブストラクト」とは実体を表すのではなく「対象の一部を取り出して一般的にした表現」や「対象全体を概念化させた表現」です。

「アブストラクト」には「概要」の意味も

「アブストラクト」には論文などの文献において「概要」という意味もあります。「要旨」とも言われ、「アブストラクト」にはその文献を通して著者が伝えたいことがまとまっています。

特に学術論文において、読者は「アブストラクト」を読んで本文を読むかどうか判断をするため、論文の重要なポイントだと考えられています。

「アブストラクト」を使った例文

  • 本質をアブストラクトにとらえる
  • 彼のアブストラクトな説明は、具体例が抜けていてわかりにくかった

「アブストラクト」を使った用語

「アブストラクトゲーム」とはボードゲームの一種

「アブストラクトゲーム」 とは、対戦型のボードゲームで、そのゲーム背景など具体的なテーマがなく、偶然的な要素がないゲームのことです。囲碁や五目並べなどが一例で、対戦するため敵と味方の色分けはされていても、それぞれの駒には意味を持たないようなゲームを「アブストラクトゲーム」と呼びます。

チェスや将棋は、対戦型のゲームで具体的なテーマがないという点からアブストラクトゲームに分類されることもありますが、それぞれの駒に特性があることからアブストラクトゲームに分類されないこともあります。

「アブストラクトアート」とは説明的な要素を取り除いた芸術

「アブストラクトアート」とは、説明的な要素を取り除いた芸術のことです。絵画などにおいて、説明的な要素を取り除き、その形や面、線などを駆使して、色彩をほどこし構成された芸術作品やそのスタイルを指します。

1910年ごろから始まり、略して「アブストラクト」と呼ばれることもあります。

「アブストラクト音楽」とはヒップホップベースの実験的な音楽

「アブストラクト音楽」を定義することは難しいのですが、ヒップホップをベースにしてジャズやヒュージョンなどさまざまな音楽要素を実験的に取り込んだ音楽という解釈が主流です。ただし、アブストラクト音楽で欠かせない要素というものが決まっていないため、定義の仕方に個人差があります。

「アブストラクト柄」とは抽象的なデザイン型

「アブストラクト柄」とはアブストラクトパターンとも呼ばれ、特に意味を持たない抽象的な線や形を組み合わせて作られた模様柄のことです。スカートやズボンなどのテキスタイル(生地)などに用いられています。

「アブストラクト」の論文での書き方とは?

「アブストラクト」は論文の要点をまとめる

「アブストラクト」は論文の要点をまとめたものです。アブストラクトさえ読めば、論文全体がわかるような内容にまとめることが大切です。

論文は何を目的にして書かれていて、どのような方法が使われていて、論文を通して何を理解できるのかをわかりやすく解説します。

アブストラクトの3つの主要項目

アブストラクトを構成する主な項目は3つあります。

アブストラクトの主要項目
  • 目的:論文はなんのために書かれたのか
  • 方法:目的を証明または開設するために、どのような方法をとったのか
  • 結果:考察の結果、何を得られたのか

アブストラクトの主要項目以外にも論文を書いた背景や、結果から導き出された結論を書くこともできます。読者が専門知識を有していることがわかっている場合は、専門用語をひとつひとつ解説する必要はありません。論文の主旨を伝えられるように、必要とされる文字数も考えながら書くべき事柄をピックアップします。

アブストラクトの文字数は論文全体の1割が目安

アブストラクトの文字数に決まりはありませんが、目安としては論文全体の1割ほどの長さにまとめるのが一般的です。それ以上に長いとアブストラクトの比重が高くなってしまい、本文へと読者を促せなくなってしまいます。

ただし、短すぎても論文の要点を伝えるのに不十分だと判断されることがあります。論文の1割を目安にアブストラクトをまとめてみてください。

「アブストラクト」の英語表現とは?

「アブストラクト」は英語「abstract」

「アブストラクト」は英語で「abstract」、「アブストラクト」の語源です。英語の「abstract」には「抽象的」という意味のほか論文などの「概要」という意味もあり、まさに「アブストラクト」と同じ意味で使われています。

「abstract」を使った例文

“His explanation was so abstract that we couldn’t understand what he wanted to say.”
「彼の説明は抽象的過ぎて、彼が何を言いたいのか理解ができなかった」

「abstract」の対義語は「concrete」

「abstract」の対義語は「concrete」で意味は「具体的」です。「concrete」には「コンクリート」の意味もありますが、出来事やある人の意見のことで「concrete」が使われた時には「具体的」の意味になります。

「concrete」を使った例文

“She explains it with concrete examples.”
「彼女は具体的な例を挙げて説明した」

まとめ

「アブストラクト」とは「抽象的」や「抽象するもの」という意味の言葉で、英語の「abstract」を語源にしたカタカナ語です。また論文などで使われる「アブストラクト」は「概要」という意味で、論文の主旨がまとめられています。

 

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。