「セオリー通り」や「セオリーに反する」などのように、「セオリー」という言葉を使うことはありませんか?難しい響きのある言葉ですが、意味や使い方を理解すれば、ビジネスシーンでも活用できます。
ここでは「セオリー」の意味や語源のほか、使い方と例文、類語や対義語について解説します。
「セオリー」の意味と英語表記とは?
「セオリー」の意味1「学説」「理論」
セオリーとは「学説」や「理論」を意味します。学問の分野において、研究者や学者などによって発表されたり、また結果に基づいてオリジナルにまとめられた「学問上の考え」などを表します。また「物事に対する現象や動作などを法則的に解説できるように、筋道を立てて構成された知識のカタチを「セオリー」と呼びます。
「セオリー」は実践的なものではなく、シンプルに論理的な視野によって組み立てられた知識や概念などを指す言葉です。ゲームやスポーツなどの趣味のエリアから、サイエンスに至るまで、幅広い域で「セオリー」は存在します。
「セオリー」の意味2「持論」「見解」
セオリーには、「持論」や「見解」などの意味もあります。「セオリー」は自分が持つ意見や思想などを言葉にし、体系的にしたものを指します。つまり、他人や世間が同意しなくても、自分自身が以前から主張している独自の意見や仮説を「セオリー」と呼んでいます。
そのため、自分なりの分析結果や異論などが含まれることもあります。「セオリー」は物事に対する個々の考えや見解を意味することも多く、状況によってはオリジナリティ溢れる一風変わった「セオリー」が掲げられることもあります。
また「セオリー」が「持論」や「見解」という意味で使われる時は、「独自の理論」というニュアンスが強くなります。
「セオリー」の英語表記は「theory」
「セオリー」は英語で「theory」と表記します。「thoery」の関連語には「theorem=「定理・原理」や「theoretic=理論的」、また「theoretical=理論に基づいた」などがあります。どの単語もある法則的な考えがベースとなっていることが理解できます。
「セオリー」の使い方と例文
「セオリー」は学問での使用頻度が高い
「セオリー」が持つ「学説」や「理論」、また「持論」や「見解」という意味から、多くは学問分野や研究・分析の分野で使われます。その他、大学の必修科目やアサイメントのタイトルに使われたり、卒業論文の課題として挙げられることもあります。
「セオリー」は教育や医学分野のほか、コンピューターサイエンスや法律分野、また建築や芸術分野にも深く関わりのある言葉です。もっとも、学問においては「セオリー」が存在しなければ意見や考えを主張することもできないわけで、逆に「セオリー」があってこそ、初めて人は重要な知識を修得できるとも言えます。
「セオリー」はビジネス会議やプレゼンでも
「セオリー」は、周囲に自分の考えや分析結果をアピールする場面で威力を発揮する言葉です。
たとえば、ビジネス会議や報告書などで自分の意見や見解を述べる時、またプレゼンで市場調査の結果を発表したり、顧客の販売動向などを分析し文書にする時などに活用できます。つまり、ビジネスシーンでも「セオリー」が必要とされるシーンは数多くあるということです。
ビジネス会議では独自の「セオリー」を主張することでプロジェクトに採用されたり、商品化に貢献することもあるでしょう。プレゼンでも同様に、クライアントや取引先に新しい見解を投げかけることで、共同制作やコラボが実現することも大いにあります。
「セオリー」の主張はし過ぎない
ビジネスシーンでの「セオリー」は、言ってみれば「周囲を納得させる手法」のことです。そのため「セオリー」を必要以上に周囲に押しつけると、嫌な顔をされてしまうこともあるでしょう。「セオリー」とはあくまで、その分野における「主張するための学問や理論」、また「独自の意見や見解」です。それを受け入れるか、また受け入れないかは本人の意思によるところが多いのです。
もちろん、社内での会議やプロモーションイベントなどで「セオリー」を活用して説明していくことが大切です。しかし、プライベートや自由時間などに「セオリー」を周囲に語り過ぎてしまうのは、状況によっては有難迷惑となってしまう可能性があります。
「セオリー」を使った例文
- ミーティングに入る前に、戦略セオリーを確立しておこう
- 顧客の購買動向は、今のところセオリー通りだ
- 夜10時以降は何も食べないのが、私のセオリーである
「セオリー」の類語とは?
「コンセプト」とは「概念のこと」
「コンセプト(concept)」とは、いわゆる「概念」のことです。つまり、物事に対して「これは何であるのか」を抽象的に示した内容を意味します。主に哲学的な観点を軸に「どういう事か」「どういう物か」という主旨を普遍的に捉えたもの、また概括したものが「コンセプト」です。
ビジネスシーンでの「コンセプト」には「構想」や「構図」などのニュアンスが含まれることもあります。しかし日常生活においては「世間に浸透している仕組みや、そうだと認識されている考え方」を中心に「コンセプト」と呼ぶ場合がほとんどです。
「オピニオン」とは「意見のこと」
「オピニオン」は英語の「opinion」のことで、「意見」や「私見」、また「見解」などを意味します。「オピニオン」は個人的な見解によって生まれる意見のことで、自信はあるが裏付けや証拠などがない私見を表します。
また、人や物事に対する評価や判定などの意味も含まれることがありますが、あくまで主観や個人的な視野によって決められた情報を指す言葉となります。そのため、賛成や同意、また批判や非難はありますが、正誤については問われることはほぼありません。
「ハイパサシス」とは「仮説のこと」
「ハイパサシス(hypothesis)」は「仮説」を意味します。一般的に、議論や検証するための仮説や仮定、前提などを表す言葉です。「ハイパサシス」は、ある物事や現象などを説明するために立てる「仮の案」や「推理上の考え」といったニュアンスで使われます。
ビジネスシーンでも「ハイパサシス」を掲げてトラブルシューティングを行ったり、販促活動や商品企画などに役立てることがあるため、ビジネス戦略の一つとしても活用できるカタカナ語となります。
「セオリー」の対義語とは?
「プラクティス」とは「実践のこと」
「プラクティス」は英語の「practice」が由来のカタカナ語で「実践」という意味があります。もともと「セオリー」が「理論」という意味ですから、その正式な対義語である「実践」のカタカナ語「プラクティス」も対義語となります。
「プラクティス」は「現実における方法や行動」を表すため、仮説や概念における方法や行動ではないことを意味しています。
「リアリティ」とは「現実のこと」
もう一つ「セオリー」と反対の意味を持つ言葉に「リアリティ(reality)」があります。「リアリティ」は、周知のとおり「現実」が主たる意味となりますが、その他「真実性」や「迫真性」などの意味も持ち併せています。
たとえば「リアリティに欠ける」は「現実性に欠ける」、また「リアリティの問題」は「真実性の問題」という意味です。
まとめ
「セオリー」は英語の「theory」を語源に持つカタカナ語で「学説」や「理論」、「持論」や「見解」などの意味があります。
また、言葉が持つ意味から、学問分野やビジネスシーンでは使用頻度の高い言葉の一つとなります。ビジネスシーンでは「セオリー」を用いて自分の意見や見解を説明することで、説得力のある発表や講義を実践することができます。