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「免責」の意味と使い方とは?「免責事項」もわかりやすく解説

「免責」とは「責任をまぬがれること」という意味で、免責事項に該当したケースでは保険会社は保険金を支払いません。では、なぜ保険会社には「免責」のような制度があるのでしょうか。

この記事では「免責」の意味や使い方のほかに、「免責事項」や「免責補償」などの言葉や、類語の「免除」や「減免」も解説します。

「免責」の意味と読み方とは?

「免責」とは「責任をまぬがれること」

「免責」の読み方は「めんせき」で、「責任をまぬがれること」という意味です。責任が生じているのに、それを問われないで逃れることを指します。

また「免責」には「債務者が債務をのがれること」という意味もあります。「債務者」とは、借金を例にとると、お金を返す側の人のことです。返金の義務があるのに返金せずに、その義務からのがれることを「免責」と言います。

「保険金を支払われないこと」の意味も

保険業界では「免責事由」の略語として「免責」が使われています。その場合の「免責」の意味は、「保険金が支払われないこと」です。

「保険」は火災や事故などが起きたときの経済的な不安に備えて、保険会社に保険料としてお金を支払っておく制度のことです。もしものことがあれば、保険会社は規約に基づいて保険金を支払っていた顧客の代わりに保険金の支払い義務を負います。

しかし、例外として保険金の支払いを拒否する、支払いの義務を逃れることを「免責」といいます。

「免責」の使い方と例文

「免責する」は責任をまぬがれるときに使う

「免責する」は責任をまぬがれるときに使う表現です。「免責する」とは、「免責を許可する」という意味ですから、お金を貸した債権者が、借金を負っている債務者に借金を返す義務を放棄してもいいと許す場合などで使われます。

例文

債務者が債権者に免責の申し立てをする

「免責される」は責任が問われなくなった時に使う

「免責される」は責任を免れることを許されるときに使う表現です。例えば、お金を借りた債務者がお金を貸した債権者から返金しなくなった場合、「債務者は免責された」のように使われます。免責されることで債務者は債務の責任を果たさなくなり、その責任は債権者が引き受けることになります。

「免責事項」「免責補償」「免責期間」

「免責事項」とは「責任を負えない事項」

「免責事項」とは「責任を負う側が責任を負われないようにするための事項」という意味です。

サービスや商品を提供している会社では、顧客とのトラブルで起きたすべての事項について責任を負わないようにしています。特定の事項を挙げて、その事項に該当するときには責任を問わないと明示しています。

例えば、自動車の保険会社は、自然災害によって車が破損した場合は保険金を支払わないなど、保険金を支払わないケースを明らかにしています。このように責任を負わない事項を「免責事項」と言います

「免責期間」とは「免責になる期間」

「免責期間」は「保険会社が免責になる期間」のことです。保険会社は被保険者の保険金などを支払う責任がありますが、ある一定期間にたいして保険金を支払わない期間があります。それを「免責期間」といいます。

免責期間が設けられている例として、医療保険が挙げられます。悪質な被保険者には、加入してすぐに保険金を請求するケースがあります。そのような事例が相次げば、保険会社の支払額が短期間に増えて支払いが滞り会社の存続の危機に陥ります。そのために、保険会社では保険加入後の一定期間に免責期間が設けられています。

「免責補償」とは「免責金額をゼロにする制度」

「免責補償」とは「免責金額をゼロにする制度」です。「免責金額」とは、事故などが起きたときに、その事故が保険の対象になっていた場合は、保険会社が事故による損害額を支払いますが、その一部を被保険者が支払うことがあります。その自己負担分を「免責金額」といいます。

「免責補償」ではその免責金額を被保険者が支払う必要がなくなります。その結果、被保険者の支払う自己負担分がなくなり、つまり「免責金額」はゼロ円になります。

「免責」の類語とは?

「免除」とは「義務や役目などをなくすこと」

「免除(めんじょ)」とは、「義務や役目などを許してなくすこと」という意味です。学費や保険料などの金銭の支払い義務をなくしてもいい場合に、「免除」という言葉が使われます。

「免責」と「免除」の両方とも「責任をまぬがれる」という意味がありますが、「免責」では責任に重点が置かれているのに対して、「免除」は責任について重点が置かれず、単に「その責任がなくなる」という意味で使われます。

「課せられる責任をまぬがれる」という意味なら「免責」を使い、責任を問わず、「単に責任がなくなる」という意味ならば「免除」を使いましょう。

「減免」とは「軽くすること」

「減免(げんめん)」とは、「軽くすること」または「なくすこと」という意味です。刑罰や租税などの負担を軽くしたり無くしたりするときに使われます。

「免責」との違いは、「減免」には「軽くすること」と「なくすこと」の2つの意味があることと、軽くしたりなくしたりするものが何かが定まっていないことです。「免責」ではまぬがれるものに責任があることがはっきりとしています。

「免責」の英語表現

「免責」は英語で「disclaimer」

「disclaimer」とは「責任を問われないこと」という意味の名詞で、「免責」を意味する英語表現です。ほかには、「否認」や「放棄」という意味もあります。

「免責」の英語例文

“Please read the disclaimer under the contract.”
契約に基づく免責をお読みください

「免責金額」は英語で「diductible」

「免責金額」は英語で「diductible」です。保険用語として使われる言葉で、一般的には形容詞で「控除できる」という意味の形容詞として使われています。

「免責金額」の英語例文

“The deductible is maximal 2000 Doller for renting of the bike.”
レンタル自転車の免責金額は、上限2,000ユーロです

まとめ

「免責」とは「責任をまぬがれること」という意味の言葉です。債務者が債務をまぬがれるときや保険業者が被保険者に対して保険金を支払う責務を果たさないときなどに使われます。保険会社の免責事項では、その対象となった場合には保険金が支払われません。免責事項に該当したと気には自己負担になると理解しておきましょう。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。