「ワークショップ」の意味や種類とは?オンラインが人気の理由も

ビジネス研修や演劇、ハンドメイドなど、多くの種類の「ワークショップ」があります。適当に選ぶと「思っていたのと違う。参加した意味がない」と不満に思うかもしれません。意味やセミナーとの違いをわかりやすくご説明します。近年増えている「オンラインワークショップ」についてもご紹介します。

「ワークショップ」の意味とは?

ワークショップとは「体験型の講習会」という意味

「ワークショップ」の意味は「体験型の講習会」です。ビジネスシーンでは「参加型の研究集会」という意味で使われることもあります。

本来は「仕事場」「作業場」を意味していました。日本で最初に現在の意味で使ったのは芸術分野だという説があります。「美術館の創作体験会」や「演劇・ダンスの表現の訓練」がはじまりだと考える意見です。別の説では、自己啓発セミナーを発展させたものが最初だというものもあります。

「ワークショップ」のメリットは「実際に体験できる」

「ワークショップ」の主なメリットは「実際に体験できること」です。話を聞いたりテキストを読むだけではイメージしづらいことも、体験することで理解しやすくなることが期待できます。また、能動的に参加するため、最後まで飽きずに参加しやすいでしょう。

主催者側としても、参加者に体験してもらえるのはメリットとなります。体験した上で出る疑問や不安に、その場で対応できるためです。また、印象に残りやすいため商品・サービスのPRにも向いています。

「ワークショップ」のデメリットは「参加者の影響が大きい」

「ワークショップ」の主なデメリットは「講師だけではなく参加者の影響が大きいこと」です。例えば、ハンドメイド(ものづくり)のワークショップで考えてみましょう。「他の人が終わるのを待つ時間が発生する」「講師に質問したくても、苦手な人にかかりきりでチャンスがない」という問題が考えられます。こうなると、手先が器用な人は「参加した意味がない」と思うかもしれません。

専門知識をじっくり勉強したい人にとっては「実習ばかりで、講師の話を聞く時間が少ない」ことがデメリットと言えるでしょう。この場合は、後ほど紹介する「セミナー」の方が向いている可能性があります。

「ワークショップ」の由来は英語「workshop」

「ワークショップ」の由来は、英語の「workshop」です。ほぼ同じ意味でカタカナ語に定着しています。アメリカで「体験型の講習会」という意味で使われるようになったのは20世紀の中頃だと言われています。演劇分野で使われはじめたのがきっかけだそうです。

「ワークショップ」の種類とは?

演劇・ダンスの「ワークショップ」は著名人が指導することも

演劇・映画・ダンスなどの「ワークショップ」では、著名な俳優や監督、ダンサーが指導するワークショップも開催されています。

演劇の場合、ただ訓練するだけでなく、上演して観客に披露することが最終目的のワークショップもあります。ダンスの場合、近年ではヒップホップダンスが人気のようです。

趣味で楽しむ「ハンドメイドワークショップ」

個人が趣味で楽しむために開催される「ハンドメイド(ものづくり)」のワークショップも人気です。手芸や料理、子ども向けの工作作品など、様々な分野があります。

観光地では、その土地の工芸品づくりを体験できるワークショップが開かれることもあります。

ビジネスでは「研修会」や「研究会」の意味も

ビジネスシーンでの「ワークショップ」は、研修会・研究会に活用されることがあります。体験型にすることで「ただ聞いているだけ」「居眠りして聞いていない」などのトラブルを防ぎます。

ビジネス戦略を考えたり、新しいプロジェクトの準備をしたりする際にも「ワークショップ」の進め方が有効です。参加者全員が当事者意識を持って意見を出し、活発なミーティングになることが期待できます。

「イベントワークショップ」はPRが目的

ビジネスで用いられるものに「イベントワークショップ」があります。商品やサービスのPRのために開催するものです。実際に商品を使用する(サービスの一部を体験する)ことで、消費者に強い印象を残すことが期待できます。消費者の疑問にすぐに答えられるのもメリットもあります。

「オンラインワークショップ」とは?

「オンラインワークショップ」の意味と特徴

「オンラインワークショップ」とは、名前の通りオンライン(インターネット)を活用して行うワークショップを意味します。一般的には、複数人で同時に会話できる通話サービスを活用して行います。

インターネット環境があれば、地域を問わず参加できるのが特徴です。オフラインのワークショップは、東京・大阪・横浜などの大都市での開催が多いため、遠方に住んでいる人は不利な面がありました。ただし、自分でインターネットやパソコンの環境を整える必要があるため、知識がない人には厳しいという問題もあります。

「オンラインワークショップ」が人気の理由

近年、「オンラインワークショップ」の人気が増しています。理由はコロナなどの「感染症対策」が大きいと言えるでしょう。

外出自粛の中でも充実した休日にしたい人が「オンラインワークショップ」に参加しているようです。オンライン開催のため「会場への移動中の感染」というリスクを回避できます。講師や参加者と対面する必要がないのも安心材料です。

「オンラインワークショップ」のやり方・進め方の違い

対面式のワークショップと違い、オンラインワークショップは準備するサービス・ツールで進め方に差がでます。参加者全員に対して、事前にツールの使い方を説明することも大切な準備だと言えるでしょう。

複数人で同時にテキストを編集したい場合は「オンラインホワイトボード」ツールを利用することが多いようです。インターネット上で使えるホワイトボードのようなツールで、テキストやポストイットの編集が可能です。通話サービスで会話しながら、モニターにオンラインホワイトボードを表示してワークショップを進めることになります。

ヨガやハンドメイドのワークショップでは、ビデオ通話で動きや作業風景を見せ合って進めることが多いようです。この場合、Webカメラのついている端末を準備する必要があります。

「ワークショップ」と「セミナー」の違いとは?

「セミナー」との違いは参加の仕方

「ワークショップ」と「セミナー」の違いは参加の仕方にあります。「ワークショップ」は体験型のため、参加者ひとり一人が能動的に作業をしたり、意見を出したりします。

「セミナー」の場合、参加者は講師の話を聞くのがメインです。質疑応答の時間までは質問もしないことが一般的です。大学の講義をイメージすると分かりやすいでしょう。

どちらの形式が向いているかの具体例

「セミナー」は講師の説明をじっくり聞けるのがメリットです。目的によっては「ワークショップ」より向いていることもあり得ます。どちらがどのようなことに向いているか、具体例で確認しましょう。

  • ワークショップの方が向いている例
    テキストを読んでも具体的な手の動かし方がイメージできない。
    旅の思い出に、普段はできない体験をしてみたい。
    体を動かすことで、効率よく作業を覚えたい。
    座って話を聞いているだけでは飽きてしまう。
  • セミナーの方が向いている例
    専門家の知識や意見をじっくり教えてもらいたい。
    知らない人と交流するより、黙々と勉強する方が得意だ。
    知識をしっかり覚えてから作業に入りたい。

まとめ

「ワークショップ」とは「体験型の講習会」という意味です。「企業の研修やPRに使われる」「個人が趣味のスキルアップのために参加する」など幅広い目的でワークショップが利用されています。近年ではオンラインワークショップも人気です。おうち時間を充実させる方法の1つとしてチェックしてみてください。