「相変わらず」とはいい意味?敬語表現や言い換えの類語と例文も

「相変わらず」とは、以前と変わらないという意味です。類語には「いつも通り」や「お変わりなく」があげられます。似た言葉の「相も変わらず」は、皮肉や嫌みのニュアンスが含まれるため注意が必要でしょう。

ここでは「相変わらず」の意味や使い方を例文とともに解説します。英語や中国語・韓国語の表現も紹介しましょう。

「相変わらず」の意味とは?

「相変わらず」とは「前と変わらない」の意味

「相変わらず」とは「前と変わらないこと」や「以前と同じようす」という意味の言葉です。久しぶりに会った友人や知り合いが、以前と変わらず元気で活発なようすに対して「相変わらずお元気ですね」などと使います。

日常会話の挨拶としても使うことが多い言葉ですが、「相変わらず」の後に続く言葉によっていい意味にも悪い意味にもニュアンスが変化するため、前後の会話内容や使う相手によっては注意が必要でしょう。

「相も変わらず」は変わらないさまを強調する

「相変わらず」という言葉が持つ「相手が以前と変わっていない」という意味合いをさらに強調したい場合には、似た表現の「相も変わらず」が適しています。

「相も変わらずお元気ですね」と使うことで「変わらない」ことを強調し「以前と何も変わらない」というニュアンスが強調されます。ただし、皮肉や嫌みとして受け取られることもあるため、シーンや相手によっては注意が必要な言い回しでしょう。

「相変わらず」を使った例文

  • 相変わらずお元気そうで何よりです
  • 久しぶりに会った友人が相変わらず活発に走り回っていて安心した
  • 私のほうは相変わらずのんびりやっていますよ

「相変わらず」の使い方と例文

「相変わらず」と久々に会った人に挨拶する

「相変わらず」という言葉は、以前と変わらないようすに安心したり喜んだりするニュアンスで、久しぶりに会った知り合いや友人などに対しての挨拶として使えます。

数年ぶりに再会した相手が、以前と変わらず活発に活動していたり元気に過ごしていたりするようすに対して「相変わらずお元気で」「相変わらずですね」などと表現します。また「若い頃と変わらないですね」という意味で社交辞令の挨拶としても使われます。

「相変わらず」は自分に使うと謙遜の意味に

「相変わらず」を自分自身のことに対して使う場合には、「何も変わっていない」ことを強調する謙遜のニュアンスが含まれます。「相変わらず朝は苦手で」や「相変わらず遊んでばかりで」など、以前の自分を知っている人に対し、何も変わらず成長できていないという自分を卑下し謙遜するニュアンスです。

また「元気ですか?」などの挨拶に対して、単に変化がありませんというニュアンスで「私は相変わらず元気ですよ」とも使います。この場合は謙遜や卑下する意味合いは含まれず、シンプルに変わりがありませんという意味です。

「相変わらず」はビジネスシーンで失礼な場合も

「相変わらず」という言葉はフランクな印象があるため、ビジネスシーンで使用するには注意が必要です。親しい間柄であれば「相変わらずお元気そうですね」や「相変わらずお忙しそうですね」などの表現は問題なく使用できます。

しかし、会話の流れや相手によっては「(私は大変なのに)あなたは元気そうでいいですね」といった皮肉や嫌みと受け取られることにもなりかねません。かしこまったシーンや目上の人に対しては使わないほうが無難でしょう。

「相変わらず」の敬語表現は「ご清栄」「ご清祥」

「相変わらず」と同じ意味を手紙やメールなど文書で使いたい場合には「ご清栄(ごせいえい)」や「ご清祥(ごせいしょう)」などがあてはまります。

「ご清栄」は相手の健康や繁栄を喜ぶ表現で、会社や個人どちらにも使える表現です。「ご清祥」は相手の健康や幸せを喜ぶ表現であり、主に個人に向けて使う言葉です。

フランクな会話であれば「相変わらずお元気そうですね」となりますが、ビジネスメールなどかしこまった文書で表現する場合には「ご清栄のこととお喜び申し上げます」と使用します。ビジネスメールでの定型文として覚えておくとよいでしょう。

「相変わらず」の類語や言い換え・対義語

「相変わらず」の類語は「いつも通り」

「いつも通り(いつもどおり)」とは「いつもと何も変わらないこと」です。「通り」には「同じ状態であること」や「そのまま」という意味があり、いつもと変わらず同じ状態であることを表します。

「相変わらずお元気で」の言い換えとして「いつも通りお元気で」としても特に問題なく、同じような意味として伝わるでしょう。ただし「相変わらず」は「以前や過去と同じである」という意味合いであるのに対し、「いつも通り」は「いつもと同じ」や「普段から常に変わらない」と、ニュアンスが多少違います。

「今も昔も」という表現も類語の一つ

「今も昔も」は「昔から今まで変わらず同じである」という意味です。「昔」には文字通り「昔」という意味の他に「過ぎ去った日々」という意味もあり、遠い過去のことをさしています。

「相変わらず」とほぼ同じ意味のため「今も昔もお元気ですね」などと言い換えても問題ありません。「相変わらず」よりも丁寧な印象を与える表現です。

「お変わりなく」は目上にも使える言い換え

「相変わらず」は、ビジネスシーンのようにかしこまった場では「お変わりなく」と言い換えるほうがよいでしょう。「お変わりなく」は「相変わらず」よりも丁寧な表現のため、上司や取引先など目上の人に対して使っても問題ありません。

「相変わらず」の対義語は「何時に無く」

「何時に無く(いつになく)」とは「いつもと違っている」という意味です。たとえば、普段とは違った態度のことを「彼は何時に無く慌てている」などと表現します。普段は落ち着いている人が、普段とは違って慌てているというニュアンスです。

過去や今までと違うというニュアンスであり「相変わらず」の対義語といえます。

「相変わらず」の外国語表現

「相変わらず」の英語表現は「as usual」

「相変わらず」は英語では「as usual」と表現します。「usual」は「いつもの」や「通常の」という意味で、「as usual」は「相変わらず」や「いつも通り」というニュアンスのフレーズです。

また「いつでも」や「常に」というニュアンスの「always」を使った「as always」も「相変わらず」の英語表現として使えます。

「相変わらず」の中国語と韓国語

「相変わらず」の中国語表現は「一如既往」があてはまります。「イールゥーヂィーウアン」と発音し、「昔と変わらない」や「従来通り」というニュアンスの言葉です。

また、韓国語で「相変わらず」は「여전히」です。「以前と同じ」というニュアンスの言葉で「ヨジョニ」と発音します。

まとめ

「相変わらず(あいかわらず)」とは、「前と変わらないこと」や「以前と同じようす」を表す言葉です。久しぶりに会った人が以前と何ら変わっていないことをさして「相変わらずですね」などと使用します。

「相変わらず」という言葉自体にはネガティブな意味合いはありません。しかし、会話の流れによっては皮肉や嫌みと取られることもあるため注意が必要です。