「レスポンス」の意味とは?類語やレスポンスが早い・遅いの違いも

「レスポンス」には「反応」や「応答」という意味がありますが、自動車やIT業界では、専門的な意味を持って使われています。

また「レスポンスが遅い」「レスポンスが早い」などと言ったりしますが、ビジネスではどのような影響を生むのでしょうか?ここでは「レスポンス」の意味と使い方、類語を含めて解説します。

「レスポンス」の意味とは?

「レスポンス」の意味は「反応」「応答」

「レスポンス」とは、英語の「response」のことで、「反応」や「応答」という意味を持つカタカナ語です。「レスポンス」は、質問の問いかけに対する「返答」や「回答」、また、物事の動作や出来事に対して起こる「反響」などを意味します。

また、Eメールや手紙などに対する「返信」、人の言動に対する「対応」を表す言葉でもあります。

「レスポンス」の略称は「レス」

「レス」とは「レスポンス」を短くした略称です。ビジネスシーンや友達とのメールのやりとりで「レスが良い」「レスが悪い」という言い回しを使ったりしますが、これらは「返事が早い」「返事が遅い」という意味です。

忙しい職場では、言葉を省略してコミュニケーションをとるといった環境も自然に生まれてきますが、「レスポンス」の略語である「レス」もその一つです。

しかし「ペーパーレス」や「コードレス」のように、「〇〇を使わない」という意味の「less」を表すカタカナ語ではありません。「レス」はあくまで「レスポンス」の省略名となります。意味や使い方を混同しないように気を付けましょう。

「レスポンス」の分野別の意味と使い方

自動車業界では「操作に対する反応スピードのこと」

「レスポンス」は自動車業界では「運転する際の、ドライバーの操作に対する反応の早さ」を意味します。たとえば、アクセルを踏み込んだ時に、加速へのピックアップがスムーズで早い場合は「レスポンスが良い(早い)」という表現を使います。まさに、トルクの立ち上がりが早く、エンジンが快適に作動している証拠であり、良い反応であると言えます。

逆に、アクセルを踏んだ際に、トルクがなかなか立ち上がらず、スピードが上がりにくい場合は「レスポンスが悪い(遅い)」といいます。つまり、加速へのエンジン音が鈍く、一定の速度に達するまでもたつく状態を指します。

同様に、マニュアル車やAT車にかかわらず、シフトアップやシフトダウンをした時に、タイムラグなく的確に反応する場合は「レスポンスが良い(早い)」、逆の場合は「レスポンスが悪い(遅い)」と言ったりします。

IT業界では「レスポンスタイムのこと」

「レスポンス」はIT業界では「レスポンスタイム(response time)」のことを意味しています。「レスポンスタイム」とは、パソコンやシステム機器などにデータを入力したり、計算処理などをする際の反応のスピードに関係します。つまり、機器内に導入されたシステムやプログラムが、「要求に応答するまでの速さ」のことを指しています。

わかりやすい例で言えば、ローマ字打ちをし漢字変換をしたときに、どれだけ早く画面に現れるか、またエクセル機能なら、立て計算や確率計算などが、どれだけ早く行われるか、といったことを意味します。

使い手が入力や計算などの入力を行ってから、その応答がスクリーンに反映するまでに時間がかかる場合は「レスポンスが悪い(遅い)、また応答が即座である場合は「レスポンスが良い(速い)」となります。

医療分野では「刺激に対する反応のこと」

「レスポンス」は医療分野で「刺激に対する反応」や「治療薬に対する反応」などを意味します。つまり、あらゆる医療のプロセスにおいて、どのような影響が見られたかを表す際に「レスポンス」という表現を用いることがあります。

「レスポンス」が早い・遅いではどう違う?

「レスポンス」が早いと仕事の効率が上がる

どのような業種でも、相手とのやりとりやコミュニケーションは必要不可欠な要素となります。もちろん、ここで「問いかけと返答のキャッチボール」は当然生まれてくるわけです。

たとえば、Eメールや電話などで、レスポンスが早いと、すぐに次の段階に進むことができます。また、いち早くトラブル処理を行うことができるかもしれません。つまり、仕事全体としての効率がグンと上がるということになります。

「レスポンス」が早いと、必然的に仕事の効率を上がり、無駄な時間を省くことができます。もっとも、競合の多い企業では、「レスポンス」の早さはビジネスを発展させるミソだとも言えます。

「レスポンス」が早いと信用が高まる

「レスポンス」が早いと自分への信用度もおのずと高まってきます。相手がいち早く回答を望む案件に対し、スピード感をもって適切に「レスポンス」をすれば、「この人はこちらの状況を理解してくれている」と思ってくれるでしょう。

また「レスポンス」が早いと、自分に対する信用度が増すことが期待できます。どのようなビジネスにおいても「信用は要」であり武器となり得ます。

もちろん、「レスポンス」を早めるために急いでしまい、誤った回答を送ってしまうのは良くありません。しかし、的確でタイムラグの短い「レスポンス」は、相手にとっても利益につながることがあることを理解しておくべきです。

「レスポンス」が遅いと損失が膨らむ可能性も

周知のとおり、「レスポンス」は早いに越したことはありません。むしろ「レスポンスが遅い」と、せっかくのビジネスチャンスでさえ、逃してしまう可能性が出てくるからです。

たとえば、初めて足を運んだ企業に好意的にビジネス案を持ちかけたとします。感触もよくスピード感をもって返信が来るだろうと思っている相手に対し、返事が2日、3日と遅れたとしたら、一体どのような印象を受けるでしょうか。

「レスポンス」が遅いと、ビジネスの大小に関わらず「何らかの損失」につながる場合があります。たとえば、それは「信頼の損失」であったり、「契約の損失」であるかもしれません。いずれにしても「レスポンス」が遅れる時は、あらかじめ相手に理由や状況を伝えるようにしましょう。

「レスポンス」の類語とは?

「レスポンス」の類語は「手応え」「答申」など

「レスポンス」の類語には「手応え」や「感触」、また「答申」や「返答」などがあります。下記でそれぞれの意味を挙げてみます。

「レスポンス」の類語
  • 手応え:突いたり叩いたりした際に手元に返ってくる感じ、動作に対する確かな反応
  • 感触:手触りや肌触り。雰囲気や働きかけなどから受け取る感じ
  • 答申:上の立場の人の問いかけに対して回答をしたり、意見を返すこと
  • 返答:問いかけに対して返事をしたり、答えること

カタカナ語での類語は「リアクション」「リプライ」

「レスポンス」のカタカナ語での類語は「リアクション(reaction)」や「リプライ(reply)」などがあります。

「リアクション」とは基本的に「表現や言葉などを使って表す反応や応答」を意味します。この場合は良い意味でも、悪い意味でも使われますが、たとえば、アレルギー反応や思わしくない副作用などが現れた際にも、反応を表す「リアクション」という表現を用いることがあります。

また「リプライ」はEメールのリプライ機能でお馴染みのとおり、「返事」や「返信」を意味します。一般的に、人の言動に対して応じること、答えることを「リプライ」といいます。

まとめ

「レスポンス」とは英語の「response」のことで、「返事」「返答」「応答」などを意味するカタカナ語です。「レスポンス」は、ビジネスではEメールやビジネス文書への返答や回答という意味で使われますが、自動車業界やIT業界では異なる意味で用いられます。

社会人になると、取引先とのやりとりや申請書などの回答など、あらゆるシーンで「レスポンス」というプロセスが必要になってきます。「レスポンスが早い」ことで得られるメリットを心得て、時間の無駄なく、効率よく仕事をこなしていきましょう。