「脱サラ」の意味とは?使い方や「起業」「副業」との違いも紹介

「脱サラ」とは、務めている会社を辞めて独立することを意味します。農業やラーメン屋など、さまざまな仕事を始める人がいます。「どんな転職だと『脱サラ』と呼べるのだろう」「脱サラは幸せな選択肢?」など、気になることが多い人がいるかもしれません。「脱サラ」の意味や詳細を、類語との違いとあわせて紹介しましょう。

「脱サラ」の意味

「脱サラ」の意味は「会社勤めを辞めて独立する」

「脱サラ(だつさら)」の意味は「勤めていた会社を辞めて、別の仕事で独立すること」です。独立して仕事を始めることが主な意味になります。そのため「別の企業に雇われる」「療養や介護、家事に専念する」ことは「脱サラ」に含まれません。

脱サラする理由は「昔からの夢を叶えたい」「収入を伸ばしたい」というポジティブなものや、「人間関係に疲れた」などのネガティブなものもあります。

「脱サラ」の由来は「脱サラリーマン」

「脱サラ」の由来は、脱サラリーマンの略語だとされています。サラリーマンを辞めることを「脱出」に例えた表現です。

「サラリーマン」とは「給料で生活する勤め人」という意味です。サラリーマンは性別を問わない言葉ですが「男性」を連想する人が多いようです。女性の場合は、OL(事務職のみ)やキャリアウーマンのように呼び分けます。

ちなみに、性別で言い分けるのは問題があると感じる人も多いため、どちらの印象もない「会社員」を使う場面も多いです。

「脱サラ」の英語表現は「Quit my job」

「脱サラ」を意味する直接的な英語表現は一般的にはないようです。英語で表現するためには、離職することを意味する「Quit my job」を使うとよいでしょう。

「脱サラ」の使い方

「脱サラ」は成功例や幸せな意味合いで使う

「脱サラ」は「会社勤めを辞めて独立すること」という意味ですが、一般的には「希望通りの職業で独立する」という幸せな意味合いや成功例として使われます。そのため、不本意な独立をしなければならない場合に「脱サラ」を使うと、違和感を覚える人がいる可能性があります。

例えば「他に跡継ぎがいないため、不本意ながら家業を継ぐために退職する」ような場合は、「脱サラ」は避けた方が良いでしょう。

「脱サラ」を失敗や後悔とする例も

希望通りの転職をする「脱サラ」ですが、幸せでポジティブな状況とは限りません。新しい仕事が成功せず収入が大きく減り、後悔していることもあるためです。失敗談として語られる「脱サラ」は、ネガティブな意味合いで使われます。

他にも、準備不足・見通しが甘いことを咎めて「脱サラなんかして……」と使うこともあります。

「脱サラ」して何をするかや職業の選択肢

「脱サラ」した後の職業は、独立さえしていれば業種などを限定する意味合いはありません。農業や漁業のような一次産業を始める、ラーメン屋のような飲食店の開業も「脱サラ」です。

他にも、起業して経営者になったり、作家や漫画家、デザイナーとして独立することも「脱サラ」の選択肢に含まれます。

「脱サラ」を使った例文

  • 故郷に戻って農家になるのが長年の夢だった。子どもも自立したし脱サラして夢を実現しよう
  • 脱サラは、成功例・失敗例をしっかり調べてから決めたほうがいい
  • 脱サラしたものの、なかなか思い通りにいかず少し後悔している

「脱サラ」の類語・関連語

「脱サラ」の類語は「起業」「転職」

「脱サラ」の類語は「起業(きぎょう)」です。新しく事業・会社を始めることを意味します。「脱サラ」と違い「勤め先を辞める」という意味はありません。そのため「Aは卒業と同時に起業した」も正しい表現になります。

「転職(てんしょく)」も脱サラの類語です。「職業・職場を変えること」を意味します。新しい仕事の内容や勤務形態は問いません。「脱サラ」より意味が広いため、無難に使える表現です。

「卒サラ」を類語として使うことも

「卒サラ(そつさら)」も近年は「脱サラ」の類語として使われています。「卒」は「卒業」のことです。サラリーマンを辞めることを「卒業」と例えた俗語です。

もともと「卒サラ」は「定年退職でサラリーマンを辞めること」を意味していました。定年退職に「仕事に行けなくなる」などのネガティブな印象を持つ人がいたため、新しいスタートの印象がある「卒業」という言葉を使ったと言われています。

「脱サラ」の前に「副業」をする人も

「脱サラ」とともに使うことがある関連語は「副業(ふくぎょう)」です。副業とは「本業とは別の仕事で、収入・勤務時間などが本業と比べて少ないもの」を意味します。

2018年の法整備をきっかけに、副業を認める企業が増えつつあります。そのため、最初は副業で様子を見て、収入が安定してきてから脱サラする計画をたてる人もいるようです。ちなみに、脱サラを中止する理由になる場合もあります。収入に不満があって脱サラを目指していた場合「責任の少ない副業で補えば充分」と考える可能性があるためです。

まとめ

「脱サラ」は「望んだ仕事のために退職する」という意味合いを持つ言葉です。しかし、失敗例も多くネガティブな文脈で使われることもあります。「脱サラ」がふさわしい表現なのか、判断してから使用するとよいでしょう。