「ルポルタージュ」とは「現地からの報告」という意味で、新聞や雑誌などで現地の様子をまとめた記事や映像のことを指します。「レポート」や「ノンフィクション」などの類語もありますが、どのように使い分ければいいのでしょうか。
この記事では、「ルポルタージュ」の意味や類語、書き方のポイントなどを解説します。
「ルポルタージュ」の意味とは?
「ルポルタージュ」の意味とは「現地からの報告」
「ルポルタージュ」とは、現地からの報告という意味です。現地に行き、そこで起きていることなどを取材し情報をまとめたものを指します。
ジャーナリズムが発達してからは、主に「ルポルタージュ」は報道や新聞、雑誌などのマスコミ用に使われる報告記事や映像を指すようになりました。
「ルポルタージュ」の語源はフランス語
「ルポルタージュ」は、フランス語の「reportage」が語源で、「探訪」と訳されていたこともありました。「探訪」とは社会で起こる出来事や人々の様子を探るために歩き回ることという意味です。
しかし「ルポルタージュ」が「探訪」という意味ではないと解釈されるようになり、「探訪」と訳されることはなく「ルポルタージュ」というカタカナ語が使われるようになりました。
「ルポルタージュ」と類語の違いとは?
「レポート」とは調査や研究などの報告書
「レポート」とは、調査や研究などの結果をまとめた報告書のことです。「レポート」には「現地で取材をしてまとめたマスコミ用の報告・報告書」という意味もあり、その点では「ルポルタージュ」の類語だと言えます。
「ノンフィクション」とは事実に基づいた文学作品
「ノンフィクション」とは事実に基づいた文学作品のことで、伝記や紀行文などを指します。「フィクション」は「虚構」で、事実でないことを事実のように綴った作品のことです。「ノンフィクション」は「虚構ではない」ことを表しているため、事実に基づいた作品という意味になります。
「ルポルタージュ」と「ノンフィクション」の同じ点は「事実をもとにしていること」です。違う点は2つ、「事実を知るために現地に赴くか」と「報告の形式」が挙げられます。「ノンフィクション」は、事実を知るために現地に赴く必要はなく、形式は文学作品です。そのため、ルポルタージュを基にした文学作品は「ノンフィクション」と呼ばれます。
「ドキュメンタリー」とは事実を記録した作品全般
「ドキュメンタリー」とは、事実を記録した作品全般のことで、語源の「ドキュメント」は記録または文献という意味があります。メディアに紹介される記事や小説、映像などどのような形態で発表されても、事実を記録された作品は「ドキュメンタリー」です。
一般的には、事実を記録した映像作品を「ドキュメンタリー」と呼ぶことが多く、「ルポルタージュ」との違いは「事実の記録」に重点が置かれる点でしょう。
「エッセイ」とは作者の意見を自由に伝える文学形式
「エッセイ」とは、作者が自分の意見や感想などを自由な形式で書いた文学ジャンルのひとつで、小説家から科学者まで、あらゆる職業の人によって書かれます。
「ルポルタージュ」との違いは、「ルポルタージュ」では事実を基にし「エッセイ」は何について書いてもよいという点です。「エッセイ」でも事実を基に書かれることがありますが、事実に基づいていないこともあります。
ルポルタージュ形式でのインタビュー記事の書き方
ルポルタージュはインタビュー記事の形式の1つ
ルポルタージュ形式で書かれた代表的なものとして、インタビュー記事があります。「インタビュー」とは「面接」という意味で、「インタビュー記事」では記事の目的に沿った人に会い、会話の中から得られた情報を記事としてまとめます。記事内では、記事の執筆者の意見が取り入れられることもあるでしょう。
ルポルタージュを含め、インタビュー記事を書く代表的な形式には、下記の3つが挙げられます。メディアとの相性や読者の読みやすさなどを考慮して選びましょう。
ルポルタージュ形式の書き方の基本
ルポルタージュ形式で書くときの基本は「目的」を明確にすることと「下調べ」です。
まず、記事の目的をはっきりとさせると、取材対象者に何を質問するべきかが見えてきます。さらに、下調べで対象者や取材内容を多角的に捉えておくことで、より細かな情報を引き出すことができます。
ルポルタージュにいかせるインタビューのコツ
インタビューを始めるときは、取材対象者の緊張をほどくことから始めましょう。初対面ですぐにインタビューを始めると、相手は思った通りに回答できないことがあります。何気ない会話で相手との距離を縮めてからインタビューに入りましょう。
また、インタビューをしていると用意しておいた質問に集中しがちです。インタビューも会話のようなものですから、相手の回答次第では用意しておいた質問が合わないこともあります。質問したいことだけを考えるのではなく、まずは相手との会話に興味を持つ姿勢を大切にしましょう。
相手と信頼関係を築くことで、インタビュー記事の目的をふまえた回答も自然に引き出せるようになります。聞き逃しがないように、メモ用紙やボイスレコーダーを活用するのもよいでしょう。
「ルポルタージュ」の英語表現
「ルポルタージュ」は英語で「reportage」
「ルポルタージュ」は英語で「reportage」で、語源となったフランス語と同じ綴りです。「reportage」は「ルポルタージュ」と同じく「現地からの報告」という意味で、主に新聞、テレビなどマスコミ用の報告記事や映像を指して使われます。
「ルポルタージュ」の英語例文
- I read a reportage of the festival in the newspaper.
「新聞で祭りのルポルタージュを読んだ」 - The reportage of marine life I watched on TV yesterday was interesting.
「昨日テレビで観た海洋生物のルポルタージュはおもしろかった」
まとめ
「ルポルタージュ」とは「現地からの報告」という意味で、フランス語の「reportage」が語源です。「レポート」や「ノンフィクション」などの類語も多いので、それぞれの意味と違いを知り、使い分けましょう。また、ルポルタージュを書くときは、自分の意見を交えることもできますが、「現地からの報告」という本来の意味を忘れないように記事をまとめましょう。
書き手が読者に説明するように文章をまとめます。その合間に取材対象者の発言を差し込むので、記事の流れに合う発言を選びことが大切です。
取材対象者が語っていることだけを採用した記事です。取材対象者の声を読者に直接伝えられるメリットがあります。
取材をしたときの対談の様子をそのままを記事にする形式です。インタビューをしたときの臨場感を伝えられます。